比企の丘

彩の国・・・比企丘陵・・・鳩山の里びと。
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都幾川に・・・聖牛を見た

2009-10-25 | 川と滝と湖と海と橋の風景
聖牛といってもガンジス川にいる聖なる牛のことでもなく、都幾川の中にいる牛のことです。
都幾川のこのへんに聖牛がいると聞いてやってきました。

ここは都幾川のの右岸。コンクリートで護岸された堤防の上。都幾川でコンクリートブロックで固めた堤防を見るのはこのへんだけでしょう。
のんびりと釣り糸を垂らしている釣り人がいます。
上流に向かって少し歩くと川原の草むらの中に聖牛がいました。聖牛との間に田んぼから流れ込む支流があるので近づけません。

日本伝統の河川治水工法の構築物。聖牛です。足下に蛇篭らしいものも見えます。

聖牛が二頭・・・実際は四頭います。

聖牛・・・大きな丸太を2組の丸太の合掌木に立てかけています。立てかけた先は上流に向けています。ふだんは冠水しないところに設置して増水したときその水流を弱める働きをするのが目的のようです。上流から大小の石が運ばれてきてぶつかるでしょうね。柔なものではだめです。
この仕組みは奈良時代のころからあったようですが16世紀中期の甲斐の戦国大名武田信玄が釜無川、笛吹川の治水に本格的に設置してそのご全国的に広まったようです。自然に優しい工法です。聖牛の回りにはやがて葦や荻が繁っていきます。

400年以上むかしの先人の考案した自然に優しい治水構築物。こんな原始的なものが最近まで設置され機能していたなんて信じられませんね。ここは緩勾配流ですが都幾川がほとんど直角に曲がるところ、それなりに水流が曲がり角にまともにぶつかります。コンクリートの堤防になって聖牛の役目は終ったようです。

木造構築物の歴史遺産にはならないかも知れませんが朽ち果てるまでおいてほしいですね。


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