これは素晴らしいインタビューによる風俗による時代分析と魅力的な男の伝記だ。700ページもあるが、50歳以上の方には読まないと一生の損だ。(バブルを知らない世代は読んでもなんのことかわらかないとおもう)
村西とおるは
①突進:スピードと時代を読む感
②過剰:多作と間断なきしゃべりに象徴される集中と唯我独尊の独裁、質より量(成果は営業の鉄則だが)
③エロ:落差にこだわる、知的で上品な女性が好み、死とエロの対比
④二面性:エロと格差、人生のあっさり転換
が特徴だ。
実際には、一年半で71本の作品、自らベータ・カムで撮影、脚本も、男優も、大体のタイトル名もつけるという驚異につながる
しかもAVでは「顔面シャワー」、「駅弁ファック」、「ハメ撮り」を開発・実演し、その独自性と多作で市場を制覇
経歴は、不遇な生活環境でも工業高校卒業から上京、応酬話法で話し続ける営業でトップとなり、ビニ本、裏本、AVで帝王、ハーレムを築くが、バブル崩壊で50億円の借金、「地下からスケベ」が「空からスケベ」で衛星放送への入れ込みがドツボに。94年46歳で乃木真梨子と結婚し、平和な生活と二面性のある割り切りの人生。それでも出演があると白のBVDパンツとサービスは偉い
黒木香( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E6%9C%A8%E9%A6%99 )は淫乱でアル中、監督の逮捕にも「寝顔にスペルマでございますわね」とウイット→エロスとタナトスの確執を感じる奇才で奔放と配慮など二面性に悩んだのではないだろうか。今ならばパフォーミング・アートの巨匠だろう。壇蜜などは文章も絵も器用だが黒木のモノマネに過ぎない
乃木真梨子は美女で村西と結婚、子供が有名私立に入学してから村西はエロ関係の出演は慎む→どこが美人なのかさっぱりわからない
エロはフェティズムや性体験での欲望の差はあるが、村西は格差に注目。知性と淫乱を対比、かたや山崎紀雄は清楚な夏服で自然の美観をプロローグにセックス場面を対比も同じ方策。「エロスはファンタジー」で死(タナトス)との対比が根源。
再度書く、風俗として、時代の考証として、エロと愛として 素晴らしい内容だ、筆者入魂の金字塔だ
知識を深めたいと思います😁
代々木忠監督はいかがですか、心と体を裸にしていくようなインタビュー形式の出だしが秀悦だったように思います、著作も多数。
この時代に淫乱と言うカテゴリーが確立したように思う。堕落して貪欲で脳も体も感じ過ぎる人達。
黒木香は良かったですねー、豊丸はどこまで感じているかわからない、一種プロレスみたいな性ですね、淫乱のカテゴリーとはちょっと違う気が
する。
プレイボーイで育った世代には刺激的な時代でした。