奈良散策 第177弾
8月6日の写真です。この日は暑かったのですが、午後、ちょっとだけ家の近くを歩いてみました。
最初はネコハエトリです。最近、よく見かけます。何か捕まえているのですが、何でしょうね。
田んぼと田んぼの間の道を歩いていたら、黄色の花を見つけました。この花、それに葉。たぶん、キンミズヒキだと思うのですが、こんなところに生えているのかなぁ。
これは、たぶん、ヒメカメノコテントウ。
それに、アワダチソウグンバイ。
これはネコハグモ。
アワダチソウグンバイの幼虫の群れを見つけました。いろいろな齢のものが混じっているようです。
これはミカドトックリバチ。
最後ははっきりしないのですが、たぶん、クルマバザクロソウではないかと思います。
雑談)この間から気になっていたクロスジチャイロテントウの食性について、やっと論文[1~3]を見つけました。クロスジチャイロテントウはチャイロテントウ(Micraspis)属に属しています。論文ではクロスジチャイロテントウそのものについてではないのですが、Micraspis属について書かれていました。テントウムシは一般的にはアブラムシやウンカの幼虫を食べるので、益虫とされているのですが、チャイロテントウ属は稲が花を咲かせる頃大量に発生するので、外国では害虫として駆除されているところもあります。それで、いろいろな研究がされているのですが、一般のテントウムシと異なり、チャイロテントウ属は食虫性であり、植食性でもあります。これは、Micraspis croceaにいろいろな餌を与えて飼育してみると、トビイロウンカの幼虫でも、稲の花粉でも同程度の成長をさせることができたということで分かったそうです[1]。また、野外で採集したMicraspis discolorを粉砕し、ゲル電気泳動でエステラーゼを調べた結果、タイワンツマグロヨコバイと花粉のエステラーザが特に多く、そのほか、トビイロウンカ、アザミウマ、アブラムシなども見られたといいます[2]。意外に雑食性なのですが、特に花粉を好んで食べるとのことです[3]。ということで、シロバナサクラタデに来ていたクロスジチャイロテントウもたぶん、花粉を食べに来ているのではないかと思いました。
[1] B. M. Shepard and H. R. Rapusas, "Life cycle of Micraspis sp. on brown planthopper (BPH) and rice pollen", IRRN 14, 40 (1989).(ここからpdfが直接ダウンロードできます)
[2] C. Shanker et al., "Functional significance of Micraspis discolor (F.) (Coccinellidae: Coleoptera) in rice ecosystem", J. Appl. Entomol. 137, 601 (2013).(ここからダウンロードできます)
[3] J. Poorani, "An unusual new species of Micraspis Chevrolat (Coleoptera: Coccinellidae) from northeastern India", biodiv. Data J. 2, e4112 (2014).(ここからダウンロードできます)
テントウムシ自体のことよりも、ここまで集中して調べあげる姿勢を学びたいと思います。
調べていると、ついつい面白くなって夢中になってしまいます。食虫性、植食性のテントウがいるのは確かに面白いですね。チャイロテントウの仲間が稲に害を及ぼすほど大量にいるなんてちょっと信じられません。