なごらいの活動レポート

なごや外来種を考える会
・・・略して「なごらい」です。
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外来種「モウソウチク」の駆除実験

2023-02-02 | 日記

 ‘23年1月28日(土)10時~12時

モウソウチク
は中国原産で、江戸時代中期に食材または竹材として移入し広まった移入種です。竹林では地下茎が太く横走し、お互いにつながって、地下茎に養分を蓄えています。そこからタケノコを生やしてすばやく繁殖し、勢力を拡大しながら周辺の植物相や住居に悪影響を与えます。里山・社寺林に多く見られますが、近年特に耕作放棄や竹林の管理放棄に伴って竹林の侵略的拡大の被害が増えおり、「愛知県で対策の必要な外来種30」に選定されています。なごらいでは繁殖力の強い外来樹木を食塩を使って駆除する実験を10年来続けてきましたが、トウネズミモチの駆除実験に一定の成果を確認できたことから、今年は緑地公園内で増殖しているモウソウチクの竹林を、塩を使って駆除する実験を試みます。

 

方法としては①竹竿にドリルで直径15mmの穴をあけ、②そこに飽和食塩水100ml(食塩30g弱)を注入します。③雨水の混入を防ぐため布製ガムテープで穴にふたをします。一番下の位置だと節間が狭すぎるので、下から3~5節目を選び、節と節の間で上の方に穴をあけるようにします。100mlの根拠は今までトウネズミモチ盛塩法で行ってきた食塩の数量に準じました。注入には先の細い灯油用ポンプやポットを使います。当初はサラサラの食塩そのものをドリル穴から投入することも考えたのですが、それだとジョウロを突っ込むためのドリル径を35mmぐらいに広げなければならないので、時間もかかるしドリルのバッテリーもすぐ切れるのです。径15mm穴なら20秒ほどで穴が貫通してバッテリー負担もかからず、灯油用ポンプやポットで食塩水を注入するのも手間取りません。ただし、あらかじめ飽和食塩水を大量に作っておく必要があります。

  
 

モウソウチクの駆除には管理者の方が苦労されていますが、皆伐でも1m高さの伐採法でも非常に労力と時間がかかり、チェーンソーによる伐採は危険もあり、しかも前者は数年間繰り返す必要があるとのことです。またグリホサート系除草剤は効果が高いようですが、環境汚染や人体への発ガン性などの懸念もあるため、食塩水注入による駆除方法を実験してみます。もしもうまく行けば、コスト・労力・環境負荷がいずれも軽いと考えました。

緑地内のモウソウチクの竹林に入ってみると、竹の間隔は数mでも太くかたいヨシの藪が灌木のように密生し、斜面もあるので歩くだけでも体力を消耗します。やはり径15mmで塩水注入にしておいて良かった。実際にやってみると、用意した4リットルの塩水を40本の竹に注入するのに要した時間は2人で80分ほどで済みました。

実験経過を見ないと効果はわかりませんが、作業手間とコストについては予想以上に順調です。とりあえず3か月後、6か月後ぐらいでモニタリングしていこうと思います。