本職は翻訳家にして、
愛棋家でもある柳瀬尚紀さんの随筆を読んでいたら、
“「愛猫家」と言う言葉は、
割りと新しい日本語で、読みは「あいびょうか」”とあり、
さらに“「猫」の字音は「ビョウ」、「ミョウ」”と続いているのを見て、
もしかしたらと思い、
手元の漢和辞典を引いてみたら果たしてこんな説明がありました。
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【猫】ねこ 漢音で「ビョウ」 呉音は「ミョウ」
けものを意味するケモノヘンと、
鳴き声をあらわす「苗(びょう)」からなる。
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日本人には「にゃあ」と聞える鳴き声も、
どうやら古代の中国人には、「びょう」と聞えたようです。
ついでに手元の語源辞典を引いてみたらこんな記事がありました。
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「ネコ」の語源は諸説有るが、
「源氏物語」のなかに、
「ねうねうといとらうたげに鳴けば」とあるように、
猫の鳴き声を「ネ」で写していることからすれば、
「ネコ」は鳴き声からとする説はかなり可能性が高いといえよう。
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なんと「ビョウ」も「ネコ」も、どちらも鳴き声なんですね、
ちょっと愉快になってきたので、
さらに「字解」を引いてみると、今度はこんな記述も。
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子(ね)の日はネズミの日で、
その日に猫を用いて呪いをかけることを「猫鬼(びょうき)」という。
猫にはなにか不気味なところが感じられるので、
そのような習俗が生まれたのであろう。
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ふふふ、愛猫家の高柳さんが聞けばどんな顔をするかな、
などと思いつつ、
いささか調子に乗って、今度は猫のコトワザなど調べてみたので、
あまり知られてなさそうでいて、しかも面白そうなのを二つ三つ。
「三味線張るのは猫の皮、芸者の言うは嘘の皮」、この辺はマァ説明不要。
「女の腰と猫の鼻はいつも冷たい」これは女性の冷え性を言ったのかな。
「手袋はめた猫は鼠を取らぬ」って、
猫に手袋なんかはめるかね、と突っ込みを入れた処で、
最後は語呂合わせ、
「猫と犬の夫婦でにやわん」
何組かの「猫と犬の夫婦」を思い浮かべた処でオシマイ。
どうも、オソマツサマでした。