ミャンマーで軍事クーデターと云うニュース。
クーデターと云うのは、
支配勢力の中の一部による武力を使った非合法な権力奪取、
つまり革命なら
外部からの武力による権力奪取ですが、
こちらは、
内部の一派による政権奪取、つまり武力を使った内部抗争です。
ミャンマーの政治家と云うと、
アウンサンスーチーさんが有名ですが、
実際にスーチーさんが首相になったことはない。
それは憲法上の規定で、
スーチーさんにその資格がないからと云われてますが、
首相や大統領にすることに、
国軍が反対したからとも伝わります。
つまりスーチーさんは、
国軍の意向を忖度しながら政治を進めて行かねばならぬ立場だった。
その辺りの微妙な立ち位置が、
ロヒンギャ問題で欧米などから批判される原因にもなっていたと思われます。
すなわち、
政治家としてのスーチーさんは非常に危うく不安定な立場でもあった。
そういう中、
去年行なわれた選挙で、スーチーさんの党が大勝、
反対に国軍の候補者たちは大惨敗。
これに危機感を持った国軍が
国際世論の批判を覚悟で軍事行動に出たもののようです。
国軍がここまで強硬だったのは、
元国軍のトップでスーチーさんを起用した政治家、
テイン・セイン氏が引退し過去の人となったこともあるのかなと思います。
なんにしても、
これで欧米諸国の批判が高まり経済進出が滞るなら、
ミャンマーの軍事政権としては、
経済振興のためは、共産党独裁の隣国を頼りにするよりない。
中国は石油の出ない国で、
中東からの輸入に頼ってますが、
もしミャンマーがラオスやカンボジアと同じく、
中国の属国のようになれば、
現在、タンカーがインドシナ半島を大回りして運んでいる石油は、
パイプラインを通じミャンマーから直接中国に届けることが出来る。
これは中国にとって非常に魅力的。
かってはロシアを盟主にした
「ソビエト連邦」なる大国がありましたが、
そのうち東南アジアに、
「大中華連邦」のような構想が実現してしまうのでしょうか