村人の気まぐれブログ

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新人さんとか

2014年07月15日 | 林業その他

今日は新人さんについて語ってみます。
これから書くことは私が体験したり見てきたことだけなので、他の職場では状況が違うかもしれません。

私が働いていた会社では新人さんも即現場投入で、仕事は現場でやりながら憶える
というやり方でした。
親方は新人教育に時間を割くと作業が進まないので、自分の仕事をしながら
新人の仕事も教えるという事になります。

新人さんの仕事が遅いのは仕方ないのですが、全員が離れて入る仕事では
迷子になってしまう人もいます。
間伐とも成ると大きな木に囲まれているので自分が何処にいるか分からなくなり、
お昼になっても車に戻らないので捜索隊が出動なんていう事も有りました。

下草刈りの時にも新人さんは迷子になって、孫畝(まごうね)なんかに
当たってしまうと、どちらへ動いたらよいのか分からなく成ります。
状況によっては孫畝の存在に気がつかず刈り残してしまう事もチョイチョイと。

新人さんが孫畝を飛ばしたり変な動きをした時に、頭ごなしに怒るだけで
具体的なアドバイスが出来ない先輩がいます。
「孫畝を刈り残してどうするんだ、刈り残したらあとは誰も刈ってくれないんだぞ」と言うだけ。
怒られるのは仕方ないとしても、それじゃどの様に動くべきだったから教えないと
新人さんは萎縮するだけです。

造林地の地形は千差万別で、どんな時でも自分の動きを判断できる様になるまでは
最低でも5年以上の経験が必要と思われます。
かくいう村人が状況判断において一人前という自覚を持てる様になったのは8年目位かも。
特に間伐の現場では周りが見通せないので図面があっても自分が何処にいるのか把握できない。

村人はダイビングや天文の世界で色々と指導経験があり、天文台や
プラネタリウムでの解説経験も有るので教えるという事は慣れています。
地元の小学校では友人の依頼で天文授業(単発)も行った事があります。

初心者に対する指導経験がない先輩は、新人さんがミスをした時に
いきなり頭ごなしに怒るだけじゃ何の進歩も有りません。
何にを見逃したので何処に気をつけて、と言う様に具体的な指導をしてあげて下さい。

村人が新人さんに言う事は、今やっている仕事は将来材となる樹を育てる為の一工程。
「目の前の作業だけを見るんじゃなくて将来の事を考えて作業をしなさい」と言います。


しかし、林業の世界は一日苗木を何本植えたとか、一日どれだけの面積の草を刈ったとか、
目の前の作業をどれだけこなしたかしか評価されません。
どんなに丁寧で良い仕事をしても、いい加減で早い仕事をする人間が高い給料をもらうのです。
村人は植え付けできちんと穴を掘ってなるべく根が伸びる様に植えます。
丁寧な作業は当然時間がかかり一日の植え付け本数もはかどりません。
対して、沢山植える人間は地面を斜めにちょこっと掘って根本を踏んづけて
一見植わっている様に見せるだけ。苗木はちょっと触っただけで倒れます。
秋植えの場合は冬の積雪で苗木が倒れ、根っこがそっくり出ている場合もあります。

それでも沢山植えるので沢山給料をもらえるという理不尽さ。
そんな事が分かっていても手抜きの仕事が出来なかったのは性格的な物でしょう。
村人は体力的にも暑さに弱く、体力も無かったのでその面でも適正は無かったと思います。

村人が居た職場では生真面目な人間より、何を言われてもへっちゃらで、人の話を聞き流せる
いい加減な性格と、夏の炎天下でもへこたれない体力を持っている人が適していたようです。


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1 コメント

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充電 (フクロウ)
2014-07-20 23:53:19
これまで真面目に、お仕事されて来て
ある意味燃え尽きた様な状態が、あると思います。
自分は退職後は1年位は、なんとも言えない虚脱感ありました。
また何かやろうとする風が自然に吹くときがあります。
それまでは充電期間だと思いマイペースで良いと思います。今は自分で用事を見つけては、やりたいことや今まで出来なかった事などしてます。時間が毎日早く過ぎていきます。どんな仕事も組織やチームでする場合いろんな考えや性格の方たちの集まりなのでストレスありました。気にしないのが1番ですが、なかなか難しですね 合わない人は無視するのが良いかも?
反面人間関係で苦労するのも自己修行と思い直すこともありました。 まとまらない話ですいません。
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