“閑さや 岩にしみ入る 蝉の声”
奥の細道にある芭蕉の句で、
おそらくは日本で一番有名な「セミ」の句。
作られたのは元禄二年五月二十七日、
これを、今風の暦に直すと7月の13日となるそうだ。
今年も、
早朝からセミの鳴く季節がやってきた。
私の子どものころ、
セミと言えばアブラ蝉かミンミン蝉だったが、
今は、
地球温暖化の影響、とかでクマゼミ全盛。
かなりうるさくて、
急き立てるようなその鳴き声に芭蕉の句の風情はない。
セミの季節になって私の頭に浮かぶのは、
38歳と云う若さで死んだ女流歌人・石橋秀野の一句。
“蝉時雨 子は担送車に 追ひつけず”
おそらくは、
すでに死期を悟っているのであろう秀野
ストレッチャーに乗せられ手術室へ運ばれる
その母を、
泣きながら少女が追いかけている。
この句の蝉しぐれは、
いくら けたたましく あろうとも、音がしない。
奥の細道にある芭蕉の句で、
おそらくは日本で一番有名な「セミ」の句。
作られたのは元禄二年五月二十七日、
これを、今風の暦に直すと7月の13日となるそうだ。
今年も、
早朝からセミの鳴く季節がやってきた。
私の子どものころ、
セミと言えばアブラ蝉かミンミン蝉だったが、
今は、
地球温暖化の影響、とかでクマゼミ全盛。
かなりうるさくて、
急き立てるようなその鳴き声に芭蕉の句の風情はない。
セミの季節になって私の頭に浮かぶのは、
38歳と云う若さで死んだ女流歌人・石橋秀野の一句。
“蝉時雨 子は担送車に 追ひつけず”
おそらくは、
すでに死期を悟っているのであろう秀野
ストレッチャーに乗せられ手術室へ運ばれる
その母を、
泣きながら少女が追いかけている。
この句の蝉しぐれは、
いくら けたたましく あろうとも、音がしない。