murota 雑記ブログ

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近代史で日本が起こした戦争の経過を振り返って

2021年09月27日 | 通常メモ
 「福翁自伝」をみると、福沢諭吉は必死に習得したオランダ語が世界に通用する言語ではなかったことに気が付き、思い直して英語の習得を始めている。万延元年(1860年)、諭吉に渡米のチャンスがやってきた。日米修好通商条約の調印のため幕府が使節を派遣することになり、使節を護衛して咸臨丸の総督として渡米する副使の木村摂津守喜毅に頼みこむ。木村家の家臣たちが、無事に帰ってこれるかどうか分からないような米国など行きたがらなかったからだ。そして、諭吉は英語を母国語とする自由で平等の国を実地に見聞することになる。当時の日本にあっては、ワシントンとナポレオンは日本人が最も好んだ英雄の名前だったが、興味を持とうとしないアメリカ人に諭吉は大きな衝撃を受けた。そしてアメリカという平等社会の本質を見抜き、いずれ日本もそんな国にならなくてはと強く感じたようだ。 . . . 本文を読む

再び、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」に迫る。

2021年09月24日 | 通常メモ
 ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」、このドラマは15世紀か16世紀のセヴィリヤを舞台にしている。宗教裁判の炬火が日ごとに異教徒を焼き殺している時代、キリストらしき男が訪れる。セヴィリヤの民はそれがイエス・キリストの再来であると感じ、その教えに従う。その一部始終を見ていた背の高い90歳の老人(セヴィリヤの大審問官)が、毅然として「この者を捕らえよ」と命ずる。衛兵たちはキリストを捕縛し牢獄につなぐ。セヴィリヤの夜の獄房に、暗い影のように大審問官が訪れ、キリストを相手に話をする。最初に大審問官はじっと眼を見て「おまえがイエスか」と問う。イエスは黙って答えない。そこで「返事はしないでいい」と言う。 . . . 本文を読む

感染症の流行で思うこと。

2021年09月21日 | 通常メモ
 人類と感染症の歴史に転機が訪れたのは、18世紀以降のことだ。すなわち、1798年にイギリスの医師エドワード・ジェンナーが初めて天然痘のワクチンを開発し、人間の体内に前もって抗体ができれば感染しないということが分かってきた。そして19世紀になって細菌学者であるフランスのルイ・パスツールとドイツのロベルト・コッホによって、病原体の存在も明らかになり、この二人によって近代細菌学が確立されたといわれている。  これまでさまざまな感染症との戦いがあったが、顕著なのは次の二つの事例。一つは、中世ヨーロッパで大流行したペスト(黒死病)であり、当時のヨーロッパの2000万から3000万人もの人々が亡くなり、さらに、全世界にも広がって7500万人が亡くなったといわれている。二つ目は、天然痘、これは10年に一度くらいの頻度で流行を繰り返してきていたが、その死亡率は20%から50%といわれる。天然痘が日本で最初に大流行したのは奈良時代、735年に中国大陸との交流によって、大宰府(現在の福岡県)で広がり、2年後の737年に平城京(現在の奈良県)にも拡大し、大量の死者が出た。一方で、天然痘は人類が初めて根絶に成功した感染症でもあり、1980年にWHOは天然痘の根絶を世界に宣言している。 . . . 本文を読む