私の始めたデイサービス

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小規模多機能物語5

2006年10月04日 | 日本生活介護
(2)「小規模多機能型居宅介護」という新しい施設②-なぜ登録者制で定額制なのか

 「在宅生活を望む多くの要介護高齢者が、施設への入所を決断せざるを得ないという現実の背景には、在宅では365日・24時間の介護の安心を得ることが極めて困難である、という点が」ある。従って、「この課題を解決するためには、在宅に365日・24時間の安心を届けることのできる新しい在宅介護の仕組み」、つまり「本人(や家族)の状態の変化に応じて、様々な介護サービスが、切れ目なく、適時適切に在宅に届けられることが必要である」。「このためには、切れ目のないサービスを一体的・複合的に提供できる拠点(小規模・多機能サービス拠点)が必要となる。」
 「地域密着型の在宅サービスを実践する試みとして、宅老所と呼ばれる取組がある。宅老所には小規模多機能サービスを実践しているものも多くあり、それらの中には、医療サービスなど地域の他のサービス資源を活用しながらターミナルケアなど実践しているところもある」(以上「2015年の高齢者介護」より)
 宅老所の実践者にとっては、小規模多機能事業所は目の前のニーズに対応する形で在宅を支援する場であったが、厚生労働省にとっての小規模多機能事業所は施設ニーズを抑制するものとしての施設の代替物、言い換えれば「新たな施設」として構想されているのである。
 施設である以上、「一見さんお断り」のための「登録者制」(利用者の限定)、「定額制」などは当然の帰結であり、また乱立の結果質の確保が困難となったとされるグループホーム同様、細かい規制の対象となるのである。
(続く)