写真の鍋が、問題の圧力鍋です。
購入したのが12日の木曜日、箱を開けたのが昨日の月曜日。
何をそんなに頑なに使用を拒否していたかというと。
一応、買ってきた当日に開箱したんですよ。…一応は。
開けて、まず目についたのが説明書だったので、まあ、流れ的にそれを熟読。
熟読して、圧力鍋を購入したことを激しく後悔し
無かったことにしようと思って、
椅子の下にそっとしまってしまったというのが、この未開封の理由ですね。
その4日間のうっ憤を晴らすかのように、今日の記事は
ひ た す ら ! 長い!です!!!!
取り説を熟読して、拒否反応が起きる歳になってしまいました。
昔なら、取り説は愛読書の一部、って感じだったのに…。
えー、まず、やたら口うるさい。
あれをするな、これをするな、こうしろ、ああしろ、そうじゃない、違うだろ、と
大奥のお目付け役よりも口うるさい取り説を熟読します。
熟読しないと、半端なく危険なので、意味は解らなくとも、熟読しました。
大体社会に出てから今まで、スーパーのハード部門を渡り歩いたので
(ハード=生活関連用品、ソフト=衣料品、フード=食料品、てな具合)
圧力鍋の欠陥事故とか、使用事故の話が身近になってしまっていて
今まで「恐ろしくて買えなかった」、というのもあります。
熟読した結果、
なんて面倒なものを買ってしまったんだ!
という後悔に襲われましたが(過去のフードプロセッサーの比じゃなかった)
いつまでもなかった事にしていても始まらないので
(というかここに書いてしまった手前)観念して、箱から出します。
とにかく、何事も、初めての事は勝手がわからず
いちいち面倒で、脳みそが拒否してちっとも身に付かないのが七咲です。
だったら、慣れてしまえばいいじゃない。
(仕事にしても植物にしても、七咲の人生こればっかり)
ということで。
今日一日、いやになるほど、使ってやる!と覚悟を決めて、
真昼間から、調理開始!
記念すべき、圧力鍋初料理は、ゆでたまご。
長年待ち望んでいた圧力鍋がきたというのに、ゆでたまご。
圧力をかける意味がわからないほど単純料理のゆでたまご。
いいんですか、これ。
いいよ。
最初から、しちめんどくさいことやってたら挫折するもん。
(いっそ初めは圧力で湯を沸かしてみようかとさえ思ったくらいだ)
「毎回必ず」と取り説にあるように、使用前に3か所の点検をする。
はっきり云って、こんな図解で
初めて圧力鍋に対面した素人が安全チェックなんかして
それでオッケーを出せるものなのか?!と思うものの
それくらいの素人が使う、とメーカーだって了承の元だろう、とも思いなおす。
でないと、危険物取扱資格とか取得しないといけないくらいの代物だったら
普通に店頭に売ってないだろう!
素人が使うんだよ!素人が!当たり前だ!
初めての使用に、かなりパニくっている模様。
むしろ点検しすぎて部品が壊れないか?ってくらい点検して
調理開始!
水、入れた。蒸しす、入れた。卵、入れた。(あ、ゆで卵、つーか蒸し卵だね)
口うるさい取り説に(もういっその事、
取り説の事を、お局様って呼ぶか、馴染みの課長の名前で呼ぶと親しみわくかも)
ああしろ、こうしろ云われながら
またもやいちいち、3か所点検して着火。
火をつけてから、鍋の中の水が沸騰してくると、
取っ手の所にあるフロート式安全装置とかいうのが
「はいよー!もう俺様、やる気満々だよー!!」
って感じで、バーンと飛び出てきます。
そうすると、鍋の蓋のつまみみたいなところ、正式名称「重り」が
「よっしゃー!そんならこっちもそろそろやったるでー!」
てな具合に、がっしゅがっしゅと蒸気を吐き出しまして
もう、やんややんやの大フィーバー!!
(ぐらぐらガツガツしゅーしゅーと、音だけはうるさい。鍋自体はびくともしない)
これで準備オッケー。
ここで火力を、レシピに合わせて、中火~弱火にセット。
あとはもう、レシピに記載している時間がくるまで
ただひたすらテンションの高い彼らを見守るだけです。
この時点ではまだ心臓バクバクものなので、まな板を装備して見守る七咲。
万が一爆発したら、そんなもんじゃ防げないのは明明白白。
でも心のよりどころとして、まな板装備。
まな板がこんなにも心強いと思ったことは、未だかつてなかった!
何故か、圧力鍋を購入して、まな板の素晴らしさを再確認する羽目に。
それはいいとして。
ゆでたまごは弱火で4分です。
4分たったら火を止めて、4分蒸らす。これで出来上がり。
時間にして8分とはいうものの、これまでの人生で一番長い8分間だった!
お経を何往復唱えられたか知れやしない!(唱えられないから唱えてないけど)
と、ここでまたもや取り説=篠原課長の指示に従って、蓋をあける。
(大好きなので。大好きな上司はいっぱいいるけど、細かさナンバー1王者なので)
篠原課長は、細心の注意を払って蓋を開けろと、口うるさく念を押す。
ここでまた3点の安全確認をし、篠原課長に見守られながら
生死の境目、蓋をあける。(多分、行程的に爆発するなら、ココ)
果たして!
うわー、普通のゆで卵ができたー!
そりゃそうだろう。
できるだろう。
ゆでたまごをつくったんだから!(プティングになってたらビビるわ!)
殻をむく。つるつる剥ける。
どこからどう見ても、ゆでたまごなんだが。
一応、本当にゆでたまごかどうか味見。(その猜疑心が意味分かんないし)
うわー!なんだこの白身!こってりしている!白身がこってりって何?!
白身革命!万歳!!
いや、黄身もすごい!味が濃い!安物の卵なのに、塩なしでめっちゃ美味しい!!
…多分、気のせいだとは思うんですけど。
七咲、グルメな味覚は発達していないので、多分、気のせいだと思うんですけど。
爆発せずに卵が出来上がったのに気を良くして
いよいよ、メインディッシュの魚料理、サンマと牛蒡の生姜煮にチャレンジ!!
サンマ2尾。
頭と腹を取る。今まではらわたも取らずにそのまま焼いてたけど
サンマって内蔵があるんだな。これ腸だよな。
じゃあこれ肛門かあ。うわーしぼったらなんか出てきた~。
…こんなレベルの人でも、職業欄には「主婦」って書けるんだから
主婦って懐の広い職業だよな。
とか思いながら、毎回調理するんですけども。
(いかに七咲の料理スキルが低いかおわかりいただけるかと…)
牛蒡。あ、ごぼうないから、レンコンでもいいかな。
レシピは50gだけど、100gあるから、100g入れても良いかな。
(あれだけ圧力劇場に大騒ぎする割に、そこは呆れるほどぐだぐだな七咲)
あとは、しょうがと調味料を投入して、調理開始。
再び、篠原課長におでまし頂く。
「まだ覚えてないのか、七咲」
「無理っすよ、だって二回目だもん!」
「ほんとにおまえは仕方のない奴だな」
「そうなんですよ、でへへへ」
まるで在りし日の事務所での風景を再現しつつ、安全点検を繰り返して、着火!
再び、安全装置と重りが、「ひゃっほーーーーぅ!!」状態になってから
20分、弱火でほっとく。
ほっとく、っていっても、いつ爆発するか気が気じゃないので
とにかく、「ひゃっほー」を見守るしかない七咲。
さすがにもう、まな板の盾の装備をはずす。(重い)
まな板の栄光は意外と短かった。一瞬のキラメキよ、ありがとう。
硬直して見守る事、20分。
20分たったら、再び篠原課長に、やいのやいの云われながら蓋を開け、
今度は蓋をとって、煮汁を煮詰める。
完成。
携帯で撮ったので、妙に縦長ですけど。
さんまとレンコン(倍量)のしょうが煮、完成です!!
さっそく、試食です!!
うわーすごすぎる!さんまの怨念みたいな細かい骨がぜんっぜん気にならない!
しかも、ごっつい背骨もそのまま行ける!
これはスナック菓子感覚だよ!手軽にお口にほりこんで、って感じだよ!
それなのに、身がまったく煮崩れしないで、しっかりしている!美味しい!
初めてサンマを煮たので、これが普通の鍋でつくってたらどうなるのか
というのが解りません。
そこが無念と言えば、無念!!
でも、期待以上のものができました!!
調子に乗ってきたので、次は、じゃがいも。(さっきの卵とあわせてポテサラに)
まるごとホクホク~。中までしっかりホクホクですよ。
しまった、さつまいも買っとけばよかった!!かぼちゃでも良いかも!
ホクホクおやつとしてして、そのまま食べたい美味しさ!
じゃがいもも、卵と同じで、味が濃い~!
なんつーか、新じゃがみたいな感動~!
塩とかバターとか付けないでこのままいけるよ~!
うわ~ただのじゃがいも食べてこんなにテンションあがったの初めて!
(多分、多分気のせい。浮かれて味覚が正常に働いてないかもしれない)
さらに、調子に乗って、リンゴのコンポート!
しまった~浮かれすぎて、ジャムになった~!!
使ったリンゴが紅玉じゃなかったのが敗因か。
それとも他メーカーの圧力鍋のレシピでつくったのが敗因か。
どっちにしろ、リンゴ2個分のジャムができた!多い!
いや、3分でジャムができるってすごくない?!
昔レンジでジャム作った時はさほど美味しいものにならなかったのですが
失敗作とはいえ、このジャムは美味しい。腐っても圧力鍋、ということですか。
寒天買ってきてゼリーにしよう。凍らせたらシャーベットにならないかな。
あ、とかしたバニラアイスとまぜまぜして、また凍らしておく手もあるな。
ホットケーキにそえても良い!なんだこのいつになく脳内に溢れくるレシピは!
…怪我の功名?
こうして。
料理を作り終えたら、あとは鍋を洗うだけです。
蓋にぼこぼこ突起が色々くっついているので洗いにくい事と
鍋自体が重いのが気になる事くらいで、後始末はいたって普通です。
ただ七咲、ステンレス鍋使うの初めてなので、焦がさないか心配ですが。
(フッ素加工の鍋ばかり使っていたので)
ここのメーカーさんは、部品・消耗品の注文販売や、
10年点検の実施(10年も使うかなあ自分)
焦げ付いた鍋の研磨(有料)など、そういうサービスもありました。
そういうサービスを賢く利用しつつ、長く使えたらいいなあ、と思います。
たった1日で、長く使う気満々です!
これは、圧力鍋の魅力にはまった、と云っても良いかもしれません。
怠惰な調理人生に、新鮮な嵐を巻き起こす意味でも圧力鍋の起爆剤。
キッチンが初めて主婦の戦場になった日、でした。
こんな感じで一日中、大騒ぎ。
連続で4回も使うと、さすがに慣れますな。いやはやいやはや。
七咲並みに小心者を自負する人は、最初はお手軽に、
ただ蒸すだけ、という料理を、何度も何度もこなすのがイイかも知れません。
最初の点検は慣れました。
途中過程の「ひゃっほー!」状態も、まあ、それほど気にならなくなりました。
テンションたっけーな、おい。って感じで見守ればいいのかどうなのか。
ハイテンションの間中、なんか他の事が気になって手に付かないので
調理時間の短縮には至ってません。
(普通なら同時調理とか、洗い物、とか何かしらできるけど)
これはもう少し慣れが必要で。
最後の、蓋をあけるのが、ちょっと問題ありです。
①安全装置が下がっている
②重りから蒸気が出ない
その二つで安全を確認して、蓋を押して滑らせて開ける、という手順ですが
蓋が固くて、そうやすやすと開いてくれないんですよ。
これが、七咲の開け方が悪くて開かないのか、
圧力が下がってないから開かないのか、判断できないんですよね。
(①と②をクリアしているので、むりやりこじ開けますが)
安全確認にうるさい篠原課長もそこは口出ししてくれないですし。
なんにせよ、使うことに抵抗はなくなりました。
ネットでも圧力鍋を使ったレシピが盛りだくさん検索できます。
今のところ、良いこと尽くしです。
魚料理の為だけに5000円、だとしても
高い買い物だとは思いませんでした。
それは、七咲が料理が下手だったためにそう思うのかどうかは
わからないんですが(料理得意な自分というものにお目にかかれないので)
これだけ長文を書き連ねていることからも、ご推測いただけるかとは思いますが
お勧めです!
(すでに友人知人には、昨日一日メールしまくりました)