漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

月明かりの小夜曲

2010年05月08日 | Weblog
テレビで久し振りに浅丘ルリ子さんを見かける、
失礼ながら、年のワリにはお若く、肌のつやも良くてお元気そう。

音楽番組への出演で、
戦後のスタンダードジャズや映画音楽の話題から、
ご自分が「テイチク」の専属歌手となったウラ話などになる。

う~む、ナツカシイ、「レコード会社のテイチク」、

すなわち、昔の「帝國蓄音器」。

あのころのレコード盤はもろかった、

すぐにキズつくし、簡単に割れる、
熱にも弱いから、赤子でも扱うような注意深さが要った。

子供のころの思い出は、

まず、棚から聞きたいレコード盤を抜き出し、

床の間ににあった蓄音機のハンドルをグルグル回して、
ゼンマイを巻いておいてから、

おもむろに、蓄音機のフタを開け、

レコード盤をターンテーブルにそっと乗せ、
息をこらしながら、レコードの一番外側の溝にピックアップの針を落とす。

しばらくすると、
当時の蓄音機特有の、ちょっとざらついたような音が鳴り出したものです。

あのころの我が家にあったのは、
ジャズなどと云うシャレたものではなく

「軍歌」や「行進曲」、
それに「浪花節」や「民謡」、中に盆踊り用の「江州音頭」もあったかな。

その「軍艦マーチ」のレコードジャケットに、
旧書体による「帝國蓄音器」の文字があったような気が・・・、

もはや、定かには覚えてないのだけれど。

いまや「レコード」と云う言葉さえ死語となりかけている時代、
ましてや、「蓄音機」など、意味も通じるまいな、と、

テレビから流れる「ムーンライト・セレナーデ」、
すなわち、「月明かりの小夜曲」を聞きながら、感慨にふけったのでありました。





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