10月13日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)
国土を大切にする
日本の国土ほど風光明媚で、気候が温和な国はそうないのではないでしょうか。しかも長年にわたって、非常にすぐれた日本独自の文化と国民性とを養い育ててきました。今後ともこの国土の存するかぎり、日本のすぐれた文化と国民性は永遠に失せないでしょう。
とは言え、日本国民全体が、自分たちのこの国土を大切にするという強い意識を持つことがきわめて大事だと思います。そして、この国土によって今までにはぐくまれてきた伝統の精神というものを十分に理解、認識し、そしてさらにすぐれた文化の花を咲かせるよう努めていくことが、今日の日本人の尊い使命だと思います。
2013年10月12日筆洗(東京新聞TOKYOWeb)
▼ノーベル化学賞が、ドイツのハーバー博士に贈られると発表されたのは、一九一八年のことだ。アンモニアの合成法開発が認められての栄誉だったが、国際的な非難の声が巻き起こった。ハーバー博士は「化学兵器の父」でもあったからだ
▼毒ガス兵器は第一次世界大戦で九万人もの兵士の命を奪った。一九二八年にはジュネーブ議定書で戦争での使用は禁止され、一九九七年には、製造や保有も禁じた条約も発効している
▼にもかかわらず、化学兵器は今なお人々を苦しめ続けている。シリアのダマスカス近郊で千人以上もの命が奪われたのは、つい五十日ほど前のことだ
▼化学兵器の父がノーベル賞に輝いてから九十五年。今年のノーベル平和賞が、化学兵器禁止機関(OPCW)に贈られることになった。授賞は、一世紀を経ても禁断の兵器に別れを告げられない現実の裏返しである
▼シリア政府軍が化学兵器を使ったとしてオバマ政権が武力行使に踏み切ろうとしていたころ、驚くべき事実が明らかにされた。一九八〇年代のイラン・イラク戦争では化学兵器で一万人が死亡したが、イラクが毒ガスを使用するのを、米国が秘密裏に支援していたと、米誌が暴露したのだ
▼その米国は今も大量の化学兵器を持っている。禁止条約が定めた廃棄期限を守らなかったのだ。廃棄を迫られているのは、シリアだけではない。