目覚まし時計が遅れだしたので、
我が同居人ドノに、「単二の電池ある?」と聞いてみる。
テkが引き出しを開けゴソゴソ、
電池を探しながら、
「何につかうの?」と聞くので、「メ・ザ・マ・シ」。
「一個でええのやね」と渡してくれ、
ついでに、「今夜は、メザシ 一ッコにしとこか」と、「マ抜け」な話。
いくら貧家とは云え、
夕食にメザシ一匹はなかろうとブツブツ云いながら、電池を詰め替える。
それで、ひょいと思いついて、
「これ、電池、プラスとマイナス間違えて入れたら逆廻り、
時間が戻って、若返るんちゃうかなぁ」。
みゅうたん、「アハハ」と笑った跡、
「ホンマにそうやったらええのにねぇ」と、これは笑わずに云った。
私も笑わず、
「そうなったら電池一杯買うて来て、一杯詰めて、『早戻し』するよなぁ。」と、
どこまた二人で笑った。、
実は人間の思いは、
昔も今も変わらぬらしく、江戸時代の小話にこんなのがあります。
尚、以下の文中、
「よくどしく」は「欲どうしく」、欲張る事。
~~~~~~~~~~~~~
【ぢゞとばゞ】
ぢぢは 山へ柴刈りに、
ばばは 家で 洗濯も何もせずにいたる処に、
程なく ぢゝが帰り来たるを見れば、二十四・五の男になっていたり。
ばば 肝をつぶし
「こなた どうして その様に 若くならしゃった」
「サレバ 有り難い事じゃ、
アレ あの山超えて、
この山 超えて、
あちらのあちらの 滝の水を、ひと口飲むと、これこの様に若やいだ、
そなたも行て 飲んで お来やれ」
ばばも悦んで へこへこして行かれたが
途方もなく時がたつのに帰らぬから、
ぢぢが、見に行かれたら、
婆は よくどしく呑んだようで、
滝壺のはたで、
「おぎゃあ、おぎゃあ」。
~~~~~~~~~~~~~~~
我が同居人ドノに、「単二の電池ある?」と聞いてみる。
テkが引き出しを開けゴソゴソ、
電池を探しながら、
「何につかうの?」と聞くので、「メ・ザ・マ・シ」。
「一個でええのやね」と渡してくれ、
ついでに、「今夜は、メザシ 一ッコにしとこか」と、「マ抜け」な話。
いくら貧家とは云え、
夕食にメザシ一匹はなかろうとブツブツ云いながら、電池を詰め替える。
それで、ひょいと思いついて、
「これ、電池、プラスとマイナス間違えて入れたら逆廻り、
時間が戻って、若返るんちゃうかなぁ」。
みゅうたん、「アハハ」と笑った跡、
「ホンマにそうやったらええのにねぇ」と、これは笑わずに云った。
私も笑わず、
「そうなったら電池一杯買うて来て、一杯詰めて、『早戻し』するよなぁ。」と、
どこまた二人で笑った。、
実は人間の思いは、
昔も今も変わらぬらしく、江戸時代の小話にこんなのがあります。
尚、以下の文中、
「よくどしく」は「欲どうしく」、欲張る事。
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【ぢゞとばゞ】
ぢぢは 山へ柴刈りに、
ばばは 家で 洗濯も何もせずにいたる処に、
程なく ぢゝが帰り来たるを見れば、二十四・五の男になっていたり。
ばば 肝をつぶし
「こなた どうして その様に 若くならしゃった」
「サレバ 有り難い事じゃ、
アレ あの山超えて、
この山 超えて、
あちらのあちらの 滝の水を、ひと口飲むと、これこの様に若やいだ、
そなたも行て 飲んで お来やれ」
ばばも悦んで へこへこして行かれたが
途方もなく時がたつのに帰らぬから、
ぢぢが、見に行かれたら、
婆は よくどしく呑んだようで、
滝壺のはたで、
「おぎゃあ、おぎゃあ」。
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