漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

滝の白糸

2018年03月17日 | テレビ 映画 演芸
水芸と云うのが有ります。

紋付に袴姿で、
サムライのように肩衣までつけた女芸人が、

鳴り物にあわせてさし出す扇子の先から、
次々と水柱があがり、それが自在に移動すると云もの。

むかしは人気があったもので、
私も子供のころ、旅芸人の水芸を見た記憶があります。

綺麗で鮮やか、楽しいモノですが、いまは廃れましたね。

むかしはサイホンの原理が不思議だったのですが、
いまじゃ噴水なんて珍しくもないし、水道からでも水は飛び出しますモンね。

その水芸で人気を博す女芸人が主人公の無声映画、
「滝の白糸」をきのうパソコンで見ました。

無声映画って言っても、
弁士の声が付いてますから不自由はありませんけどね。

溝口健二の監督作品で、
主演の滝の白糸に入江たか子、

子爵の娘が女優になったと云うので評判になった方で、
戦前の映画界で大活躍した美人女優さんです。

戦後は仕事がなくなり、
生活にも困った時期があり、化け猫女優として映画に出ていた。

ただし、
娘の入江若葉さんには、

このことも隠さず、

「これも女優としての生き方だから」と、
子どもの時からこの映画を見せていたそうです。

相手役の村越欣弥役に岡田時彦、
こちらは、戦後の美人女優・岡田茉莉子さんのお父さん。

私の後を通りかかった我が同居人ドノが、
立ち止まって「あらぁ、ハンサム」と言っておりました。

映画の方は、
さすがは溝口健二と云う出来ばえで、

おもしろかったので、

ことのついでに
青空文庫で、「義血侠血」の方まで読んでしまった。

これ、泉鏡花の小説で、滝の白糸の原作です。

この無声映画、

ある歌舞伎役者さんのブログで知ったんだけど、
こんなものまで見られるんですねぇ、ユーチューブって。




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