むすんで ひらいて

YouTubeの童話朗読と、旅。悲しみの養生。
ひっそり..はかなく..無意識に..あるものを掬っていたい。

その時、その場所で

2014年03月01日 | こころ
先日、友人がお砂糖を使わず甘酒の甘みでチーズケーキを作ってくれ、おいしさに感動したので、わたしも甘酒ブランデーケーキに挑戦しました。

タピオカも入れて、もっちり香ばしい、ヌガーのような新食感の焼き上がり

そういえば大学3年の夏、アメリカでホームステイしている間に、これにそっくりな食感の「フルーツバー」と出会い、やみつきのひと月半を過ごして帰ってきたら、4キロおおきくなっていました

そして一たび帰国をすると、もうれつにちくわが食べたくなって、ごはんとお味噌汁とちくわを毎日一週間くらい食べ続けました。
和食への反動。

お土産に抱えてきた、1ダース入りのフルーツバー2箱にも異変が起こりました。
トランクの中で輝かしいオーラを放っていたのを、キッチンの戸棚へ移した翌日。
ロス郊外にあったホームステイ先のキッチンの窓からは、よく、傾斜した芝生の庭とオレンジの木の下を駆け廻る犬たちを眺めたことを思い出しながら、うきうきと一本封を開けたところ。。。
なんともう、あのyummy!な魔法はすっかり解けて、子どもの頃に風邪を引くと、近くの病院で出された甘~いシロップみたいな、非日常の味に変わってしまっていたのです。

ホストマザーと作った、ケーキもクッキーもゼリーも、弾けそうな色合いと甘みに目の覚めるようで、これは帰って作ろう!と、意気込んでレシピをメモしたけれど、買ってきたゼラチンのきらびやかな赤に急にうろたえ、終わるのでした。

あぁ。場所が変わると、あっけなく感覚も変わってしまうんだぁ。
と、その夏、はかなさにおどろきました。

今は、甘酒やはちみつ、ドライフルーツの甘さで、バターの代わりにオリーブオイルで、やさしいお菓子を焼くのが日常にぴったりです。

それでも、またその場所の空気に触れたら、細胞の組織が組み替えられて、なにか思いもよらないものを好きになってしまいそうな気もします。



去年の夏、こんなに緑みどりだった、岐阜県の山のカフェ。
久しぶりに行ってみると、静かに雪に包まれ、暖炉の存在感が増していました。









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