水に降る雪

おもに宝塚、そして日々のこと

月組「今夜、ロマンス劇場で/FULL SWING!」②

2022-01-10 | 月城かなと

最早我慢の限界、なんだけど耐えるしかないのよね

花組東京公演の中止が延長に。さらに雪組も公演が3日間中止に

保健所の指導もありますし、劇団の判断は仕方ないと思います

オミクロン株は重症化しないと言われていますが、まだ確定ではありません。

年代別の重症化率、ワクチン接種の有無に対する重症化率、後遺症の有無などのデータが出揃わないとね。

「オミクロンでコロナはただの風邪になった」と宣言される日が一日も早く来ますように

それまではファンも出来ることを協力しなくては。ここの所ちょっと緩んでましたし

 

続きに月組公演の感想を。ネタバレ全開ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今夜、ロマンス劇場で」

主人公の健司は、かなとくん(月城かなと)も言ってましたが、どこにでもいるごく普通の青年。

なのでそれを「男役としてどう演じるかが難しい。」

わかりやすく敵をやっつけるヒーローでも、大勢を引っ張って革命とか偉大な仕事をやり遂げる人、とかじゃないですからね

 

かなとくんが初めて新公主演をした「Shall we ダンス?」のヘイリーに近いかと。

あんな超イケメンが“普通”かどうかはともかく

そう言えばあれも小柳先生でしたね。

 

健司は映画監督になる夢を持って撮影所で助監督として働く青年。

イケメンだけどちょっと鈍くさいというか要領が悪くて、喧嘩っ早いとか尖がったところもなく、穏やかでただ映画が好き

そういう普通の青年の日常を、自然に上手く演じてるなと思いました。

健司がナチュラルなだけに、ちょっと大芝居な俊藤や大蛇丸がより引き立ってました

 

そんな健司が通うロマンス劇場で、毎晩観ている古い白黒映画。

館主の本多さんに「よく飽きないな」と言われて「どんな映画にも必ずいいところがあるんです」と、

いいところを並べて力説するところが、ホントの映画好きだなと思いました。

それはきっと、すべてのジャンルのオタクたちに、響く言葉ですよね

 

毎晩見て憧れている、映画の中のヒロイン美雪姫。

でも本多さんからフィルムを手放すことにしたと言われ、ショックを受けます。

映画の中では美雪姫が従者たちに「外の世界に行くことにした」と言い放ってディアナ様にお願いをし、

映画の外の世界では健司が神様に、美雪姫とずっと一緒にいたいとお祈りすると、

大きな落雷があって停電し、美雪姫がこちらの世界に来て、ストーリーが動き始める訳ですが

 

白黒映画の世界から来た美雪にとって、鮮やかな色付きの世界は珍しく、見るもの全てが驚きに満ちていて好奇心でいっぱい

健司とのやり取りがテンポ良く、面白く描かれます。美雪姫の海ちゃん(海乃美月)も上手いわ~

お転婆で上からのお姫様に振り回される健司

次の日、撮影所を見たいという美雪を連れて行くと大騒動に

その場面が楽しすぎて舞台上のどこを見ても面白いので目が足りないです

 

そんな騒動や、日々のあと、出て行ってしまった美雪。

俊藤や撮影所の仲間たちに背中を押され、ロマンス劇場に迎えに行く健司。

その時、こちら側の世界に来た本当の理由を語る美雪の言葉が胸に来ます

 

美雪たちが出ている古い白黒の娯楽映画は、昔は沢山の人に見て貰って楽しんでもらえたけれど、

いつしか時が経ち、見る人もいなくなって、忘れられていく運命を仕方ないと思っていた。

 

その言葉が、演劇を含むすべてのエンタメに関わる人たちに言えるだろうなと思うと、ちょっと切なかったです

 

そんな時、健司がその映画を気に入って、何度も見てくれて喜んでくれるのが嬉しかった。

それなのにもう会えなくなると知って、健司に会いたくてこちら側の世界に世界に来たのだと。

「見つけてくれて有難う」

そう言って最後に、抱きしめてほしいとお願いするのですが。

 

実は映画の中の世界から来た者にとって、犯してはならない決まりがあって、

それが現実世界の人間に触れてはならない。触れたら消えてしまう、ということだったのです

 

それを大蛇丸から知らされて悩んでいた健司には、美雪を抱きしめることは出来ず、一緒に生きていく決心をします。

愛する人に触れずに生きていく。少し考えればそれがどれ程大変な決意か、わかります。

それでも健司はその道を選んだんですよね

 

長い時を経て死の床にある健司のそばには、変わらず若いままの美雪が。

(私の方こそ)「見つけてくれて有難う」という健司の最後の言葉に対して「最後に、お前に触ってもいいか?」と言う美雪。

僅かに動かした健司の手を取り「こんなに温かったんだな」と嬉しそうな美雪。

 

ナウオンで最後までやりたかったと話していた、かなとくん健司と海ちゃん美雪のお芝居にやられました

 

ラストシーンはプロローグと同じ白黒映画の中の舞踏会。

でも映っている人たちは少しずつ違っていて、そこからの展開が鮮やかで華やかで、とっても幸せな気持ちになれます

 

楽しくてほろっとさせられて、沢山の名言がちりばめられていて、観劇初めがこんな素敵な作品で、

ご贔屓様の大劇場お披露目公演で、幸せいっぱいのお正月でした

 

そして2回目を観て来ましたが、幕が開いてすぐの初見の時、十分完成度が高い公演だったんですけど、更に良くなっています

っていうか、みんなどんどん自由になっていってるみたいで

コメディーシーンはある程度自由がきくとは思いますけどこれからが楽しみです

とは言え、本筋はちゃんと外さないのが月組だと思いますけどね

 

 

ショー「FULL SWING!」

お芝居とは打って変わって大人なジャズのショー。

2回目を2階のセンターで観てたら、プロローグ終わりの銀橋デュエットの最後に、かなとくんのウィンク頂きました

ほぼ直撃はお久しぶりすぎて

 

取り敢えず今回のショーはトンチキなお衣装が無くて良かったです

ジャンゴの場面の軍服もシュッとしてて凄く似合ってたけど、やっぱり燕尾が好きかな~

黒というよりは深い緑がかった黒に見えましたが。インナーのシャツがまたゴージャス感があって良かったわ

 

男役群舞でカッコ良く踊ってるのも勿論好きですが、さらに好きなのは大階段で娘役に囲まれた、かなとくんかもしれない

なんか色気が大変なことになってません?

 

シナトラメドレーで、My Wayを歌うと聞いたときは「またなの?古すぎない?」とか思いましたけど

歌詞をちゃんと、かなとくんのために書いてくれたりして、三木先生は三木先生なりに色々考えてくれたのよね

 

 

お芝居もショーも次回観る時が楽しみです

コメント (2)
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