漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

欲しいけどイラナイ

2009年07月09日 | Weblog
きのうの続き。

1万円札が初めて発行されたのは、
昭和33年(1958)だそうだから、もう半世紀も前のことになる。

当時は、子供の小遣いとして、
10円ももらえたら大喜びした時代で、

私の生まれた山村では、
ようやく、十円と書いた緑色の紙幣を見かけなくなり、
周囲にギザギザのある10円銅貨が、当たり前になったころだろうか。

従って、当時の1万円札と云えば、
「大変な値打ち物で、誰もが貰うのを嫌う」と云う時代だった。

これを説明するに、

当時と今の貨幣価値は、
20倍以上は違ったろうと思うから、
当時の1万円札は、現在なら「20万円札」と云う事になる。

だから、
当時の1万円札発行とは、
今なら「20万円札が新発行される」ようなものと思えば良い。

財布の中に、
「万札が20枚」で超リッチな気分のはずが、
「新札1枚で財布がペラペラ」、

これでは値打ちが同じでも気分が違う。

それだけでも情けないのに、又、これを使おうとするとタイヘン、

当時は個人経営の店が多かったから、
八百屋へ行っても肉屋へ行っても、「つり銭がないので」と断られる。

なぜなら、これら個人商店の一日の売り上げが、
1万円か2万円と云う時代なのだから、

一日の売り上げに近いような高額紙幣を持ち込まれても、
つり銭への対応が追いついていないのだ。

「こんな物、持ってくる方が常識はずれ」と云わんばかりの対応をされる。

もちろん、喫茶店や蕎麦屋でもダメ、銭湯にも行けない。

おカネはあるのに、
物も喰えないし、風呂にも入れず、クサイクサイ。(笑)

それは冗談だが、
1万円札など貰うと、仕方ないから、わざわざ銀行へ行って両替すると云う時代。

ゆえに、
「大変な値打ち物で、誰もが貰うのを嫌った」と云う次第。





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