murota 雑記ブログ

私的なメモ記録のため、一般には非公開のブログ。
通常メモと歴史メモ以外にはパスワードが必要。

夏目漱石のこと

2021年12月02日 | 通常メモ
 漱石がなぜ小説を書くようになったかを振り返ってみると、彼が漢詩をやりたかった理由も想像できる。漱石は英文学の先生として文部省から最初にイギリスに派遣された人、帰国後は英文学の総大将になる立場だった。東大ではラフカディオ・ハーンがイギリス文学を教えていたが、その後を継ぐべき人として嘱望されていた。ところが、漱石はイギリスに留学してみると、自分の持っていた文学の概念とイギリスの文学の概念が全く違っていた。漱石が文学と思っていたのは左国史漢、つまり「春秋左氏伝」「国語」「史記」「漢書」といった全てシナの歴史書であった。歴史書が名文だったので当時の日本では文学として扱われていた。そのように上智大学の名誉教授だった故渡部昇一氏が述べていた。 . . . 本文を読む