なごらいの活動レポート

なごや外来種を考える会
・・・略して「なごらい」です。
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外来オオバナイトタヌキモの堆肥化

2017-11-09 | 日記
‘17年7月末~11月上旬

名古屋市名東区の猪高緑地内にある塚の杁池で、2015年はほとんど目立たなかった外来生物のオオバナイトタヌキモが’16年の夏に大繁殖して水面を覆うほどになりました。水中の酸欠を引き起こす原因になるので、水面に浮遊するオオバナイトタヌキモを取りあえず除去したいのですが、取り除いたとしても悪臭がひどく、このままでは処分にも困るので、最初はコンポスト処分を考えました。
 

大きなコンポストを作って竹チップ・竹炭・米ぬかを混ぜて、臭いを抑えつつ発酵分解しながら、林の中で土に返す案です。7月末に少量の実験体を作って経過観察したところ、臭いは採取時よりも抑えられましたが、発酵温度は30℃ぐらいまでしか上がらず、コンポストとしてはうまく発酵させられませんでした。
 

この後8月に、琵琶湖のオオバナミズキンバイの堆肥化に成功したことで有名な立命館大学の久保幹教授のもとに出向き、相談に乗っていただいたところ、「藻類は発酵させなくても、天日干しで乾燥させて粉砕すれば、そのまま肥料として利用できるし悪臭も発しない」とのことです。それなら簡単なので早速やってみました。
 


9月23日塚の杁池から採取したオオバナイトタヌキモを網戸の上で3日ほど天日干しし、市販のみじん切り器を使って粉々に切り刻みました。このサンプルを久保教授のSOFIX研究所に送って成分分析をしてもらいました。その結果、全炭素・全窒素・C/N費は肥料として申し分ない値で、リン・カリウムが不足しているだけなのでそれらを補えば堆肥化は可能であると結論が出ました。これで来年以降、塚の杁池のオオバナイトタヌキモの駆除~堆肥化を行い、猪高緑地内で畑を作っている市民グループに消費してもらうストーリーができあがりました。駆除される生物にとっても地域の役に立てるというものです。