ブログ de なんで屋 @東京

みんなで「これからの社会」を考えるために、『場』と『認識』を提供する社会事業です。

次代の企業のかたち

2010-01-24 15:42:37 | ネットサロン
日本マクドナルドは19日、今月17日の1日当たりの全店売上高が、28億1180万円となり、1971年の創業以来、1日当たりの売り上げとして過去最高になったそうです!

ファーストフード業界の勝ち組とも言われるマクドナルドは本国アメリカでも当然人気で世界118の国と地域、約30,000店の店舗展開をしています。(2009年6月現在)
そんな1955年創業から巨大なシェアを築きあげ、常に新商品を打ち出す豊富なメニューで売り上げを伸ばしているマクドナルドに対し、ほぼ同時期(1948年)に創業した「IN-N-OUT」というハンバーガー屋さんは同じアメリカでもマクドナルドとは一味違った手法で売り上げを伸ばしているのです!

今回はそこにこれからの企業の可能性を探索してみようと想います!!!

「IN-N-OUT」の紹介にいく前にまずは、「マクドナルド」について紹介したいと想います

マクドナルド(Wikipedia)からファーストフードの特徴でもあるマクドナルドの注文してからすぐに商品が提供される調理システムについて紹介します

***以下引用***

焼くプレートや揚げる油の温度、時間も定められている。若干の訓練を受ければ誰が作っても同じ大きさ、同じ形、同じ味の商品が提供できる。調理工程も簡略化され、付け合せなども極力簡略化し、高速で調理できるようになっている。

商品提供システムとして「Made For You(MFYまたはM4U、メイド-フォー-ユー)」と称する、受注してから迅速に調理し商品を完成させる方式の新システムが導入された(全店導入時期 アメリカ:1999年、日本:2005年)。その他「ダイレクトオペレーション」(ストック方式)と称する、商品を作り置いて温蔵棚などにストックし、受注後そこから取り出して販売する方式がある。この仕組みは環境問題などで批判される原因になったが、作り置きはその時間帯の売り上げや客足などの予想を元に行うため、大半の場合は客を待たせず商品提供できる利点があった。その反面、味の劣化や、ハンバーガーを調理後10分で破棄する社内規定により、予測誤りによる廃棄ロスなどの問題が発生していた。Made For Youシステムでは売れ残りや食材のストックをなくし、ハンバーガーを作るコストを下げた。当然ながらこのシステムでも受注分より多く作ってしまうことによる廃棄はあるが、すべての客に出来立てを提供できるという効果もあり、総じて廃棄量は激減した。

***以上引用終わり***

早く提供する為に作り置きはするけども破棄を無くすために普段何気なく寄っていた「マクドナルド」は実はお客さんの来る量を綿密に予測していたんですね

一方「IN-N-OUT」は豊富なメニューをより早く提供する「マクドナルド」とはどこが違うのか

「IN-N-OUT」についてミスターラスベガスのラスベガス大全より紹介します

***以下引用***

この店はマクドナルドのような全米展開のチエーン店ではない。1948年の創業以来 44年間、1992年にラスベガス1号店がオープンするまで、当時 100店舗ほどあったすべての店はロサンゼルス一帯の南カリフォルニア地区にのみ存在していた。
 現在は 200店舗以上に事業を拡大しているが、それでも拡大先はサンフランシスコ、フェニックスなど西海岸の主要都市内にとどまり、今でも中西部や南部および東海岸での出店はまったくのゼロで、あくまでも西海岸だけの 「地域限定」 にこだわっている。
 こだわっているのはそれだけではない。すべての店舗が直営店で(つまりフランチャイズではない)、なおかつこの会社は非上場企業だ。つまりファミリー経営にこだわっており、その結果、不特定多数の株主やフランチャイズのオーナーらの意見に左右されることなく、創業者ファミリーの一貫した経営哲学が維持されやすい環境に保たれている。

その経営哲学は独特でいくつかあるが、我々消費者にとって最も直接的に関係してくるのは、冷凍食材を使わない(店にフリーザーは存在しない)、電子レンジを置かない、オーダーを受けてから調理し始める、の3ヶ条だろう。
 したがって、肉も野菜もすべて冷蔵輸送で、冷凍輸送されることはない。
 その他にも、ジャガイモは毎日各店舗で皮をむきカットする、レタスは包丁を使わずに手でちぎる、出来上がったバーガーが冷めないようにするヒートランプは使わない(出来た物はすぐに出す) など、いろいろなポリシーがあるが、それらの多くはハンバーガーやポテトを包む紙などに印刷されているので、興味がある者は現場で確認してみるとよい。

冷凍保存や電子レンジの使用が必ずしも味に悪い影響を与えるとは限らないが、それらをかたくなに拒否し続けているポリシーが消費者に受けているのか、どこの店舗も同業他社に比べ総じて混んでいる。
 その一方で、「オーダーを受けてから調理すれば待ち時間が長くなるので、店内が混んでいるように見えるのは当たり前。実際の客の数はマクドナルドと大差ない」 という指摘もあり、さらに味に関しても、「生のジャガイモを使っているので格段にうまい」という意見が多い反面、「マクドナルドの冷凍ポテトのほうがふんわりしていておいしい」という声も聞かれる。この種のことは意見が分かれて当然なので、味の優劣に関しては各自の判断にゆだねるとして、とりあえずここでは 「マクドナルドよりうまい」 という前提で話を進めたい。

 さて気になる値段に関してだが、「非冷凍 & 手作り」 という効率が良いとは言えない運営にこだわっているわりには、フレンチフライ $1.19、チーズバーガー $1.95 と決して高くない。
 それゆえ混雑し、なおかつ多くの者にとって 「おいしい」 とくれば、需要と供給のバランスが崩れるのは間違いないところで、通常ならここで値上げをするか店舗を増やすのが市場原理というものだが、非上場企業であるがゆえに必ずしも経済学のセオリーどおりに動かないところがこの会社のおもしろいところだ。市場原理がすべてというクールなアメリカの企業社会において、このようなユニークな会社があってもいいし、あること自体、なにかほっとする部分でもある。

***以上引用終わり***

圧倒的な企業展開を重ねる「マクドナルド」に対して「IN-N-OUT」は徹底的な地元密着型企業といったところでしょう
注目すべき点は、冷凍食材を使わない(店にフリーザーは存在しない)、電子レンジを置かない、オーダーを受けてから調理し始める、の3ヶ条だと想います
お客様に対しておいしいものを届けたい点を特化させそのためにはお客様にも待って頂く、そしてそれを並んでまでも食べたいと思わせているのがその手法が間違っていない証拠だと想います

先日のネットサロンで日本の老舗について追求してみたのですが、どの老舗にも共通して言えることがあまり知られていない=急激な企業展開をしていない(自分の力量以上に事業展開しなくてもいいものはお客さんの方から出向いてくれるといった考えのようです)、だからこそ地元を大切にし地元から愛される企業である、しかしそれだけではなくしっかりとした基盤を持ちつつも時代のニーズに合わせて微妙に変化させているなどです
これらから何が言えるかというと企業・組織であっても活動を続ける生命体であり生命原理である「安定」「変異」を繰り返して貫いているからこそ何百年も適応してこれたのです

「マクドナルド」のようにファーストフードはこうなくてはいけないという既存の枠に囚われて枠の中だけで外圧(=みんなの期待)に適応していこうとしていだけではなく、より適応的(=安定)なのはどんなかたちなのかを模索して既存の枠を超えて変異していける生命原理に貫かれた企業こそ時代に求めらているのではないしょうか?
「IN-N-OUT」に日本の老舗のような生命原理に貫かれた次代の企業のかたちの可能性を感じました

by(有)宮田商事

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6 コメント

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Unknown (ふぇりちゃん)
2010-01-24 20:57:19
いらっしゃいませ、こんにちは~ 今日はこちらでお召し上がりでしょうか?

約4年間、マクドナルドでバイトをしていたふぇりちゃんです
私が働いていた店舗はストック方式を行っていて、た~くさん廃棄していました。(とくに私は率先して
毎日毎時間の客層や客数をデータ化して分析していましたが、ポテトのコントロールが難しくて。。
は~、懐かしい


「IN-N-OUT」、すごく美味しそうですね
行ってみたい食べてみたいって思いました
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Unknown ((有)宮田商事)
2010-01-25 08:57:33
>ふぇりちゃん

コメントありがとうございます
「IN-N-OUT」はめちゃくちゃ美味しいらしいですよ!
検索してみると日本人の方がまた食べたくなる味だとたくさんブログで紹介していましたよ

「IN-N-OUT」の特徴として他にもお客さんの期待に応えるために裏メニューを用意したり、メニューにないことでも頼んでみると意外にできたりと応望性の高いところのようです
日本に来ることがあるかは分かりませんが是非食べてみたいですね
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Unknown (tiger lily★)
2010-01-26 19:27:42
似ているようで、中身は全く非なるもの

どちらに勝敗があがるかは、これからのみんなの評価にかかっていますね

「本当に求めているものは?」
「必要なものは?」
私たちの見極めの目が問われていますね
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Unknown (イちご)
2010-01-26 19:32:32
地元密着型って相手が見えている気がしていいですね外圧に適応しつつ、安定を目指すというのが、今後何が起こるかわからない社会の中で生き残っていくヒントになるのですね
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Unknown ((有)宮田商事)
2010-01-28 13:42:23
>tiger lily★さん

コメントありがとうございます!


>「本当に求めているものは?」
「必要なものは?」
私たちの見極めの目が問われていますね

まさにその通りですね!
企業は儲けがでないと続けていけない。
儲けを出すための策略に「必要か否か」の判断をしていくのはより広い視点で重要な役割ですね
返信する
Unknown ((有)宮田商事)
2010-01-28 13:47:52
>イちごさん

コメントありがとうございます!

外圧に適応しようと「変異」している企業は多いかも知れませんが、目先的に変異しているか「安定」を求めているかでは大きな違いだと想います

今後何が起こるか分からない社会状況では「変異」「安定」のバランスが非常に重要です
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