ずいぶん時間が経ってしまいましたが、星組公演の感想を。
ネタバレありますよ。
「眩耀の谷」
演出は振付家で演出家の謝珠栄先生。
元タカラジェンヌがオリジナルのお芝居を、宝塚で脚本・演出されるのは初めてだそうです。おめでとうございます
とはいえ、これまでにも柴田先生の作品の演出を度々手掛けられてきましたし、
「MAHOROBA」のようなストーリー性のあるショーの演出、また外部では多くの作品の脚本・演出をされてるので、
デビューといっても、若手演出家のデビューとはあきらかに違いがみられました。(年齢の違いかもしれませんけど)
宝塚らしくて落ち着きがあって、あまりゴチャゴチャしてない。
ツッコミどころが無いとは言いませんけど、ちゃんとまとまってました。
セットも凄く綺麗だし、振付家らしくナンバーがたくさんありました。
舞台は周代の中国。古代の話なので神話的でファンタジー要素が強かったです。
「太王四神記」とか「天空の城ラピュタ」のような雰囲気がありました。
血気盛んな若い武人が色々な人に出会い、出来事を通じて成長していく物語で、
スケール感もありますし、まこっちゃん(礼真琴)にピッタリな作品になってました
周に征服された少数民族汶族の国に赴任した、礼真まこっちゃんは憧れの将軍に命ぜられ、汶族の聖地眩耀の谷を探索。
なかなか見つからなかった谷ですが、そこで不思議な幻を目にし、そして汶族の男に出会います。
まこっちゃんが口ずさんだ子守唄を、その謎の男せおっち(瀬央ゆりあ)に、教えてくれたら谷に連れて行ってやる、
と言われ、谷を見つけるのですが。
まこっちゃんの同期せおっちのお芝居がやっぱり良かったです
大劇場でこんな大きい役は初めてですよね。髭部も大人顔のわりに、あんまり見たことなかった気がします。
格の高さや大きさのいる役で、トップである、まこっちゃんと対で歌うとことか、ちょっと胸が熱くなりました
水乃ゆりちゃん演じる幻のような神の使い(ハリー・ポッターの守護霊みたいな感じ)や、
せおっちに教えろと言われた亡き母の子守唄がカギになってました。
谷で出会う王族の血をひく舞姫が、ひっとん(舞空瞳)。清らかで美しい姫なのに、子持ち
一体いくつの設定なんでしょうか?
っていうか最近の流行りですかね?ヒロインが寡婦だの、人妻だの子持ち設定っていうの
ひっとんの場合は無理矢理連れて行かれたので、ちょっと違いますけど。
礼真は素直で真っ直ぐ。いい家庭に育ったのがわかります。家臣には情にもろいのを心配されてましたけど
そして案の定、礼真は虐げられる汶族の民や眩耀の谷の秘密、周の非道を知って変わっていきます。
誰でも生まれ育った国を愛し、素晴らしい立派な国だと信じたいのが普通です。
間違ってる!と、一人だけ異を唱えるのは苦しくて悲しくて、誰にでも出来ることではない。
それが出来るのが礼真で、出来なかったのが管武将軍だったわけですね。
謎の男せおっちに「王に必要なのは力じゃない、寛容な心と王としての器だ」
というようなことを言われて背中を押される場面が素敵でした
これから組を引っ張って行く新しいトップと重なるものがあって、終わり方も新生星組のスタートらしいラストになってました
まこっちゃんと、ひっとんで「天空の城ラピュタ」をやらないかしらね~、めっちゃ似合うと思うわ
ムスカ愛ちゃん(愛月ひかる)にピッタリだし脳内キャスティングしてしまいそう
歌舞伎で「ナウシカ」をやったんですから、是非~
ショー「RAY」
演出中村B氏。星組はナント18年ぶりだったそうで
雪ファン的には割としょっちゅうだったので、嫌いじゃないけど食傷気味、だったんですよね
でも組が変わって出演者が全然違うし、上級生が結構抜けたこともあって、何だかとっても新鮮でした
銀橋に出てくる歌い継ぎメンバーや、少人数口にPすけ(天華えま)やら、あかちゃん(綺城ひか理)が入ってて
「おおっ!」って思いましたなんか違う組を見てるみたい
黒燕尾もすごく揃ってて、エッ星組ってなりました
ひっとんはやっぱり歌が弱いのね。前回のエトは物足りないけど、まぁ歌えてると思ったんですが。
ショーの歌は誤魔化せないですねとはいえ前任に比べれば歌えてるしまだ伸び代はあるんじゃないかなぁ。
ロミジュリでイケコ氏に鍛えられるでしょうし、楽しみにしています。
B氏のショーは大勢でガシガシ踊る場面が多いので、ことなこダンサーコンビにはピッタリだった思います。
すっごい楽しかった~
愛ちゃんの場面は男らしくてカッコイイし、せおっちの場面があったのにもビックリ
いつも自信なさげだったショーで、場面を引っ張れるようになったのに感動しました
お芝居もショーもどちらも佳作だと思います。宝塚観た~感があって、本当に楽しかったです
東京の人にも是非見てほしいです
一日も早く幕が開きますように、祈っています。