琉球新報9月9日電子版によると「菅義偉官房長官は9日午前、首相官邸で安慶田光男副知事と会談し、基地負担軽減策や沖縄振興について随時話し合う「政府・沖縄県協議会」(仮称)を新たに発足させることについて提案した。安慶田副知事によると、協議には政府側から官房長官と外務、防衛、沖縄担当の3閣僚が出席するほか、沖縄側からは知事と副知事が参加する。安慶田副知事は会談後、「話し合いの窓口ができたということは評価できる」と述べ、知事に報告後、会議の在り方を含めて前向きに検討を進める意向を示した」ーーという。会議は「基地負担減と振興策がテーマ」だという。
●中谷防衛相は県の調査が終了し次第工事再開を言明
中谷元・防衛相は8日午前の閣議後の記者会見で、米軍普天間飛行場の辺野古移設に向けた作業は、「県の潜水調査が終了するまでは再開しない考えを示した上で、調査が終了すれば工事の再開に向けて必要な検討を行っていきたい」と述べ、再開に向けて準備を進める考えを強調している。
片方の手で刃を握りしめながら、もう一方の手で握手を求めるーーこんなミエミエの子供の騙しの手法がどうして通ずるのか?菅義偉官房長官の姑息な詐術に、安慶田副知事が中心になって沖縄方をまとめているのではないか?翁長知事はこの提案に慎重ではないのか?それにしても、ミエミエなのに拒否して「承認取り消し」に動かない翁長知事はどうしたことだろう?
●キャンプ・シュワブゲート前には市民が終結、座り込み
一方、琉球新報9月8日電子版によると、 「8日午前、米軍キャンプ・シュワブゲート前には移設に反対する市民ら約40人が集結し、座り込みによる抗議運動を展開している。沖縄平和運動センターの大城悟事務局長は、7日に決裂した県と政府との集中協議に触れ『10日からは工事の再開も予想される。状況は厳しくなるかもしれないが団結して頑張ろう』とあいさつした。」として、緊張が続いていることを伝えている。
県の潜水調査が終了するまでは政府は動かないというから、当面は政府の言う通り協議会に参加して、工事が再開したらまた考えればいいという判断なのだろうか?私にはそうとは思えない懸念がある。沖縄在住ではない私が沖縄に深い関心があるのは、沖縄は日本の縮図だと認識しているからだ。その思いは改めて書くとして、私の懸念は運動の高揚と裏腹に切り崩しの懸念だ。
●安倍内閣が最も恐れている事態は「行政協定反対」
運動は本土の安保法制反対の盛り上がりと連動してきた。安倍政権が最も恐れていた方向に進みつつある。つまり、「日本の平和と安全を誰が脅かしているのか」が明らかになる方向へ運動は発展しつつある。ハッキリ言おう。元凶は一つ。「行政協定」が日本の独立を侵害している!安保体制は政治、経済にわたっている。日本の主権を侵しているのは「行政協定」という、日本でありながら、日本ではない基地、そこで起きた事件は米兵が公務とするなら裁判権も無い基地が存在していることだ。しかも、多額の思いやり予算を出して、米兵や米将校に豪華な福祉・休養施設を提供している。その根っこに運動は迫りつつあり安倍政権は恐怖におびえている。日本の運動に怯え、米から管理能力を問われやしないかと怯えているのだ。
●協議会開催中は工事着工に入らないーーという確約が欠かせない
沖縄の辺野古基地移転反対闘争は、菅官房長官の詐術で、目くらましされながら、騙されたという口実を作って、移転工事を再開し既成事実を重ねてしまい、運動のエネルギーをへし折る作戦なのではないか?それに安慶田副知事、翁長知事が取り込まれるならば、この提案に乗るのは危険だ。明確な確約ー協議中は工事再開には入らないーという確約を結ぶべきだろう。菅が果たして了解するか?--詐欺か沖縄振興を考えているのかの試金石になる。
●国際舞台で沖縄の現状、日本の現状を訴え、広く理解を求めるべき
そして、来るべき法廷での闘争に備えるべきだろう。それは外交でもあり、翁長知事の提案ーースイス・ジュネーブで行われる国連人権理事会での演説に自ら出席し、基地問題を訴えることについて、私は全面的に支持する。沖縄の現状、つまりは日本の現状を訴え、広く理解を求めるべきだ。