元学校の先生で「日教組出身の輿石東氏」と、
「田中角栄元首相の教え子を称する小沢一郎氏」では、
その政治的姿勢は「水と油」だと思うのだが、
ここ何年か、この水と油は実に親密で、互いに助け合ってきた。
その輿石民主党幹事長は、
「今の日本を救えるのは小沢氏しかいない」と思っているようで、
小沢氏の復権へ、熱心に旗を振っているのだそうな。
しかし、私には、
小沢氏が権力への執念を見せていることは分かっても、
では、「どんな政治を目指しているのか」がよく分からない。
つまり、肝心の、
その権力を得て「ナニがしたいのか」が、よく分からないのだ。
「消費増税に反対して、マニュデストを実行する」と言ったって、
ただ単に「カネをばら撒く」だけでは、
当面の選挙対策にはなっても、
輿石氏の言うように「今の日本を救える」とは思えないのだ。
政治評論家の屋山太郎氏が、
今日の新聞に「小沢氏への引退勧告文」を書いている。
分かり易い内容なので全文読んで頂く方が良いのだが、
とりあえず、「私が共感した部分」をピックアップしてみる。
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政治評論家 屋山太郎
小沢氏は新進党を解散し、
自由党を分裂させ、民主党に転がり込んで母屋を取る。
その手口は、党のカネを握って傘下の議員を増やすというものだった。
解散した党に残った政党助成金を、
小沢氏は私物化し、その総額は一説に28億円といわれているが、
小沢氏は(その詳細を)一切、明らかにしていない。
小沢氏が民主党に鞍(くら)替えしたときの言い分は、
「政策から何から全部、民主党の主張をのみ込む」-だった。
そこで、選挙の責任者となって、
小沢氏は何百億円もの政党助成金を自らの一存で使い、
“小沢ガールズ”をはじめ100人余の追随者を当選させた。
その選挙で、民主党は政権を取り、
その政権党に、小沢氏は公金で「党中党」を築いたのである。
(中略)
民主党政権初代首相の鳩山由紀夫氏と、
党幹事長として支えた小沢氏のコンビが最初に行った人事が、
元大蔵(現財務)事務次官、斎藤次郎氏の日本郵政社長への起用だった。
こんな典型的天下り人事を許したわけで、
他の公益法人の人事などバカらしくてチェックする気も失(う)せる。
日本外交は、
「普天間飛行場の移転先は少なくとも県外」との鳩山首相の一言で崩れ去った。
小沢氏は、議員を含めた600人を引き連れて訪中し、屈辱的な朝貢外交を展開した。
今、嫌中感情を抱く日本人は9割に達している。
米国に距離を置いて中国と交流を深める外交方針などは、国民感情を逆なですること甚だしい。
民主党政権を大きく躓(つまず)かせた張本人は小沢氏であって、
自らの政策失敗を反省せず、
政治手法の問題点を棚に上げ、後続の野田氏を攻めるのは恥知らずだ。
度し難い古い政治を引きずっている小沢氏に、強く政界引退を勧めたい。
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小沢氏の支持者には腹の立つ内容だろうが、
小沢さんの世話になったこともなく、
ましてや利権にあずかった事の無い平凡な庶民から見れば、
首肯する部分は多いのである。