むすんで ひらいて

YouTubeの童話朗読と、旅。悲しみの養生。
ひっそり..はかなく..無意識に..あるものを掬っていたい。

おわりの ふわぁ~

2014年02月20日 | こころ
庭の梅の枝に、ひなあられのような紅白のつぼみが、プチプチふくらんでいる。
その下を、黒ねこが、のんのん歩いてく。 
でっぷりたくましい、ネコのおじさんといった風ぼう。
背中もお腹も、太陽をツヤツヤ照り返して、温かそう。

温かそうといったら、この間、雪道で見かけた電飾のスタンド看板「ラーメン」。
黄色いランプに縁どられ、同じ黄色の下地に、赤く「ラーメン」の文字が灯っている。

いつも目に入って、なんともなく通り過ぎてたのに、その日、白い夜道にぼわぁ~と浮き上がっていたら、思わず「どきん!」とした。
そこだけ、ほかほかして見えた。
立ち止まって、「あぁ、わたし今、看板に恋したわ。」と思った。

まだ暗くなりきる前、夕暮れに点き始めたばかりの街灯もハッとして好き。
なぜか、闇の中より明るく見える。


インドネシアの夕陽は、紅く熟れた柿のようで、海の向こうに見送るのも、ただただ見惚れてしまう素晴らしさだけれど、それを真っ向から浴びて帰宅する人びとの、大通りのバイクの列も、まるで日常が喝采されてるみたいで目に焼きついた。

同じ頃、陽ざしの和らいだ浜辺には、地元の人たちが集まってきて、ボールを蹴ったり、ビーチバレーをしたり、大人も子どもも水浴びして、焼きトウモロコシをかじったりした。
それも、日暮れにふさわしい光景だった。


ほのぼのにも、ハッとにも、しみじみにも、移ろう明りには、密かで安らかな、おわりのふわぁ~。が含まれている。






バリ島、ジンバランビーチを歩いて帰っていたら、後ろに立ち並ぶレストランから、魚を焼くけむりが上がり始めた。




                           かうんせりんぐ かふぇ さやん     http://さやん.com/


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