比企の丘

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上野の森で②・・・芸術にひたる・・・ボルゲーゼ美術館展

2010-04-02 | 絵画、彫刻
久しぶりの上野の森、東京都立美術館に来ました。JR上野駅公園口からすぐに国立西洋美術館、その脇から国立博物館前の大噴水を横目で見ながら都立美術館へ。


・・・ボルゲーゼ美術館展・・・ローマの大富豪ボルゲーゼ家の主に15~16世紀(ルネサンス期)の美術コレクションです。
ボルゲーゼ家って?イタリア・ローマにある大富豪、ローマ教王パウルス五世を輩出した枢機卿の家柄、枢機卿って・・・ローマ教会の最高級位の神職者、???何でそんなに金持ち???
中世ヨーロッパは神職者が政治経済のすべてを独占的に握る特権階級の世界。彼らは芸術家のよきパトロン。ルネサンス期の芸術家たちの絵画をお買い上げ。そういうことがないと芸術家は食えないというのが現実でした。芸術家というより工房の職人みたいなものです。絵画のモチーフはギリシヤ神話、聖書に基づくものです。これにもわけがありますが省略。
パトロンによる芸術、聖書を素材にした絵画はルネサンスが進み、グーテンベルクの印刷機の発明、マルチン・ルターなどの宗教改革などにより違った方向に進み出しますが、その話も省略。

ラファエロ(ラファエルとも1483~1510年)の「一角獣を抱く貴婦人」・・・です。何となくダ・ヴィンチの「モナ・リザ」に構図が似てると思いませんか。同じ時代に生きた画家。接点はあったかどうかはわかりませんがラファエロはダ・ヴィンチの模作による勉強をしきりにしたといわれます。一角獣(ユニコーン)はギリシヤ神話に出てくる伝説獣。

左の絵は作者不明・・・ダ・ヴィンチの「レダ」の模写。ギリシア神話の主神ゼウスが白鳥に化身してアキレスの王の妻レダを誘惑するという不謹慎きわまるエロチックな題材は古今を通じて物語・絵画・彫刻などに多く使われている。愛の賛歌でしょうか。
右の絵はカラヴァッジョ(1571~1610年)の「洗礼者ヨハネ」。新約聖書のヨハネ伝でおなじみ。この絵は男らしくなく、女にしては肉感がない。不思議な(ホモ・セクシャル?)世界です。映画「カラヴァッジョ」(1986年)。「カラヴァッジョ天才画家の光と影」(2010年)が公開されている。
  
                                     
                                          (絵の写真は絵葉書から)

素晴らしい時間を過しました。神話や聖書から題材をとった絵画ですが、中世の画家たちの本音とも言える俗っぽい生命感が伝わってきます。


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