漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

塗炭の苦しみ

2020年09月10日 | 国際情勢

ネットに北朝鮮からの、
「全国の小中高の2割が台風で被害」と云うニュース。

北朝鮮関係のニュースを見るときは、
どこが発信しているのかが重要なのですが、

これは、
「北朝鮮の教育省発表」のニュースだそうですから、

まぁ、報道と云うよりは、
政府の宣伝・広報みたいなもんですね。

今年の台風は、
ちょっと変わっていて、

例年なら、
日本列島を通って日本海へ抜けるはずが、

9号も10号も、
九州付近を北上して、

そのママ朝鮮半島を北へと縦断するコースだった。

日本人から見れば、
半島に入るころには勢力も弱まり熱帯低気圧程度なんですが、

台風慣れしていない人々にとってはタイヘンな事。

まして、
ダムや堤防の未整備、

それに脆弱な建造物などを抱える北朝鮮とあっては、

人々の苦難が思いやられます。

そう思っていたんですが、
どうせ、この国のことだからまともな報道はないだろう、

有ったとしても、
民間のルートを通じて、ウワサとして伝わる程度か、

と見ていたら、
政府が台風被害を公表したと云うニュース。

これは異例のことです。

まだしばらくは、
様子を見ないと分かりませんが、

今、考えられるのは、
国民の不満があまりにも大きすぎて、

国として黙っている分けにも行かなくなったのかな、と云う事。

台風被害が大きくなったのは、
現場の自治体が、適切な対策を講じなかったからだ、と、

最高指導者の
金正恩様も仰っておられるそうですから、

だれか台風被害の“犯人”を見つけ、

国民の不満をそらす必要があったのかもしれない。

あるいは、
こんなに困っているのだから可哀想と、

国際的な援助機運が盛り上がるのを期待してのことかもしれない。

イロイロに、
想像させる北からのニュースですが、

丸々と太って、
栄養の足りてそうな、

最高指導者様とその取り巻き以外の、

大多数の北の人民たちが、

塗炭の苦しみにあえいでいると云う事だけは確かなようです。


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【塗炭(とたん)の苦しみ】

泥や火の中にいるような、ひどい苦しみ。

 


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