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国益を損なう役人 <核燃>ロシアの再処理提案文書を隠蔽 「六ケ所」の妨げと 毎日新聞発

2011-11-25 09:29:15 | 情報
<核燃>ロシアの再処理提案文書を隠蔽 「六ケ所」の妨げと
毎日新聞 11月24日(木)2時30分配信

 ロシアが02年、日本の原発の使用済み核燃料をロシアで一時的に貯蔵(中間貯蔵)したり、燃料として再利用するため処理(再処理)するプロジェクトを提案する外交文書を送っていたことが関係者の話で分かった。

内閣府の原子力委員会や経済産業省資源エネルギー庁の一部幹部に渡ったが、六ケ所村再処理工場(青森県)稼働の妨げになるとして、核燃サイクル政策の是非を審議していた国の審議会の委員にさえ伝えなかった。当時、漏水事故の続発で再処理工場の安全性を疑問視する声が高まっており、不利な情報を握りつぶして政策を推し進める隠蔽(いんぺい)体質が浮かんだ。

 ◇02年、国の審議会にも伝えず

 東京電力福島第1原発事故を受けて設置した政府のエネルギー・環境会議は核燃サイクルを含むエネルギー政策を抜本的に見直す方針。情報隠しが判明したことで、政策決定の妥当性に厳しい検証が求められそうだ。

 文書は02年10月25日付でA4判2ページ。尾身幸次・元科学技術政策担当相宛てで、ロシア語で書かれており、ルミャンツェフ原子力相(当時)の署名がある。

受領した在ロシア日本大使館が日本語訳を付け、内閣府原子力政策担当室(原子力委員会の事務局役)幹部らに渡した。大使館はさらに04年初めまでにエネ庁の一部幹部にもファクスで送ったという。

 尾身氏は担当相を務めていた02年9月、モスクワなどでルミャンツェフ氏と会談。文書は「会談は原子力部門における露日の共同活動の最も有望な方向性を明確に示すことを可能にした」とし、「一時的技術的保管(中間貯蔵)および(再)処理のために日本の使用済み燃料をロシア領内に搬入すること」を提案する内容だった。

 03~04年、経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」や原子力委の「新計画策定会議」が、使用済み核燃料をすべて国内で再処理する「全量再処理路線」継続の是非を審議していた。

約19兆円とされる高コストやトラブルの続発を受け、六ケ所村再処理工場に初めて放射性物質を流す「ウラン試験」開始に異論を唱える委員もいたが、ロシアからの提案は知らされなかった。結局、再処理継続が決まり、04年12月にウラン試験が行われた。

 経産省やエネ庁の関係者によると、エネ庁幹部は当時、周辺に「極秘だが使用済み核燃料をロシアに持って行く手がある。しかしそれでは六ケ所が動かなくなる」と語っていた。
海外搬出の選択肢が浮上すると、全量再処理路線の維持に疑問が高まる可能性があるため、隠蔽を図ったという。ある関係者は「ロシアの提案は正式に検討せず放置した」、別の関係者も「原子力委とエネ庁の技術系幹部という一部の『原子力ムラ』で握りつぶした」と証言した。

 原子力委は委員長と4委員の計5人。他に文部科学省や経産省からの出向者らが事務局役を務め、重要な原子力政策を決定する。【核燃サイクル取材班】

核燃:露文書隠蔽 次官にも報告せず 委員からは怒りの声

 誰の手で握りつぶされたのか。使用済み核燃料の受け入れを提案する02年のロシアの外交文書。「経済産業省トップ(事務次官)にも報告していない」と証言する資源エネルギー庁関係者もおり、隠蔽(いんぺい)の徹底ぶりが浮かぶ。当時、国の審議会では六ケ所村再処理工場(青森県)稼働の是非が論議されていた。「判断するために貴重な情報。事実ならとんでもない」。委員から怒りの声が上がった。【核燃サイクル取材班】

 「エネ庁には04年初めにファクスが届いた」。関係者が明かす。在ロシア大使館に届いた文書は内閣府の原子力委員会に渡り、その後エネ庁へ。エネ庁では一部幹部への配布にとどまり経産省事務次官に渡らなかったとされる。

「六ケ所の邪魔になる。どうせ握りつぶすんだから上に上げる必要はない」。関係者は独自の理論を展開した。エネ庁原子力政策課で課長を務めていた安井正也・経産省審議官(原子力安全規制改革担当)は取材に、文書が存在するかどうか直接答えず「記憶にない」と繰り返した。

 「シベリアに国際管理して埋めるというのはどうか」。
03年6月の参院外交防衛委員会で舛添要一参院議員(当時自民)が質問した。

原子力委員会の藤家洋一元委員長は「自らの責任において処理すべきだ」と海外処理を否定する答弁をした。
藤家氏は取材に対し「『ロシア』という話はこの時に初めて聞いた」と説明、01~04年の在任中、ロシア側から文書による提案は「ない」と語った。

原子力委員会には事務局役の職員(官僚)が約20人いる。
経産省同様、一部の「官」が握りつぶしたのか。

文書の宛先の尾身幸次・元科学技術政策担当相も「(文書は)ない」と完全に否定しており、謎は深まる。

   ◇  ◇

 「隠蔽が事実だとしたらとんでもない」。経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」で委員を務めた大阪大の八田達夫・招聘(しょうへい)教授(公共経済学)は憤る。

 六ケ所村再処理工場は当時放射性物質を流しておらず、解体すれば費用は3100億円で済んだ。
しかし、使用済み核燃料を処理するアクティブ試験(06年3月)などを経て本格操業した後廃止すれば1兆5500億円かかる。

八田氏は04年3月、分科会で「大変な解体コストがかかる。(再処理せず直接地中に捨てる)直接処分という選択肢も考慮すべきだ」と主張。八田氏は「工場を放射性物質で汚すか汚さないかを判断する上でロシアの提案は非常に貴重な情報だった」と語った。

 ■六ケ所村再処理工場を巡る動き■

80年3月 電力各社が「日本原燃サービス」(現日本原燃)を設立

84年7月 電気事業連合会が青森県と六ケ所村に再処理工場など核燃サイクル3施設の立地申し入れ

85年4月 青森県と六ケ所村が「受け入れる」と回答

89年3月 日本原燃が事業申請。建設費7600億円、97年完成と計画

93年4月 着工

96年4月 建設費1兆8800億円に変更。完成を03年に延期

99年4月 建設費を2兆1400億円に変更。完成を05年に延期

  12月 使用済み核燃料貯蔵施設が操業開始

01年12月 使用済み核燃料貯蔵施設のプールから漏水するトラブル判明

02年10月 ロシアから再処理などを提案する外交文書が届く

04年1月 経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会」が再処理費用などのコストを約19兆円と公表

  6月 原子力委員会の新計画策定会議が再処理継続などの議論開始

  11月 新計画策定会議が再処理継続の方針を決定

  12月 再処理工場で劣化ウランを用いる「ウラン試験」開始

05年3月 建設費を2兆1900億円に変更。完成を07年5月に延期

06年2月 建設費を2兆1930億円に変更。完成を07年8月に延期

  3月 実際に使用済み核燃料を通す「アクティブ試験」を開始

08年12月 高レベル廃液をガラスで固める工程でトラブル。試験中断

10年9月 完成を12年10月に延期

11年3月 東日本大震災で一時外部電源喪失

毎日新聞 2011年11月24日 2時30分(最終更新 11月24日 10時57分)

<核燃・露外交文書隠蔽>核燃:ロシアの再処理提案文書を隠蔽 「六ケ所」の妨げと
<核燃・露外交文書隠蔽>海外貯蔵の可能性葬る
核燃料税:停止中の原発も課税対象 青森県方針
社説:もんじゅ仕分け 抜本的見直しは当然だ
クローズアップ2011:原発政策仕分け 地域振興から安全対策へ
もんじゅ:茨城・東海村の関連施設、10年以上利用なく 830億円、検査院指摘

 この様な役人は、国益を害した罪として厳罰に処する。
 毎日新聞の「特ダネ」と賞したい。   サハリンマン
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