比企の丘

彩の国・・・比企丘陵・・・鳩山の里びと。
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ネパール・・・ジョムソン街道・・・カリ・ガンダキの渓谷・・・MTB走行記

2017-02-06 | 道をゆく インド・ネパール
「彩の旅人」の旅したネパール紀行の写真をブログアップしてるうちに、以前、同級会誌の原稿としてふるさとの友だちに書いてもらったネパール旅行記をどうしてもこのブログで紹介したくなった。ジョムソン街道をMTBで旅した話です(2011年ごろか)。自転車一本やりの人で写真を残さない人なので写真は「彩風人」の写真を使いました。
その友だちはむかしの山友だち。今も1年二一回くらいは逢いたい友だちです。

MTBネパール走行記」      ○○ ○(飯田市在住)

山歩きが好きで昭和30年代には赤石山麓の大鹿村小渋川の最奥の広河原小屋の経営をしたが、昭和250年代に自転車をはじめ30年余になった。私にとって自転車は山と同じだ。勤務中は片道13㎞を毎日往復。
定年で時間から解放され、いまだ未貫通の千代・遠山間の千遠線を楽しんだ。標高440mのわが家から標高660mの登り口、、ここから1200m余の峠まで1時間足らず。たまに猿、ウリンボに遭遇したが怖いクマには遭わなかった。
昨年はネパールで5日間のMTBの旅を楽しんだ。ネパールの首都カトマンドウから小型機に乗り継いでネパール第二の都市ポカラへ。さらにアンナプルナ連峰の西北最奥、標高2750mのジョムソン空港へ。空港から高低差200mの山の中腹のホテルまでは大型農トラ牽引の客車だ。ホテルで朝食を済ませMTB走行に出発。
ガイドは旅行社の職員でプロライダーの27歳のスニール君。これから5日間は2人きり。彼は自国語と英語。私は20年くらい前は英語をよくやった。今はほとんど忘れてしまったが簡単な会話なら困ることはなかった。

1日目は雪をまとった美しいアンナプルナの山容を眺めながらジョムソンからカリ・ガンダキ(黒い川)の上流10㎞を往復した。川側はカリ・ガンダキの沖積の広い谷間だが両岸は20mの垂直岩壁、川は狭く急流が渦巻き凄い。道路は傾斜が少なく楽なのだが舗装などかけらもない。岩礫の河原の路はたまに行き交う大型トラックとバス、普通車のタイヤ跡で凹んでいるだけだ。腰の深さの支流を渡渉して転倒してずぶ濡れ。時には河原ではなく岩盤を削った道路もあるが尖った角礫で凄い。太いMTBタイヤだから平気だ。私の20年を超すMTBも頑丈さでは同じだが、それより乗り心地はよい。
小さな集落があった。急斜面に歩道があり小石を積み上げた家が並ぶ。窓はほとんどなく人の姿も見えない。スナックで軽食。人の良さそうな黄色人種。我々との会話は流暢な英語だ。人道だけだが上流にはまだ集落があるという。
  ※カリ・ガンダキ川の流紗が埋め尽くし広い沖積平野となった河原。

2日目は広い谷間から狭い谷間だ。ところどころで空を見上げると滝があり、その下流の小川を横切る。その多くは橋が無く車輪半分くらいの水深だ。時には転倒したが怪我はなかった。怪我といえば岩盤を刳りぬいた尖った角礫の下り坂で3m先に顔面から突っ込み岩にあたる直前二両手で顔面を庇うことができたが少し出血してスニールに手当てしてもらった。その夜はカリ・ガンダキの川族から280mばかり中腹に上がった200戸ばかりある集落のホテル。ここでは集落の小学校を訪れ先生方と簡単な英語で話を交わした。

※カリ・ガンダキ川に注ぐ支流、遠くにダウラギリ峰とアイスフォール。

3日目を川に沿って下った。昼食は谷あいにある民家。若い奥さんが赤ん坊のオシメを替えながら応対してくれた。日本人のような美しさを感じた。その夜は凄く貧弱なホテルだったが、私はそういうところは平気なタチで寝床にヘビやムカデがいなけければいい。

※カリ・ガンダキ川の川底から段丘を上がった山の中腹の集落。

4日目は省いて5日目。谷間が開けた。遠くにダウラギリ。近くにマチャプチャレの峰が天を衝く。ベニでMTBを降りる。走行標高差2600m、距離で120㎞の旅は終わった。日本では1日200㎞余は走るというのに。車でポカラに。カトマンドウを経て日本へ。


※天を衝くダウラギリ峰(8167m)。
ネパールは美しかった
ネパールは静かだった
ありがとうスニール君





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