碧田直の いいじゃないか。

演劇ユニット、ミルクディッパー主宰の碧田直が、日々を過ごして、あれこれ思ったことを、自由気ままに綴ります。

無題そのろっぴゃくよんじゅうご

2018-01-23 23:57:40 | 日々
今日は昨日の雪から一転して快晴。ただし、雪は多く残っている。

バイト後、妻と合流して、中谷美紀、井上芳雄主演の舞台『黒蜥蜴』を観賞。江戸川乱歩が原作、三島由紀夫が脚色したもので、美輪明宏主演の舞台が有名だ。
時代は昭和。黒蜥蜴と名乗る女賊と、稀代の名探偵明智小五郎との推理と愛憎のバトルを描いたこの作品は、三島の紡いだ流麗な台詞回しと、退廃的で、ある種蠱惑的ともいえる黒蜥蜴の怪しい魅力と、怜悧な頭脳と熱い心を持った明智のスマートかつ切れ味鋭い魅力とがぶつかり合う、まさにがっぷり四つの芝居で、休憩を挟んで三時間近かったが、まったく飽きることなく観終えることができた。
また、公演が行われた日生劇場は、名建築家として名高い村野藤吾氏の代表作のひとつとされている。天井に施された、無数の貝(アコヤ貝だという)や、うねりをもって迫ってくるように作られた壁面などを見て、天井が海面に、劇場内を海中、舞台面を海底だと感じながら、公演を観ていた。入念に作り上げられた作品、力量のある役者たちの共演、傑作建築とが絶妙に相まって、素晴らしい舞台が出来上がったのではないか。一万円以上もしたチケットではあったが、満足度から言えば十分に元は取った。いい舞台だった。
というわけで今日はこれくらいで。また明日。
コメント
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