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紅茶を好むロシア人

2018-06-12 04:56:28 | 食べる・飲む

なぜロシア人はいつもお茶を飲むのか?:とくにレモンティーが大好き

 

画像:ナタリア・ノソワ
 ここではウォッカのことは脇へ置いておこう。この世界最大の国は、お茶好きという点でも世界最高かも。

 「すべてのロシア人がウォッカを飲む。ということは、もし誰かロシア人の家に招待されれば、何杯かウォッカを飲めるに違いない」。外国人はよくある先入観にしたがって、こう考えるかもしれない。

  だが、それはちょっと誇張されている。ロシアの誰もがアルコールを嗜むわけではない。いわんやウォッカをや。その強烈な味わいは、か弱い人には向いていない。だから、最初の訪問で「ウォッカを一杯やろう」と言われる可能性はかなり低い。

 あなたが間違いなくすすめられるのはお茶(紅茶)だ。あなたは別にロシアに行かなくても、それを確かめられる。それというのも、ロシア人はどの国に行っても、また時間帯に関係なく、レストランやカフェで紅茶を注文するのだから。

 「それなら紅茶は、ロシア人にとって特別な飲み物だ」だと思われるかもしれない。確かに、ロシア人は紅茶が大好きで、いつも飲んでいる。2014年の世論調査によると、ロシア人の94%が紅茶を飲む。

 ロシアの文豪レフ・トルストイはかつてこう言った。「私はお茶をたくさん飲む必要があった。でないと働くことができないので。お茶のおかげで、私は自分の魂の奥底をのぞき込み、夢見ることができる」


お茶の国

 ナポレオンやヒトラーと違って、紅茶は首尾よくロシアを“侵略”し、征服した。他のほとんどの国と同じように、茶はもともとは中国から輸入されたが、それは正確にはいつから始まったか?

 歴史家たちはそれについてまだ議論している。19世紀の学者ドミトリー・プロゾロフスキーはこう書いている。1654年にロシアから中国へ送られた特使は、お茶の輸入は“通常のこと”だと述べており、しかも「茶は現代人にとって主な必需品の1つだ」と付け加えている、と。今のロシア人にとってもまさしくそうである。

 歴史家アレクセイ・ヴォルイネツは、「ロシアの惑星」の記事(電子版)で、19世紀半ばまでには、貴族から極貧の農民にいたるまで、すべての社会的階層が紅茶を飲んでいたと述べている。厳格をもって鳴るツァーリ、ニコライ1世(在位1825~1855年)も、投獄された革命家たちに「茶を与えよ」と命じた。そうしないのはあまりに非人間的だったから。

 安価なお茶なら、誰もがそれを買う余裕があった。しかし、貴族や富裕な商人が飲むお茶は、品質が違ったのは当然だ。

 早い話が、紅茶を飲むことは、どんな背景をもつ人々をも結ぶ、ロシアの伝統となった。2016年に、「ユーロ モニター インターナショナル」が行ったアンケートによると、ロシア人回答者の78%がバイナリ(2進法)「ティー・コーヒー」コンテストで、お茶を選んだ。同じアンケートによると、日本人の約63%が茶を好んだ(ところが米国では、「コーヒー派」が75%で勝った。露米両国がお互いを理解できないのは不思議ではない)。


お茶好き列伝

 ロシア人なら誰であろうと、聖人でも悪人でも、天才でも凡人でも、お茶好きである可能性が大だ。ここに若干の実例を挙げる(トルストイについては既に述べた)。


ツァーリの場合

 アレクサンドル1世(在位1801~1825年)は、レストランや都市の市場のお茶の値段を手頃なものにした。彼自身もお茶を楽しんでおり、廷臣は「陛下はトーストで緑茶とクリームで一日をお始めになる」と報告している。


革命家の場合

 1917年の10月社会主義革命の指導者でソ連の建国者、ウラジーミル・レーニンも喫茶を楽しんだ。当時の革命家の回想録の多くは、レーニンが同志たちとお茶を飲んでいる場面から始まる。「国外に亡命している間、そしてその後も、彼はときどきビールやワインを飲んだが、決してその愛好家というわけではなかった」。ニュースサイト「極秘」(Sovsekretno.ru)には、こんな記述がある。


独裁者の場合

 ロシア史上最も毀誉褒貶の絶えない支配者、ヨシフ・スターリンにも、一般的な人間的特徴、例えば、お茶の愛好があった。アレクサンドル・ワシレフスキー元帥は、こう回想している。「たいてい会議中には、お茶とレモンを運んでくる…。スターリンはレモンをしぼり、コニャックを加えて、ちびりちびり飲む…」

 

レモンティー大好き

 レモンティーを好んだのはスターリンだけではない。これはとくにロシアで広く見られる飲み方だ。

 「これほどレモンティーが好きな国民は他にない」。ロシアのデザートの専門家、スヴェトラーナ・ウスチュゴワ氏は「論拠と真実」紙に語った

 「この伝統は、駅逓に現れた(18〜19世紀)。旅行者は駅逓で馬を替えた。彼らは、悪路のせいで、しばしば乗り物酔いに苦しんだ。こういう場合、何か酸っぱいものが助けになるので、熱いお茶にレモンを添えて提供された(気分を良くするために)」

 もう一つ付け加えると、ロシアのような寒い国では、ビタミンCを含む食品を食べることが重要だ。もっとも、ロシア人すべてが、レモンティーを好むわけではない。イギリス人のようにミルクティーが好きな人もいるが、多くの人は普通のお茶を飲む。結局のところ、ロシア人にとって「悪いお茶」というものはない。

 

 

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