漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

乗り換えは御自由

2010年12月24日 | Weblog

だいぶ前のことになるが、
「著書が朝日新聞で紹介されると、一気に売り上げが伸びるんだがね」と、

本を出したばかりのどなたかがテレビで仰っていた記憶がある。

発行部数もさることながら、
朝日の読者に「読書階層が多い」のがその主な原因であるらしい。

似たような意味合い、
つまり、日本の知識階級に影響力を持つと云う意味で、
朝日新聞の「社説」や「天声人語」が語られることも多い。

で、その朝日の、
「海保ビデオ―ネット時代に残した課題」と題した今日の社説を途中から。
         
  ~~~~~~~~~~~~~~~~~

衝突事件後、
政府が映像の非公開を決めたのは、その時点での外交関係を踏まえた判断だった。

それを末端の職員が自分勝手な思いから流出させた。

海上保安官が警察権限を持ち、
武器を扱う職業だという重みも忘れてはならない。

 政府が非公開にしたことには賛否両論ある。
だが、ユーチューブへの投稿が、国民の知る権利に応える適切な方法だっただろうか。
あの映像も全体の中の一部に過ぎない。

たまたま入手できた保安官が、無責任な形でネットに載せた。

  (中略)

保安官の行動は公務員として容認できるものではない。
停職1年の処分は重すぎることはなかろう。

本人は自ら職を辞することになった。

衝突事件後、
政府が映像の非公開を決めたのは、
その時点での外交関係を踏まえた判断だった。

それを末端の職員が自分勝手な思いから流出させた。

海上保安官が警察権限を持ち、
武器を扱う職業だという重みも忘れてはならない。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~


一読、この内容なら、
「なんだかセンゴク官房長官が悦びそうな」と云う気がしてしまう。

もちろん、
公務員に保守義務があることは知っているし、
この公務員を英雄視しようとは思わないが、それにしてもである、

朝日のこの書きようは、
「世間の感覚とは随分ずれている」と思わざるを得ない。

有り体に言って、
あのビデオが露出してからの中国の態度は急におとなしくなっている。

少なくとも、あのビデオのせいで、
日中間の緊張が高まったと云うイメージは無い。

むしろ、日本国民のかなりの部分が、
「ビデオが公開されて良かった」と思っているのではなかろうか。

もし自民党政権の時代にこの事件が起こっていたら、
もっと政府を批判をしたはずで、
「こんな書き方にはならなかったろうに」、とも思う。

世間の感覚とずれているこの社説は、
失敗続きの息子をかばおうとして、
教室に乗り込んだ母親のようにさえ見えてしまうのだ。

朝日新聞が民主党を擁護したくてこなような社説を書くのなら、
それはそれでかまわないのだから、
いっそのこと、
「わが社は民主党を支持します」と宣言してしまってはどうだろう。

いや、朝日にかぎらず、
すべての新聞が、支持政党を宣言してしまえばいいのだ。

「朝日や共同通信は民主党」、
「読売、産経は自民党」と、ハッキリしてくれた方が読者としてもスッキリする。

だいたい、
事件報道ならともかく、
「公平で片寄らない社説」を書くことなど、ムリなハナシなのだ。

そもそも、「新聞社の言う公平や正義」ほどアテにならないものはない。

いま、テレビで「坂の上の雲」をやってるが、
日露戦争前の新聞社は、

反ロシアで激昂する庶民を煽(あお)って、
主戦論を書きまくり、
新聞を売りまくって儲けたのだし、
それと同じことを太平洋戦争の前でもやったのだから。

もちろん、支持政党を表明したからと云って、
守り通す必要は無い、

支持政党が変われば、
その時はその時で、「今日から乗り換えるよ」と宣言すればいいだけのこと。

少なくともそれなら、
きのうまで「進め、一億、火の玉だ」と、
「激烈な主戦論」を書いていた新聞が、
なんの自己批判なしに、次の日からは「一億総懺悔」と書くよりは、

「乗り換え宣言」があるだけでもいい。






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