社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

死別反応 平島奈津子(2003) 『日医雑誌 第129巻・第11号』 

2008-12-04 14:18:04 | 医学
精神科医による、「死別反応」についての概説。
その段階や、本来「悲嘆」はあって当然のものであるが、うまく表出できずに「病的な死別反応」を起こしてしまう人もいるようだ。その「病的な死別反応」についても触れている。

症状としての説明は分かりやすく、読みやすい。
しかし「どう対応(援助)していくか?」についての詳細は、十分には述べられていない印象を受けた。

引用死別反応とは、「愛する人もしくは近しい間柄の人との死別に対する心身の反応」と定義されている。


病院でも在宅でも、そして施設でも、「死」は必ず存在するもので、同時に「死別」も存在する。
予期できる「死」でさえも、いまの日本では「こころのサポート」を十分に行えていないだろう。
その人に関わる援助者の数が増えれば増えるほど、「誰かがやっている/やってくれている」と思ってしまうことも、少なくないのではないかと思う。

「こころのサポート」の専門家を限定するのではなく、関わっている援助者の誰もが、その意識と知識/技術を持つ。そして「こころのサポート」を中心となって行うのは、この人にとってはどの職種がよいか?を考える…そんなことが、医療・福祉サービスにおける「当たり前のサービス提供」となって欲しい。



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