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東芝は官僚と銀行支配下に

2015-07-24 00:17:52 | 日記

東芝が「不適切な会計処理」を7年間、3代の社長にわたって「組織的に行っていた」と同社の第三者委員会が報告書を出した。21日の記者会見で、田中久雄社長、佐々木則夫副会長、西田厚聡相談役の辞任を発表した。新聞各社も超ド級の「不祥事」の取材に追われたが、事件は西田相談役と佐々木副会長の長年の確執があり今年2月に証券取引等監視委員会への「タレこみ」から露見たもの。当初は大きな事件には発展しないだろうと見られていた。つまり、ことは重大だが、この手の重大事件は監督当局や検察から「握り潰されるのが常」だったからだ。それが一転して、新聞社は編集局がひっくり返るほどの騒ぎになった。リークしたのは監督当局だろう。記者にはそれほど取材力のある人物はいないし、一新聞社の記者が端緒をつかんだとしても、ご本尊の東芝や電通など大手広告会社が潰し、表には出ない。非道い話だが編集の中に「ご注進ご注進」と東芝にネタを持ち込む輩もいるかもしれない。

各社の社説はこぞって「不適切な会計処理」を糾弾している。しかし、言うまでもないと言おうか、社説はすべて、見事なくらい型通り! 「第三者委員会の調査報告書」を肯定しただけの内容で、それ以上追及する熱意すら感じさせない。メディアの退廃が如実だ。「不適切な会計処理」ではなく「粉飾決算」であるのは明明白白なのに、どこの社もその指摘が無い。外国から見れば到底肯定できない代物なのだ。3代7年間にわたる「組織的」とは「全社ぐるみの意図的犯罪」と言うほか無い。

さて次の問題は金融機関(東芝は三井住友グループ)から1兆9000億円の借入金があるという噂があり経営お目付け役として当該金融機関と、コーポレートガバナンスの強化の名目で検察官僚か金融庁関連官僚もしくは官僚OBが新経営陣に参画するだろう。つまり「粉飾決算」は曖昧になるに違いない。新聞の熱意が感じられ無いのが証明している。

この事件には働いている社員の心情が全く汲み取られていないことだ。学ぶべきは①短期間に利益を上げる体質や②上司に逆らえない体質改革③コンプライアンス重視の体質改革ーーというお題目ではない。事を上層部だけで考えるところに危うさがある。20万社員の立場は全く考慮の他にあることが問題だ。内密に済まそうという企業だけではない組織の改革に、外部の目を注ぎ込むことだ。外部監査を徹底する機構改革だ。外部監査は紐付きではない人材の登用だ。

そして、高級官僚がまたぞろ、東芝を食いものにする救えない構図が描かれそうだ。