背中から四十分

先日観て来た渡辺源四郎商店の「背中から四十分」について、
既に色んな方が『大人の芝居だ』とおっしゃっていますが、私も言いましょう。
これは大人の芝居でした。

静かな中に時折起こる笑いと、それを凍らせてしまう程の緊張の中で、
男と、マッサージ師の女がマッサージを介してお互いを癒し合う。
お互いに「死」を心の中に忍ばせつつ、それを薄々感じつつ、
静かにマッサージは進むのです。

正直、かなりマッサージに行きたくなりました。（実際、観劇後に行っちゃいましたよ、マッサージ。）
マッサージされている男性の方は途中で眠くならないのかと心配になったほど、
マッサージ師役の女性の方が、マッサージ上手そうでした。

私がマッサージマッサージと書くと、それだけの芝居だったように思われるのではないかと不安ですが、
芝居の内容、役者の技量共に、ここ最近で１番面白かったです。

残念なのは、私達が観た回にお客さんが余り入ってなかった事。
もっとたくさんの人に観てもらいたい芝居でした。