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音楽を聴く仲間の会

スウェディッシュ・トラッドや世界の民族音楽の制作を行う「音楽を聴く仲間の会」のブログ。自然農や料理の話題も。

「スウェーデンの伝統音楽に合うブズーキを開発」アレ・メッレル②

2007-12-26 09:12:04 | フリーフォート
写真:ショームを吹くアレ
撮影:yo-ri


そして、スウェーデンの楽器製作者と一緒に新しいブズーキの開発をすることになりました。

ギリシャのブズーキはシャープではっきりとした音色が出ます。
こんな感じに。〈ギリシャの曲の1フレーズを弾く〉

スウェーデンのトラッドではもっとやわらかい音がほしいし、ベースを支える豊かな低音も必要です。〈スウェーデンのトラッドを1フレーズ〉

〈アレ、ブズーキを弾き、ayakoにそれにのって話をしてという〉

このブズーキは4オクターブ、ダブルストリング(復弦)、音域はマンドリンより1オクターブ低いです。だから、大きなマンドリンと呼んでもいいかもしれません。

あとは、低音の弦を足していることと、伝統音楽の演奏で必要な微分音を出すためにフレットを余計に付けてあるのが特徴です。これについては後ほど説明します。

楽器紹介 説明と演奏(アレ、笛を次々に吹き、説明)

伝統的な羊飼いの笛… ヘリエダールスピーパといいます。

現代的な羊飼いの笛… ダブル・パイプ
バグパイプのようにドローン(持続低音)が吹ける笛とメロディー用の笛の2本がくっつけてある笛です。

ひどい音のする羊飼いの笛… ショーム(ダブルリードの笛)

お気に入りの羊飼い笛… 角笛(カウホーン)
クゥーラと同じように使われます。屋外で吹くと、とてもきれい。霧の中でエコーが響きわたり、遠くまで届きます。

「スウェーデンの伝統音楽には興味がなかった」アレ・メッレル①

2007-12-24 21:47:13 | フリーフォート
こんにちは。アレ・メッレルです。

スウェーデンの一番南(マルメ)で育ちました。隣のデンマークにとても近いところです。

〈レーナが地図を持つ〉

父はデンマーク、母はノルウェーのオスロの出身です。

伝統音楽の演奏家たちと話していると、よく「音楽というものはすべての国ですごく違う」という話になります。

でも、私は人々の間の共通点を見出す道具として音楽を使う、ということをずっと学んできました。そうすることで、いつもユニークで心が開かれた状態でいることができる。これは自分にとても大切なことです。

僕はシティボーイで、ジャズバンドでトランペットを吹いていました。
それが、あるギリシャ人音楽家との出会いで変わってしまいました。ギリシャの音楽のことが大好きになり、ギリシャに行き、長い期間滞在したり、スウェーデンでギリシャの音楽を演奏するようになりました。

ギリシャの友人たちに「君の国の音楽って、どんな音楽なの」と訊かれたけれど、そのときは「わからない」としか言えなかった。

そんなことがあって、僕もスウェーデンの音楽に興味をもつようになり、スウェーデンの伝統音楽ってなんだろうと探求するようになりました。自分で見つけたスウェーデンの音楽はみな素晴らしく、とても好きになりました。

僕はレーナの出身の地方に引越し、伝統音楽のマスターたちからトラッドを学ぶようになりました。そこでレーナやペールともそこで出会い、一緒に演奏するようになったのが、20年前のことです。

そこの人たちは「フィドルをやらなきゃ。フィドルが伝統音楽の中で一番重要な楽器なのだから」と言ったけど、僕は「いや、ギリシャのブズーキでやりたい」と答えました。

これはギリシャで学んだことなのですが、「伝統に生きる」ということはいつも変化していくことや新しいことに対していつも心を開いておくこと。

そして、同時に伝統音楽の歴史を尊重し、振り返ってみることを忘れないということです。

【続く】

「きっかけは父の友人のフィドラー」ペール自己紹介

2007-12-23 23:10:00 | フリーフォート
私はペール・グッドムンドソンです。「ペール」と友達は呼びます。

私は音楽に囲まれて育ちました。楽器はギターくらいでしたが、父も母も歌うことがとても好きでした。

〈アレが地図を示す〉
私はファールンという町に住んでいます。

小さいころから歌うことがとても好きで、そのころは歌詞の意味もわからず歌っていました。

バイオリン・フィドルは7歳から、ファールンの「パブリック・ミュージック・スクール」で1960年の半ばから習いはじめました。

そのときに習った先生がクラシックだけではなくフォークも演奏するフィドラーだったことはとても幸運でした。その当時、音楽学校ではクラシック音楽を教えなくてはならなくて、レッスンでは古い伝統的なフィドルの曲についてはきちんと直してくれたわけではなかったけれど、とにかくそんな曲も教えてくれました。

かなり早くから自分の音楽は「これだ」と確信することになったきっかけは、父の友人たちとの出会いでした。父はレイクシリアンというフォーク・ミュージックのたいへん盛んな地方の出身で、友人のすばらしいフィドラーたちを紹介してくれました。

その中の一人が僕の師匠となりました。師匠は彼のフィドラー友達を僕に紹介してくれました。そして、その人たちから、とても豊かな音楽のボキャブラリーを得ることができました。

現在は「フォークミュージックハウス」のマネージャーの仕事をしています。アーカイブを作ったり、展示会、ワークショップ、コンサートやツアーをアレンジの仕事、また、若い人たちの教育にも関わっています。

フリーフォートは僕のお気に入りのバンドであり、参加している唯一のバンドでもあります。その他には2人とか3人のフィドラーと一緒にコンサート、ダンス、結婚式で演奏したりもします。

では、これからお気に入りのポルスカを演奏します。パウル・ベクストロム先生から学んだ曲です。

クリスマスにFrifot

2007-12-22 12:47:02 | フリーフォート
フリーフォートから、みなさんへのクリスマスプレゼント!

夜の賛美歌

歌詞はスウェーデンの賛美歌436番より

東京公演2007 アンコールの中の1曲

★お知らせ:のちほど、写真を追加します★

「北欧の絵本と童話と音楽と」

2007-12-20 21:23:32 | スウェーデン
なんばパークス産経学園@北欧語教室主催のクリスマス・イベント「北欧の絵本と童話と音楽と」本田倫子さんのニッケルハルパの演奏が聴けます。本田さんスウェーデンにニッケルハルパ留学をされ、今年、帰国したばかり。演奏時間は30分ですが、行く価値ありです。

スペシャルゲストとして、ハーディンフェーレ奏者も来てくれるそうです。
ハーディングフェーレはノルウェーの伝統楽器。大阪なのでゲストは樫原聡子さんでしょうか。

プログラムの2番目の噺家さんの「雪の女王」もおもしろそう。


...以下、引用です。

日 時 12月22日(土) 16:00~18:00
参加費 2940円(税込)
場 所 産経学園(なんばパークス5F)
お申込・お問い合せ電話  06-6641-4880
メール:namba@sankeigakuen.co.jp
件名は、「クリスマスイベント」としてください。

☆プログラム☆

1.クリスマスに読みたい北欧の絵本と童話●中川あゆみ 16:00~16:30
北欧児童文学の翻訳者による北欧絵本の紹介です。

2.立体紙芝居:雪の女王(アンデルセン童話)から●桂 米平 16:40~17:00
噺家さんがアンデルセン童話を紙芝居にして語ります。

3.ニッケルハルパの調べ ●本田倫子(みちこ) 17:00~17:30
スウェーデンの民族楽器、ニッケルハルパの調べを楽しみます。

*グルッグ:北欧でクリスマスにのむホットワイン。干しぶどうとアーモンドスライスを入れて呑みます。その昔、教会のクリスマスミサから家に帰ったとき、冷えた身体を温めるために用意されたと言われています。

私の「杖」はフォーク・ミュージック:レーナ自己紹介

2007-12-19 23:01:53 | フリーフォート
写真:YO-RI

Japan Tour2007 東京公演@ミート・ザ・バンド
会場:北とぴあ つつじホール
司会・通訳:ayako


ayako:フリーフォートの皆さん、お願いいたします。
Ale:こんにちは、みなさん!
Lena:こんにちは

★演奏「アグラム~ローリゲス・ペール・ロータル」

■レーナの自己紹介
私の名前はレーナ。レーナです(日本語)
長い人生のすべてをお話するのは難しいので、今日はコンパクトにしてお話したいと思います。

私は音楽が好き。これで自己紹介を終わってしまってもいいくらい。(笑)

ダーラナ中西部の小さな村で育ち、子どものころからよく歌っていました。

〈ペールとアレ、スウェーデンの地図のダーラナを指し示す〉

母は、歌をよく歌いました。トラッドの曲じゃなかったけれど。
私の住んでいた村もその地域も伝統音楽が満ち溢れていて、私はそんな環境の中で育ちました。
そして、、、ビートルズも大好きでした!

若い時代には、ずっと仲間たちとフォーク・ミュージックや他のいろいろなタイプの音楽を演奏していました。同時に、村やその地域の伝統音楽の師匠について習ったりもしていました。

それから、親友の家族が山の牧場に牛や山羊を飼っていて、よく、そこで過ごしました。今も行きます。そこで、少女のころから、牛や羊の世話をするのを習いました。牛を牧場に呼び戻したり、森の外に行ってしまった牛を探したり。強情な動物を呼ぶためにはとても強い音で呼ばなくてはなりません。

そして、スウェーデンの首都、ストックフォルムの移り、音楽大学に行きます。そのころ、素晴らしい音楽仲間との出会いが、たくさんありました。ジャズ・ミュージシャンや即興音楽家とたくさんのコラボレーションをしました。また、ソリストとして、室内オケや交響楽団との共演も多くしましたし、現在もしています。

自分の音楽やプロジェクトの活動だけでなく、私のために作曲された曲を歌うこともたくさんあります。

しかし、どんなときも私の「杖」はフォーク・ミュージックです。

それでは、これから伝統的なの曲を歌います。
まず「太陽に祈る」という曲を。 そのあとに牛や羊を呼ぶクゥーラをやってみます。

★独唱:太陽に祈る~クゥーラ

裏話よりミート・ザ・バンド

2007-12-18 22:49:28 | フリーフォート
フリーフォートの舞台裏の素顔や裏話が知りたいと何人かのファンの方に言われ、書いてみようと思ったけれど、うまく書けず今日まできてしまいました。

考えてみると、今回、フリーフォートが日本にいた一週間という時間のうちの4日も一緒にいたのにもかかわらず、メンバーとゆっくり話ができた時間はごくわずか。

食事のときもゆっくり食べてもらいたいし、リハーサルやコンサート前の時間も心は既に音楽に向かっている気配。
訊きたいこともたくさんあったけれど、邪魔してしまいそうで訊けないよね。
質問はスウェーデンに彼らを追っかけていったときのお楽しみに心にしまっておきました。

ちょっとだけ、フリーフォートの裏話。
アレがジンジャー・エール(Ale)の瓶を見つけて、「あ!僕だ~」と何度もはしゃいだことや卵が苦手で朝食の玉子焼きを食べてもらってたこと、ペールが「いつも、僕たちの面倒をよく見てくれてありがとう」といつも、ご隠居さんみたいな口調で言ってたことや、レーナが私をすごく年下だと思っていて、ステージタオルや水を渡すくらいで「いい子ね」って感じで頭をなでてた、なんて書いても、やっぱり、しょうがないですよね、、、

裏話はうまくできませんが、東京公演のミート・ザ・バンドに来られなかった方たちのためにも、そのときの様子をお伝えしたいと思います。

要点をかいつまんでご紹介しようとも思いましたが、できるだけ、そのまま、少しずつ、文字を起こして、紹介することにします。ライヴ演奏を交えての約1時間の記録ですから、ちょっと長くなるかもしれません。年を越してしまうかもしれませんが、どうぞお付き合いください。

当日はayakoさんが司会と通訳をしてくださったのですが、ここではもう一度、私が翻訳に挑戦することにします。

北とぴあ国際音楽祭2008参加公演募集中

2007-12-13 15:25:43 | 古楽・バロック
今年の11月にフリーフォートが参加公演として出演させていただいた「北とぴあ国際音楽祭」の来年のテーマが決まり、参加公演を募集しています。

2008年のテーマは「魔法」


コンサートやパフォーマンスのテーマは西洋の古楽(中世・ルネサンス・バロック音楽、もしくは古楽器による演奏)、あるいは東洋の古楽(日本をはじめ東洋各国の伝統的な音楽)に関わるもので、出演者の国籍は問われないそうです。

参加公演に選ばれると会場使用料・付帯設備使用料(照明、音響機材や楽屋など)が免除されるほか、参加公演奨励金が支給されます。また、区内に配布されるニューズレターなどでの告知協力もあります。

会場は北とぴあのホールだけでなく、その他の区内の施設の利用も可能です。会場につきましてはサイトに詳しい説明がありますので、そちらをご参照ください。

申し込みの締め切りは1月31日。
詳細はこちらから

レーナ、ダーラナ文化賞受賞

2007-12-09 12:30:10 | フリーフォート
フリーフォートのLena Willemarkが2008年のダーラナの文化賞を受賞しました。
ダーラナはスウェーデンのストックフォルムから電車で4時間くらい北上したところにある地方の名前でスウェーデンの伝統音楽の宝庫。スウェーデン人の心の故郷なんだそうです。

受賞のニュースが入ったのはツアー初日の松阪公演の直後だったと思います。

その時に国際電話で行われたインタビューがスウェーデンのサイトにアップされています。

記事の下のスピーカーをクリックすると聴けますが、すべてスウェーデン語です。でも、嬉しそうなレーナの笑い声が聞けます。


この賞は毎年、ダーラナの文化に功績のあったアーティスト(音楽家だけではないそう)を称えるもので、去年は世界的に活動しているオペラ歌手が受賞したそうです。

今回の受賞のについて、フリーフォートのオフィシャルサイトの説明を引用します。


The motivation reads: Lena Willemark has with her extraordinary voice and sensitivity for the traditions of her native place Älvdalen as well as with her contemporary arrangements of folk music, captured entire Sweden.

Älvdalenはレーナの出身地で去年のグラミーを受賞した、ソロ・アルバム『エルヴダーレンズ・エレクトリスカ』のレコーディングが行われたところでもあります。

スウェーデン・グラミー 2008、ノミネート

2007-12-06 21:02:31 | フリーフォート
News!

フリーフォートアレ・メッレル・バンドの作品がフォーク部門でグラミー賞にノミネートされました。

応援しているアーティストのノミネートは嬉しいです。
今回の来日公演を聴いてしまうと当たり前とも思ってしまいますが、スウェディッシュ・トラッドのアーティストたちの実力はとっても高いので、候補に挙がることはとっても大変なんだそう。

フリーフォートとアレのバンドのダブル受賞なんてないのかな。


以下、候補に挙がっているミュージシャンとその作品です。

■ÅRETS FOLKMUSIK/VISA

ABALONE DOTS – FROM A SAFE DISTANCE
ALE MÖLLER BAND – DJEF DJEL
BLANDADE ARTISTER – POEM, BALLADER OCH LITE BLUES ‐ ÅTERBESÖKET
BO SUNDSTRÖM & FRIDA ÖHRN – DEN LYCKLIGES VÄG
CAJSASTINA ÅKERSTRÖM – VISOR FRÅN FÖRR OCH NU
FRIFOT – FLYT
LARS DEMIAN ‐ VÄLKOMMEN HIT
NICOLAI DUNGER – RÖSTEN OCH HERREN
SOFIA KARLSSON – VISOR FRÅN VINDEN
SVEN‐BERTIL TAUBE – ALDERVILLE ROAD – ORD & TONER AV EVERT TAUBE

ちなみにレーナもアレもこれまでに4度ずつグラミー賞を受賞しています。

受賞式は1月8日。

スウェーデングラミーのページはこちら http://www.grammis.se(スウェーデン語のみ)