漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

母の愛は永遠なり

2020年09月23日 | しみじみした話

お母さんが認知症になった方がおられましてね。

そのお母さんが、
昼の二時になると、いつも家を飛び出すんだそうです。

認知症ですからね、
「危ない」と止めようとするが、

振り切ってでも行こうとするんだそうです。

それが毎日のことで、
疲れ果てた息子さんがベテランの看護職員に相談したんですよ。

話をじっくり聞いていた看護職員は、

「毎日?、決まって二時ですか?」と確かめ、

「二時に何か心当たりはありませんか」と聞いてきた。

思い当たることもないので、
遠方の お兄さんにも相談して、電話でアレコレ話すうち、

「ひょっとしたら、アレかな」となり、

半信半疑、
その話を看護職員にしたら、そのベテランからアドバイスが出た。

次の日、
いつものように飛び出そうとするお母さんに、

後ろから息子さんが声を掛けた。

「今日は幼稚園、お泊りの日だよ」

すると、
お母さんが驚いたように振り返り、

「ああ、そうだった、忘れてた」と言うなり、

いつもの行動からすると、
信じられないほどおとなしくなり、自分で部屋に戻った。

その話をお兄さんにして、

「母は、俺たちの幼いころに戻り、
 幼稚園へ迎えに行こうとしてたんだよ」と伝えると、

電話の前で兄が泣き出した。

その息子さんも もらい泣き、
兄弟二人、電話の前で号泣したそうです。

この話実話だそうで、
武田鉄矢さんがラジオでしていました。

 


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