漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

勝手なはなし

2009年10月04日 | テレビ 映画 演芸
きのうの続き。

テレビドラマから、
「生きるために働く」と云うような、
生活感覚が、薄れだしたのいつごろからかなぁ。

それはきっと、
ドラマの主人公が、やたらと「夢を持たなければ」と言い出したころ、

つまり、
世間の人々が、多少とも仕事を選べるようになり、
生活のためだけでなく、
仕事に充実感を持つことが必要、と考え出したころのような気がする。

もう三十年も前でしょうか、
「北の国から」と云うドラマがヒットしました。

あのドラマには、
確かに「生活のために働く」と云う臭いがあった。

ただし、このドラマが、
生活の臭いが濃厚であった分、
「全体に暗い」と云う性質を併せ持っていたこともまた否めない。

特にこのごろの若い人は、
人生を真面目に考えようとする人を、
「暗くて陰気」、「ネクラ」と敬遠するようですから、

テレビドラマに生活感を持ち込み、
リアルに演出すると「貧乏臭い」と感じ、見る人が減るのかもしれません。

そう考えると、
NHKの朝ドラが、
「お姫様のおとぎばなし」になるのも、
時代の空気を反映していると云う事なのでしょうね。

このごろ、
私も、我が同居人のみゅうたんも、
昔に比べ、テレビでドラマを見ることが減りました。

人生を重ねてくると、
「夢のようなおとぎばなし」では、魅力を感じないのです。

マンガが原作のドラマなど、
「発想が面白いな」と思って一・二回は見るのですが、後が続かない。

なんと言ったら良いか・・・、
登場人物の役柄に、「人間くさい体臭」を感じないのです。

すぐに怒り、すぐに喧嘩し、
綺麗な娘を見るとすぐ好きになり、すぐに行動に移してしまう。

そこには、抑制(よくせい)や逡巡(しゅんじゅん)、
心のうちで内訌する葛藤(かっとう)が乏しく、人間性が薄っぺら、

登場人物の、
「あまりに率直(そっちょく)な行動」に苦笑い、

見た跡で、無駄に時間を潰したような後悔が残ってしまう。

かと云って、
代わりに何を見ているかと云えば、
バラエティーのお笑い番組をみているのだから、偉そうなことは云えないのですが。

ただし、
お笑いバラエティーに、
「内心の葛藤や逡巡」を見ようとは、

最初から期待していないので、
その分、何も残らない代わりに、後悔も無いわけです。

かってと云えば、かってなはなしですが・・・。

 
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【抑制】よくせい
  (1)たかぶろうとする感情、激しい欲望、衝動的な行動などをおさえてとめること。

【逡巡】しゅんじゅん
   決断をためらうこと。ぐずぐずすること。

【内訌】 ないこう
  内部の乱れ。内部の騒ぎ。うちわもめ。内紛。

【葛藤】 かっとう
 (2)〔心の中に相反する欲求が同時に起こり、そのどちらを選ぶか迷うこと。
 (3)禅宗で、解きがたい語句・公案、また問答工夫の意。

 












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