林業の現場において斜め切りの伐倒は危険作業とされ、
やっていない事に成っています。
でも、実際は出来ないとどうにもならないのがこの世界の仕事。
これから書く事はあくまでも村人の話で、斜め切りを推奨する物ではありません。
斜め切りを行うのは基本的にマツの間伐だけです。
初心者が斜め切りを行う事はガイドバーを挟まれたりチェンソーを壊すリスクもあり、
安易に行うと重傷事故や死亡事故を起こす可能性がある事を心にとどめておいて下さい。
斜め切りの伐倒で足の上に木を落として大怪我をした新人さんも居ます。
木を切り抜いた時にガイドバーが一緒に持って行かれて、木の下敷きに成る事もあります。
伐倒中の木がどの様に動くか予測できないレベルの人はやってはいけません!
斜め切りの失敗で多いのがガイドバーを木に挟まれてしまう事。
高い所を切りに行くと木の隙間が見えず、隙間が閉まり初めても気がつかず
挟まってしまうケースがあります。
斜め切りの一発目は腰位の高さにして、常に木の動き(隙間)を気にしながら行います。
村人は以前、軽さ重視でMS200やMS201を使っておりました。
排気量が35ccと非力なのでそれなりの使いこなしが必要となります。
ちょっと太くなるとこんな方法もあります。
最初に斜め切りの角度を想定してチェンソーを入れる。
少し切ったら先回し切りで木の縦半分を切り、その後普通に斜め切りを行います。
上下から切る時は角度を十分付けて!
上側からの切断で隙間が閉じてしまうと予測される場合は新たに下から切りますが、
その時少しだけ角度を変える事で切り抜いた時にガイドバーが持って行かれる事が有りません。
掛かり木処理!
伐倒した木が掛かり木になった場合、細い木なら続けて斜め切りを行います。
木が太い場合は蝶番のように落として行くのですが、伐倒のように受けを入れて追い口を切る事で
ある程度のコントロールが出来ます。
これは太い木の掛かり木処理でも行っているテクニック。
本当に木の動きを分かっていないと危険ですが、十分な技量のある人には普通の事でしょう。
間伐の現場では、教科書通りの掛かり木処理なんてやりません。