
映画グスコーブドリの伝記(2012年版)(ワーナーブラザーズ)
アニメ映画ということで、夏休み中のお子様達も見に来ていたのだけど、ちょっと子供には難しい内容だったかも。
元々 宮沢賢治 の自伝に近い物語と言われていることもあって、原作からして子供向きではないと思うので、ますむらひろし氏デザインのかわいらしい猫のキャラクターにだまされてはいけない。
初めの森のシーンはとにかく綺麗。
幸せなブドリや妹のネリや両親や学校や友人のシーンも昔の日本のよう。
しかし、冷害が始まると描写は直接的ではないものの、結構悲惨な話になっていく。
オブラートに包むつもりか、比喩や暗喩が多くてこれが又話を余計わかりにくくしている。
夢の中の話、と思うと現実の話だったり。
いきなりこの映画を見ては、大人の私にも解りにくい。
原作を読んでからの方が良いと思うが、又この原作も長くてつらい箇所も多いからじっくり読もうとすると疲れる…のは私だけ ?
それに原作と微妙に違うところもあるようで、私としては原作の通りに、生き別れた 可愛い妹のネリ との再会を果たしてあげて欲しかった。
時間的な余裕が無かったのだろうけれど、ちょっとでもね。
あとさ~、最後のシーン、ちょっとこれ、「鉄腕アトム 最終回」かい ?
流石手塚プロ制作、ってこれじゃいよいよ分けわかんない !
みんなの為に最後まで 残って、冷害を防ぎました…でいいんじゃないのかな~。
ブドリ役の声優 小栗 旬君なんだけど、うん、とかああ、とかばかりでまったく受身の役でした。
銀河鉄道の夜を中学の頃に映画館で見たけど、何だかわけわからないまま帰ったような記憶がある。去年あたり銀河鉄道の夜をCSでやっていて見たけどやっぱり分かんなかった。
子供に良かれと思い、セロ弾きゴーシュや注文の多い料理店を読んだけど、一回で分かる人は日本文学をどっぷりお勉強されている人だよね。
宮沢作品は原作でも作者の意志が読みとりにくいのに、少しでも変えたら余計混乱するよね。
子供にレンタル出たら見せようか悩んだけど、とりあえず止めとこう。カツゴンは手に取るまでは。
カツゴンにはまだ早いと思うね。
せめて中学生になってからの方が。
宮沢賢治は大人の童話(寓話)だよ。
アニメの出来はとても綺麗だけどね。
制作会社が途中から変わったりしていろいろあったようだから、そこら辺のゴタゴタも中途半端さに拍車がかかっているのかも。
最初ゆっくり叙情的、途中からパタパタッと終盤へ、と言う展開でした。