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村人の気まぐれブログ

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笹狩り刃5

2014年02月02日 | 刈り払い機

笹狩り刃5回目は自分の頭の中にある事を整理しながら書いてみます。

笹狩り刃の先端角度はメーカー指定値が45~50度と成っておりますが
村人の笹狩り刃は60度。(ソーチェンで言う所の30度)

最初は笹狩り刃の目立てについて何も情報が無く、どの様に仕上げたら良いか悩んで
ソーチェンと一緒で良いのかな、と言う発想からヤスリホルダーを使い始め、
刃先の角度もソーチェンにならいました。



改めてヤスリホルダーを使うメリットを考えてみると、
フトコロの深さにかかわらず、先端に対するヤスリの位置が一定なので均等な仕上げが出来る。
現場では刃先を見なくても適当に力を入れてガシガシ動かすだけで修正ができる。
特に石に当てた時の修正が楽など。
(フトコロの深さ=カッターの高さ)


330の笹狩り刃の刃先は秒速32mのもスピードで動いています。
これだけの速度で動いている場合、狩り刃の慣性も大きいので、先端さえ刺さってしまえば
後は引きちぎられると思われます。
その為、笹狩り刃は刃先だけ刃が付いていれば良く、サイドカッター部の刃は
重要でないと考えます。
ただし、牧草の様な草ではサイドカッターが有効と思われます。


*参考までに計算式
刈り払い機ギヤヘッドの減速比はおよそ1.25~1.46位らしい。
ギヤヘッドの減速比を1.46と仮定して、エンジン回転が6000rpmの場合狩り刃は毎秒70回転位。
毎秒70回転X0.33mX1.4=秒速約32m(チェンソーの.325X7T 10000rpmの秒速約19mより遥に早い)
毎秒70回転X30枚刃=2100となり、カッターは毎秒2,100個も通過する計算。
狩り刃の直径が小さくなると周囲速度は遅くなり、10インチでは秒速25m位。


☆ヤスリホルダー

ヤスリホルダーについて、今までは何となく感覚で使ってきたので改めて実測。
スチールの4.8mm用ヤスリホルダーに6.3mmの丸ヤスリを付けている為突き出し量は
足りないと思っていたが、改めて計ってみると意外な結果。

スチールのヤスリホルダーは3.2mm用から5.5mm用まで5種類。
それぞれヤスリの太さに合わせて突き出し量が設定されているはず。
4.8mm用ヤスリホルダーの溝部分を実測してみると約1.3mm。
これは6.3mm丸ヤスリの1/5に近く、4.8mm丸ヤスリの1/5は0.96mm。

ヤスリホルダーはカッターとデプス両方に当てた状態で使うので使い方を考慮した作りと思われます。
ソーチェンの場合はカッター同士の先端を結んだ線上から1/5突き出すとされているので、
デプスに当てて傾いた状態でちょうど良くなる設計なのでしょう。

今まで、笹狩り刃ではホルダーの傾きを何となく感覚で調整しており、
刃先をフックにしたい時はホルダーを大きく傾けるという使いかたでした。
この辺りは使いこなしが必要かも。

☆笹狩り刃

新品の笹狩り刃の裏側に円を描いてみると7mm位がしっくり来るようです。
丸ヤスリ1本で目立てを行う場合は7~8mmと言うのが本来のサイズかな?



☆笹狩り刃の軌跡

笹狩り刃先端の軌跡。
笹狩り刃は、背の部分に逃げがある事で押しつけなくても先端が食い込んでいきます。
この状態ならササや草に触るだけで自然に食い込むので作業が楽です。


☆ダメージの大きな笹狩り刃

写真は地ごしらえ用なのでダメージが極端ですが、石のある現場では草刈りでも刃先が欠けます。
部分的に刃が飛んだ部分はしばらく目立てを行わないか応急的に4.8mmで小さい刃を付けるか。

☆現場での修正

笹狩り刃を石に当てた場合、現場での修正はこんな感じになるでしょう。
Aの場合、背の部分が刃先より高い位置にあるのでササは弾いてしまいます。
Bの場合、一見切れそうな気がしますが、背が軌跡のラインなので刃先が食い込まず
フトコロ部分に入り込んだ部分のみが切れる事になります。
この状態から、平ヤスリで少しだけ背の部分に逃げを作れば新品の様な切れ味に成るはずですが
雨中作業で平ヤスリをダメにすると高いので携行しない・・・


☆参考写真1

一見刃先が尖っているので切れそうですが、背の部分に逃げがないので対象がササの場合
刃先が食い込まず切れ味が悪いです。
元の切れ味を復活させるにはさらに矢印の部分まで削るか、平ヤスリで背落としが必要です。
とは言っても現場ではこんな物ですね。

☆参考写真2

参考写真1と同じ位のダメージの笹狩り刃の手作業での修正(家で)

まずは平ヤスリで背落とし

ヤスリホルダーに付けた丸ヤスリで刃先の目立て


さらにフトコロ部分の削り込み。
ホルダー付きでの目立てが無駄に見えるが、フトコロの深さはバラバラなので良いのです。
その時の気分により先にフトコロを削ってから刃先を作る事もあり。

仕上がった刃先を裏から見るとこんな感じ。
平ヤスリで落とした背の角度が緩くなっているのも分かります。

村人の場合、毎回新品の様に目立てを行うのは非現実的なので、手作業で数回
目立てを行った後、フトコロが深くなったらグラインダーで修正を行うの繰り返し。
見た目は美しくなくても、振動が出なくて切れれば良いのです。


笹狩り刃4

2014年01月31日 | 刈り払い機



笹狩り刃の4回目は使用中の物を紹介。

仕事ではどんな能書きより、その狩り刃が切れるかどうかが重要。
現場の状況や作業内容により目立ての方法も多様です。
理論は又先送りにしますが、此処からは実際に現場で使って居る笹狩り刃の紹介。

村人の現場は石の転がっている現場が多いので狩り刃が傷まない日は無く、
多い時は燃料補給の度に研ぎ直すこともある位。
ひどく石に当てた笹狩り刃はその場で研ぎ直しても切れ味が復活することはなく、無理して
頑張っても疲れるだけなので、可能な場合は作業の途中で交換と言う事も有ります。


☆草刈り用笹狩り刃

草刈り用の笹狩り刃ですが、村人の典型的な目立て。
草刈りのシーズンから時間がたっているので錆びていますがこんな感じ。

話が前後しますが、手で研ぐ前の作業工程





☆真円度の目安

毎回やる必要は無いのですが、グラインダーで研ぐ前に真円度の目安となる円を描きます。
村人はこの円を目安にフトコロの一番深い所を決めます。
狩り刃の振動についてはさほど神経質でないので完璧なバランスは求めません。
写真1・2は参考写真ですが、矢印の所が特に深く全体的にフトコロの谷間がばらけています。
写真3が実際に修正を行わなくては成らない狩り刃

☆グラインダー

目印の円を描いたらグラインダー作業

1:数回丸ヤスリで目立てを行うとこんな感じになります。
2:円を基準にベンチグラインダーでフトコロ部分を削る。
3:ディスクグラインダーで背落としを行う前
  丸ヤスリで目立てを行う度に平ヤスリで背落としをするので、
  1・2・3の写真では背落としをした部分の角度が違うのが分かります。
4:ディスクグラインダーで刃先と谷底部分を結んだ直線を大まかに削る。
  この後手仕上げの行程に入ります。



☆地ごしらえ用

地ごしらえ用の笹狩り刃はグラインダーで刃先を作ってアサリ出しをしただけ。
こんな状態でもちゃんと仕上げた笹狩り刃と変わらない位。
使って見れば笹に触るだけでパラパラッと刈れちゃうんです。



この笹狩り刃はヤスリホルダー付きの丸ヤスリで軽く先端だけ仕上げてあります。

こちらでは、こんな地ごしらえの現場も有ります。(写真は周囲狩り後)
身長を超える笹がビッチリで、中に入ると周りが見えなくなる様な所を刈って苗木が
植えられる様にします。
仕上げで狩り刃を地面に突っ込むので、石があると狩り刃はただの円盤みたいに成る事も。


☆アサリ

写真は2-2用のアサリ出し。(と言われても分からないですね)
下草刈りの作業には2回刈りの場合も有ります。
1回目は冬の間に倒れた木や枝を切ることがあるのでしっかりアサリ出しをした方が
良い現場も有りますが、一回目で処理をして有れば2回目は枝等を切る事が少ないので
村人は上だけアサリ出しをします。
この程度のアサリ出しでは細い枝は切れても太い物を切るのは大変。

植え付け直後の草刈り現場は地面すれすれに草を刈るので、石に当てるリスクを少なくする為
下側のアサリは出したくないんです。


手作業!




村人が狩り刃を立てた状態で扱うのは常に刃先を確認しながら目立てを行う為。
さらに、平ヤスリで背落としをするのに都合がよいから。
狩り刃の台を回転台に乗せることでいつでも好みの角度で作業が出来ます。
ただし、狩り刃が動くので左手でしっかりと押さえる必要有り。

☆手袋

狩り刃を押さえる左手に革手袋は必須アイテム
研ぎ終えた刃先は鋭いので厚手の皮でも穴が空きます。

さて、今日はここまで!


笹狩り刃3

2014年01月29日 | 刈り払い機

笹狩り刃についての3回目、今回は新品の笹狩り刃について。
理論については又後ほど!

うちにはツムラの2種類のパッケージが有りますがどちらも同じ様な物。
そのパッケージの裏には取扱説明書みたいな記述があります。
今まで読んだ事はありませんので改めて確認。

☆目立て直しの注意事項。

上の説明が笹狩り刃の目立て。
45~50度と言うのは狩り歯先端の角度と言う事で、
チェンソーで言う所の40~45度と言う事に成ります。


☆注意事項

どちらも内容は同じでオレンジの方には項目5が無いだけ。


☆実測

写真の様な測定器で横刃の角度を実測すると48度位
当然ですが、メーカーの指定値45~50度の範囲内に治まっています。

☆新品

新品の狩り刃は刃先が鋭利な様に見えてそうでも無い。
チェンソーの上刃に当たる部分はあまり良い状態とは言えません。
草地の場合はそのままでも使えるが、笹地では刃先の修正研磨をするしないで差が出ます。
笹狩り刃を間伐に使う場合はアサリ出しの後必ず研ぎ直しが必要です。
写真の上は新品にアサリを出しただけ。下は刃先の修正研磨後。
アサリ出しをすると背が傾くので平ヤスリで背落としを行います。

間伐で笹狩り刃を使う時は新品でこの様に目立てをした物を用意します。

こちらの写真はアサリ出しをしていない新品で刃先の状態が分かりやすいでしょう。
写真上の狩り刃は刃先が下なので写真下とは逆方向ですが、背の部分がプレスで打ち抜いた
ままの状態である事が分かります。

☆ヤスリホルダー

笹狩り刃にヤスリホルダーを使う方は他にいないかも知れませんが、村人は使うんです。
理由は複数有るので後ほど!


☆アサリ出し

アサリ出しは角を丸めたレール上でこの位の角度で行います。
レールに角がある状態で新品の狩り刃のアサリ出しをすると新品の刃先は固いので
折れる事があります。
それから、鉄のハンマーで狩り刃を叩くと刃先が潰れるので村人は銅ハンマーを使います。
狩り刃を押さえる左手には必ず革手袋を着用。



☆鋸袋

目立てをした笹狩り刃は危険なので鋸袋に入れて携行。
地ごしらえは作業中に狩り刃の交換も有るので、現場の分かりやすい所へ放置。
長く使って居ると狩り刃の先が当たって裏側に穴が空きます。
チャックは使って居ると動きが悪くなるので定期的にCRC。


振動病について考えてみる

2014年01月26日 | 刈り払い機

此処では村人個人の場合と言う事で話を進めていき、他の方の環境では
当てはまらない事も有るかも知れませんが悪しからず。

振動病とは白蝋病という血行不良による障害ですが、症状についての詳しい事は
ネットなどで調べていただいて、ここでは一般的な知識とは別角度から。

エンジン付きの林業機械について、ハードウエアの振動防止技術や作業時間については
良く語られますが、それら機械の扱いについて語られる事は無い様に思われます。
振動病については機械の振動ばかりが語られますが、手の局所的な圧迫についてもっと
考えるべきだと思っております。

チェンソー作業では1回に切っている時間が短く、しかも頻繁に持ち替えがあるので
圧迫が長時間1カ所に集中する事はありません。
それより、振動病についてあまり語られない刈り払い機をもっと気にするべきと思っております。
刈り払い機では同じ状態で長時間作業を行い、連続使用時間10分以内が守られる筈もありません。


手の大きい方なら問題無いのかも知れませんが、村人は手が小さい為、親指の第一関節内側を
気にしながら作業を行います。
村人の刈り払い機はすべて両手ハンドル(Uハンドル)で、他の機種については語れません。



☆ハンドル

村人の刈り払い機は両手ハンドルとトリガー式スロットル。
最初からこのタイプしか使ったことが無いので、どんな現場でもこれだけ。
写真のスロットルは国内仕様ではなく、手元にキルスイッチのある輸出仕様に交換。
スチールのOEMモデルにも同じ物が有るそうな。

☆グリップの握り方

グリップはしっかり握ってと言われますが、親指をしっかり握りしめると第一関節の部分が
圧迫されるので、長時間この状態が続くと血行不良を起こします。
その為親指は握りしめない様意識しております。
親指を握りすぎない様意識するのが大切。

☆スロットルワーク

刈り払い機のスロットルワークについて。
当然の事ですが、人差し指はスロットルレバーにかけているのでハンドルを握るのは残りの3本指。
昔、遊びでトライアルバイクに乗っていた事があるのですが、その時のグリップの握り方がこの形。
人差し指は常にクラッチやブレーキに掛けているスタイルでした。

刈り払い機をどんなに激しく振ってもアクセル操作が乱れる事はなく常に一定回転を維持。
草が濃くなり回転が落ちると微妙にアクセルを開けると言う事が当たり前に行えます。
固定スロットルはキックバック時に怖いのと、作業中常に微妙なアクセルワークが行えないので
使いません。その辺は人それそれか!

☆左手

本来は親指もきちんと握れと言われるかも知れませんが、左手も同様に
親指の圧迫が気になるのでこんな握り方。
これで、どんなに激しいキックバックが起こっても手が外れる事はありません。

あくまでも安全が確保出来るならと言う前提で、たとえ教科書通りな方法でなくても
問題は無いでしょう。これも私の振動病対策です。

写真ではグローブを付けて居ませんが、作業中は必ずグローブはしております。
ただし、防振手袋は暑いので皮1枚の手袋ですが。


笹狩り刃2

2014年01月25日 | 刈り払い機

笹狩り刃の目立てについてはチェンソーの様な教科書的説明が無く、
皆さんも試行錯誤で行っている事と思います。
村人も例外ではなく、他の方とやり方が違っても人それぞれ。

狩り歯のダメージは現場により様々で、石の多い現場ではダメージも大きく、
刃先が欠けてしまう事もあるので目立ての進み具合はバラバラ。
そんな狩り歯は市販の狩り刃研磨機での目立てが修正が困難なので使えません。
村人は狩り刃の振動について神経質な方ではないので、目立てもかなりアバウトで、
スピード重視な作業方法で行っております。

とりあえず今日は、笹狩り刃の目立てを行う道具の紹介だけ。
目立ての実戦や理論についてはまた後日。

笹狩りはの各部について正しい名称を知らないので
村人はすくい面の部分を「フトコロ」、背中の直線部分を「背」と呼んでおります。

☆ヤスリ

目立てに使うヤスリは状態に合わせて丸ヤスリ三種類と平ヤスリ

平ヤスリは日東の製材仕上用300mmという単目ヤスリ。
笹狩り刃の背落とし用で、家での目立て時だけ使います。

丸ヤスリは6.3mm・5.5mm・4.8mmの三種類に柄だけ付けた物と
チェンソー用のヤスリホルダー付きを使い分けます。
通常は7mm以上の太い丸ヤスリを使う方が多い様です。

写真左の自作の柄が付いている物は腰袋に入れている現場用で、
市販の柄では長くなりすぎて、ヤスリが腰袋から飛び出す為の対策。
現場では狩り刃のダメージに合わせてホルダー無し・ホルダー付きを使い分けます。

☆グラインダー作業室

グラインダー作業は別室で行います。

1:東芝刃物研ぎグラインダー
2:日立ディスクグラインダG10VH(無段階変速)
3:イヤマフ代わりのヘッドフォン(音楽を聴きながらの作業)
4:作業灯
5:回転台(ディスクグラインダー用)

回転台はダイソーの100円商品で、縁が少し下がっているのでスポンジを貼り付け、
中心に位置決めのワッシャーを接着してあります。
正確なサイズは不明ですが、穴径8mm/外径25mm位のワッシャーで狩り刃の穴径とぴったりな物が有り、
ロットによって入らない場合もバリをヤスリで落とせば入るはず。

グラインダーには両方刃物研ぎ用砥石が付いていますが通常使うのは左だけ。


ディスクグラインダーには粒度36の刃物研ぎ用砥石を付け低速で使用

☆真円度の修正

鋸刃の真円度はグラインダー研ぎの度に確認。
センター出しのワッシャーを貼り付けた木の板と特製?コンパスを使用。



最初にグラインダー研ぎで裏側になる右回転でぐるっと円を描き、一番低い所を見つけたら
反対の面に正式な円を書き直します。

☆手研ぎ用の台

村人は笹狩り刃を手で研ぐ時、この様な台に立てて行います。
その辺から拾ってきた伐根にチェンソーで溝を掘っただけの物で回転台に乗せて使用。


伐根の溝はこの様に掘ってあり、若干奥が深いので手を離しても転がり出る事がない。



☆アサリ出し

アサリ出しは定番の鉄道レール
鉄ハンマーは刃先が潰れるのがいやでで銅ハンマーを愛用。

かなり重たいにもかかわらずアサリ出しで叩くとレールが動き回るので
作業台代わりの玉切りした木に固定。

 


笹狩り刃1

2014年01月23日 | 刈り払い機

先送りになっていた笹狩り刃について、いつまでたっても始まらないので、
気が向いた所から数回に分けてアップして行きしょう。

作業に使う狩り刃は、地域によって様々かと思いますが村人は笹狩り刃しか使わず、
使う笹狩り刃は以下の4種類。

1:穴無し12インチ30枚刃
2:穴あき13インチ30枚刃
3:穴あき13インチ20枚刃
4:穴あき14インチ30枚刃


☆笹狩り刃

これらの狩り刃は作業内容によって使い分けをして、さらに新品と使い込んで
チビッタ狩り刃の使い分けもあります。

☆使い込んだ笹狩り刃

使い込んで小さくなった狩り刃は回転質量が小さくなるので振るのは楽ですが、
ちょっとした負荷で回転が落ちるのが弱点。

笹狩り刃は目立てを繰り返すと、こんなに小さくなるまで使えます。
目立てはフリーハンドなので定期的な真円度の修正が必要。


*狩り刃の金属疲労

笹狩り刃に限りませんが、狩り歯は使い込んでいくと抜ける事があります。
写真はまだ認識が甘かった頃の物で、幸い作業中に抜ける事は無かったですが、
抜ければ何処かに飛んでいき事故に成りかねない状態。

金属疲労の亀裂には個人差があり、私の個人的な考えでは狩り刃を左下がりの状態で振り
草を寄せる動作が原因と思っています。
この時狩り刃がたわんで金属疲労の原因となると考えます。
と言っても、現場の状況次第で草を寄せる動作は必要になるのでしかたのない事です。

亀裂の状態は汚れていると分からないので、スクレッパーで汚れを落として
さらに気になったら紙ヤスリで磨いて確認。

☆部分的な亀裂

亀裂は何処か一部から成長を始めます。

☆一周亀裂が入った狩り刃

もういつ抜けてもおかしくない状態!

☆亀裂を叩いてみる

一周亀裂の入った物は叩くとこの様にスッポリ抜けます。
抜けた狩り刃が人に当たれば死亡事故にも成りかねないので恐ろしい状態です。

そんな事を学んで、今は金属疲労のチェックをまめに行う様になりました。


他に、もし狩り刃の押さえボルトが折れるともれなく狩り刃が飛んでいくので怖いです。
ネジを締める適正トルクが分かっていなくて締めすぎるとボルトが伸びで破断する事もあり得ます。

プロの自動車整備士でも普段トルクレンチを使っていないとネジを締めすぎる傾向にあります。
機械整備なんてしないユーザーなら尚更のこと。
狩り刃の押さえボルトについても十分な点検をして、ボルトの頭付近に伸びが認められた時は
すぐに交換しましょう。


新ダイワRM45-2

2014年01月14日 | 刈り払い機

昨日は最高気温が-10℃と寒い1日でした。

昨年の今日は東京でも大雪が降り大変な1日だったそうな。
村人は東京出身ですが、仕事場までバイクで行ったら帰りに20Cmの積雪になり、
上り坂ではナナハンを押して登るという大変な思いをした事がありました。
中学の時には近所の坂道でスキーをしたりと、東京に雪が降るのはたまにある事なので
そんな時は車には乗らないとか、出来れば外出もしないのが良策。


さて、今日はちょっと古い写真から刈り払い機ネタ。

もう10年も前の話ですが使い始めから2シーズン目のRM45のエンジンから異音が・・・
よくよく調べてみるとピストンのピストンピンが入る穴が広がって長穴になっているという
あり得ない原因。


その頃は何も考えないで修理して、もうパーツは残っていないので穴が広がった原因は不明。
写真だけ見るとピストンピンの外側まで穴が楕円に見えるけれど、まさか最初から
穴が楕円だったなんてあり得ないし、何だったんだろうか。

新ダイワの古い機械はとても作りが良く、本当にお金が掛かっている。
今時の機械のようにコストダウン優先の設計ではないのが素晴らしいけど、
最新機種はどうなんだろうか。


BC4410シーズンオフ整備

2013年12月11日 | 刈り払い機



今日はBC4410のシーズンオフ整備。
まずはギヤヘッドとハンドル周り及びシャフトをバラバラに!



☆ハンドル

レフトハンドルは2回折っており、次に折れると現場で応急処置が出来なくなる為今回は交換します。
写真の古いハンドルはパイプ内に別のパイプを入れているのは応急的補強処置。
ハンドルパイプの内径が13mmなので外径13mmの鉄パイプがピッタリ入ります。

☆アブソーバー

ハンドルブラケットの防振ゴムをアブソーバーと言います。
村人のBC4410は作業内容がハードな為良くちぎれるので要点検箇所。
本体重量が重くハンドルへの負荷が大きいので定期交換は仕方ないです。
このアブソーバーはまだ使える状態ですが切れ始めているので今回は交換します。

☆ギヤヘッド

ギヤヘッドのグリースアップはグリースポンプを使うのでグリスニップルを付けます。
通常はドライブシャフトに付けた状態でグリースアップを行いますが、
今回は見せたい部分が有るので外した状態で行いました。



☆ギヤヘッドグリース

このギヤヘッドにはグリースの注入口だけが付いており、鋸歯を押さえるホルダーを
外してからグリースを注入するとこの部分にグリースが出て来ます。
はみ出したグリースを綺麗に取り除いてから元に戻します。

注入口の反対側に排出口のあるタイプは排出口のボルトを外さないと鋸歯側にグリースは
出てこないので要注意。
排出口付きは外側にシールが入っているベアリングなので整備方法が違います。

ちなみに、村人のグリースアップの頻度は週一回グリースが少し出てくる所まで補充程度。
綺麗なグリースが出てくるまでと言われる事もありますが、村人はモリブデングリースを
使うので元の色が黒く、現状でどれ位汚れているか定かでは有りません。
グリースの補充頻度が多いので通常とやり方が違うかも。

☆ドライブシャフト側

ギヤヘッドのグリースは使っているうちに減るのですが、行き先はシャフト内。
ギヤとドライブシャフトの、隙間を通ってパイプ内に漏れ出します。
ギヤヘッドはかなり温度が上がるので、グリースや空気の膨張収縮で漏れ出すと思われます。
ドライブシャフトの穴は貫通しているので、ドライブシャフトを外した状態でグリースを
注入するとこの様にグリースが出て来ます。


☆パイプ内

パイプ内に漏れ出たグリースは1シーズンでこんな感じになりますので、
毎年のシーズンオフ整備で綺麗に除去します。

☆ボルト

ギヤヘッドのメンテナンスと合わせてボルトのネジ山もワイヤーブラシで綺麗にお掃除。
このネジ山に汚れが溜まると着脱時にボルトがスムーズに回らなく成ります。

☆位置決め穴

パイプ先端のギヤヘッドの位置決め穴がだいぶ広がっています。
ギヤケースはしっかり締めてあっても使用中に動く様で、位置決めのボルトが無かったら
使用中に回転してしまうのでしょう。


写真を取り忘れましたがドライブシャフトの曲がりも点検して、錆び落としもしました。
此処まで作業が終わったら一旦パイプ周りを組み立て。
ドライブシャフトのクラッチ側スプラインは潤滑の為グリースを塗布しておきます。


パイプ周りが終わったら次はエンジン本体の点検整備。



☆クラッチ

次の作業はクラッチ回りの点検
クラッチ回りは8月のシーズン始めににオーバーホールをしるが、今回開けてみたら
やはりボルトに錆が出ています。
シューはまだ十分残っているので綺麗に錆び落としをして組み立てます。

☆カッパーグリース

前回の潤滑剤はテフロン系だった筈なので今回はカッパーグリスを試してみる。
通常の市販品ではないTRUST製。

☆インシュレーター

キャブレターインシュレーターのボルトが緩む事例が有ったので益し締め。
一見弛みは無い様に見えるが、締めてみると少し締まる。

☆シリンダー周り

シリンダーフィンのゴミを掃除したら全体の組み立て。


☆スロットルケーブル

特に損傷がある訳ではないが、スロットルケーブルも交換。
通常の整備ではルブリケーターを使ってCRCを注入するのだが、今回はなんとなく
5W40のエンジンオイルを注入。
エンジンオイルはルブリケーターで注入する事は出来ないので使い捨て手袋の指先を
輪ゴムで縛って天井からつるして放置。



☆エアフィルター

エアフィルターも大分くたびれているので交換

☆シャフトのパッド

シャフトにパッドが付いていないのでダイソーで買ってきた断熱材を付けて見ました。
薄っぺらなので気休め程度です。

☆交換部品

今回の交換部品はレフトハンドル・アブソーバー・スロットルケーブル・エアフィルターの4点。
交換しなくても良い部品も交換していますが、安心して気分よく仕事をする為に常に

これで来シーズンも安心して使う事が出来ます。

 


BC2711エンジン焼き付き

2013年11月07日 | 刈り払い機

村人は25年程自動車整備士をやっておりましたが、車は4サイクルエンジンばかりで
2サイクルエンジンについての知識は乏しい事をあらかじめお断りしておきます。


9月の中旬BC2711の仕事の最終日にエンジンが焼き付きをおこした模様。
仕事中はアイドリングも安定しており不調は感じませんでした。
焼き付きが発覚したのは、シーズンオフの清掃と整備を行った時。

最終日の作業はBC4410を使いたい程の、10年位放置されていたと思われる林道の道路刈り。
笹がビッチリの状態で、長時間エンジン全開運転をしたのが原因と思われます。
通常の草刈りだけなら全開運転はごくわずかなので焼き付きなどおこす事は無かったと思っております。

参考までにその時のエンジンセッティングの状況。
混合オイル:小分け容器の容量の都合でハスクLSを55:1で使用
キャブセッティングはHがメーカー指定値のminより1/8位薄め





☆プラグの穴から排気ポートを覗く

使っている時には分からない位の軽微な状態ですが、プラグの穴から
排気ポート周辺を覗くとポート上部にかじった痕跡があります。
マフラーを外してピストンを見ると、トップリングの上だけかじった痕跡有り。
そこで早速エンジンをバラして見ました。




☆ピストン

ポートから覗いたとおり、ピストンは排気側のトップリング上部だけ軽い焼き付きを
おこしています。吸気側もトップリング上部はツルツルだけど問題なし。

2サイクルエンジンの知識はないと言う前提で、話半分と思って欲しいのですが、
ピストンに入っているスジはラビリンスと言い、このスジがある事で若干でもオイルが
保持されて潤滑に役立っているのかと思います。
エンジンが動いている時にピストンが首振りをおこしてトップリング上部がシリンダーと
強く擦れてツルツルになったと想像します。
吸気側は常に混合気と接触しているので潤滑不足には成らないが排気側は高温の排気ガスが
もろに当たるのでトップリング上部の油膜は無くなってしまうのでしょう。


☆ピストンピン周り

ピストンを外してみるとピストンピンが紫色に焼けており、コンロッド小端部も焼けて
変色しておりました。
写真ではピストンピンの色が分かりづらいですが、明らかに潤滑不足で高温になった模様。
もうちょっとで大事になる所でしたがニードルベアリングはよく頑張ってくれました。




☆カーボンの堆積

このエンジンはゼノア40:1では白っぽく固いカーボンが堆積しました。
その後ゼノア50:1に変えたら黒くて柔ら無いカーボンが堆積しました。
そのカーボンは柔らかいので簡単に削り取る事が出来、掃除は楽でした。
昨シーズン残りのゼノア50:1・20リットルを使い切った後はハスクLSに変更
ハスクにしてから初めてエンジンをバラしましたがハスクLSの清浄性はとても良いと思いました。


エンジンをばらすとピストンの排気ポート側側面や掃気ポートが茶色く汚れています。
ピストンの排気側は常に排気ガスにさらされており、マフラーからの背圧の影響で排気ガスが
ピストン側面から掃気ポートまで入り込むので排気ガスの汚れが付いてしまうのでしょう。
これはしかたのない事です。

☆灯油で洗浄後

灯油で洗浄しただけでカーボン掃除はしていないシリンダヘッドにカーボンの堆積は
とても少ないです。
ゼノア50:1で堆積したカーボンはハスクLSの清浄作用で綺麗になったのでしょう。
ヘッドの6個の白っぽい丸はシリンダーにメッキをする時に付いた物と思われます。

☆ピストンの裏

同様に灯油洗浄しただけのピストン裏側も混合気が沢山当たったと思われる所はピカピカです。


エンジンのオーバーホール作業の大半はエンジンをバラす前に出来る限り汚れを落としたり、
その後の部品洗浄に費やされます。
後は部品さえそろっていれば1時間も有ればエンジンは組み上がります。

☆テルモの注射器

エンジン組み立て時にはシリンダー及びピストンやピストンリングには混合オイルを生で薄く塗布。
クランクベアリングやコンロッドのベアリングは奥なので注射器を使ってオイルを注入します。
注射器は以前、仕事でアクリル加工をするのに東急ハンズで購入した物。
接着剤として塩化メチレン(ジクロロメタン)を扱っていたのですが、
すぐにピストンのゴムが溶ける事もなく耐油性は良いみたいです。
耐油性が心配ならガラス製の注射器が良いでしょう。(この辺りはいつも通り自己責任です)

さて、せっかくエンジンをオーバーホールしたのだから、ついでにキャブレター周りも
オーバーホール。

☆燃料フィルター

村人が3年間使うと燃料フィルターはこんな感じ。
フィルター機能はまったく問題有りませんが、燃料タンクの中で転げ回るので
アルミ部分が減ってしまいます。高い物では無いのでついでに交換。

☆ガスケット

キャブレターのメータリングダイヤフラムとポンプダイヤフラムも交換したのですが、
以前予備としてストックしておいた部品のガスケットが一枚違っていて急遽手配。
エンジンの試運転は後日となりましたが無事にオーバーホール完了。

エンジンは新車状態に近いのでキャブレターセッティングは一旦ノーマルに。
少し使ってから規定値の範囲内で絞っていきます。



☆ついでにプラグの写真

プラグは1~2シーズンで交換します。
1シーズン500時間位使いますが電極の消耗は軽微です。
スチールは100時間毎にプラグ交換の指定しされていますが、良質の混合燃料を使って居れば
そんな短時間にダメになる物ではありません。
ゼノアのプラグギャップの指定は0.6~0.7mmとされていますが、始動時にスターターを引いた時の
スピードが低い為、村人は刈り払い機の場合0.5mm程度にしています。


今回の焼き付きを教訓に混合オイルは薄くならない方向でキッチリと管理。
ミクスチャもよりパワーを求めて薄くしすぎない様規定値の範囲から大きく
逸脱しない様にします。


部品の請求書を見たら、2711のピストンやシリンダーはけっこう安くて、
これ位なら3年に1回位交換になっても良いかなと言う程度の金額。
しかし、チェンソーのピストン・シリンダーはそこそこの値段になるらしいです。
(部品の価格は業販価格と一般価格で変わるかも知れないので書けません、悪しからず)

今回は道具に無頓着な人ならそのまま使い続けても気がつかない程度。
しかし、仕事の道具はケチってはいけません。
いつでも完全な状態を維持しないと現場で無駄な時間を過ごす事になります。


プラグキャップ交換

2013年10月06日 | 刈り払い機

BC4410のプラグキャップを交換しました。

先週の仕事で刈り払い機を振り上げた時、プラグキャップが背中に当たりビビッと来たので
プラグキャップから電気がリークして感電した物と思われます。

プラグキャップとコードの間にCRCをシュッと一吹きするとキャップは簡単に外れますので
自分で交換する時は無理をしないで下さい。



☆古いプラグキャップ

BC4410等プラグキャップがむき出しの機種は長年使い込まれて来るとボロボロになります。
2枚目の写真の傷が一番怪しいですが、リークテストでここから火が飛ぶ事は無かったです。
3枚目の写真もキャップのゴムが凹む程擦れて損傷しております。

☆ベンツのプラグコード

これはベンツのプラグコードですが、このタイプのプラグキャップは一見何でも無い様に見えても
ピンホールが出来てプラグをカバーする金属部分にリークする事が珍しくなかったです。
プラグに火花が飛ぶ程の高電圧ではコロナ放電が原因でゴムが劣化してピンホールが出来る様です。
昔の話ですが、有る軽自動車のセンターコードがラジエターのアッパーホースと一緒に固定されており、
そこで発生したコロナ放電が原因でラジエターホースに穴が開くという事例が有り、対策として
ホースとコードを離した状態で固定出来るパーツが作られました。