その一の続き
―日本を侵略征服する方法が具体的に述べられています。そして、日本征服の後、日本兵を使って明を侵略するとあります。また、日本人の子供をスペイン人が育て、教俗(キリスト教と政治)一致した植民地支配をするとあります。カトリック(特にイエズス会)とスペイン、ポルトガルは一蓮托生です。また、オーストラリアで、アングロサクソンがアボリジニーの子供を強制的に取り上げ、アングロサクソンの家庭で育て白人化しようとした野蛮な政策とどこがどう違うのでしょうか。
・イエズス会日本準管区長コエリョが1585年3月3日付けでイエズス会布教長アントニオ・セデーニョに宛てた手紙の抜粋[p100-101]
「陛下の義務、及び陛下がシナを征服するために望んでいる日本貿易に大いに関係することだからである。…総督閣下に兵隊・弾薬・大砲、及び兵隊のための必要な食料、1、2年食料を買うためのかねを充分搭載した3、4隻の符ラガータフ船を日本のこの地に派遣していただきたい。…
他の異教徒に大いに悩まされている何人かのキリスト教徒の領主を支援出来るようにするためである。…ただ安全に渡来するためには大艦隊が必要である。…
当地のキリスト教徒の領主の支援を得て、この海岸全体を支配し、服従しようとしない敵に脅威を与えることが出来るのは疑いない。この陛下の援軍が派遣されることにより、…第一に、これらキリスト教徒の諸侯とその家来は、…陛下の援助が得られ……一層信仰を強固なものにする。
第二に、異教徒とは…脅威と驚きを抱き、…改宗を望む者に対する妨害をしようとはしなくなるであろう。第三に、異教徒はキリスト教徒が陛下から援助を受けるのを見て、…改宗するであろう。
もしも国王陛下の援助で日本66カ国凡てが改宗するに至れば、フェリペ国王は日本人のように好戦的で怜悧な兵隊をえて、一層容易にシナを征服することが出来るであろう。」
―コエリョは軍の派遣を要請しています。実質的に日本征服と言っているのと同じです。再度日本兵を用いて明を征服すると言っています。
・九州平定後、豊臣秀吉がバテレン追放令を発した理由として、日本準管区長コエリョに責任があると、ヴァリニャーノが1590年10月14日付けでイエズス会総会長宛てに宛てた書簡の要約[p109-116]
翌々年、天正15年(1587)に秀吉が九州平定のために博多に下ると、コエリョは自ら作らせた平底の軍艦に乗って、大提督のような格好をして出迎えた。日本にはまったくない軍艦なので、秀吉の軍をおおいに驚かせたという。(投稿者注:その前に秀吉は、有馬、大村氏による神社仏閣大量破壊、神官僧侶に対する迫害、ポルトガル商人が日本人を奴隷として海外に輸出していたことに対し激怒していた)
秀吉は軍事力を誇示するコエリョに、キリシタンの野望が事実であると確信し、その日のうちに宣教師追放令を出した。コエリョはただちに、有馬晴信のもとに走り、キリシタン大名達を結集して秀吉に敵対するよう働きかけた。そして自分は、金と武器弾薬を提供すると約束し、軍需品を準備した。
しかし、この企ては有馬晴信が応じずに実現されなかった。コエリョは次の策として、2、3百人のスペイン兵の派兵があれば、要塞を築いて、秀吉の武力から教界を守れるとフィリピンに要請したが、その能力がないと断られた。コエリョの集めた武器弾薬は秘密裏に売却され、これらの企ては秀吉に知られずに済んだ。
[これより原文そのまま引用]関白殿の布告や彼(投稿者注:コエリョ)が屢々(しばしば)語った言葉の中には、この迫害を始めた原因として、われわれイエズス会士が、神、仏、及び日本古来の法と習慣を破壊する悪法を説教したからと言っているに過ぎないが、しかし彼(コエリョ)は、イエズス会士は改宗を口実に当地に渡来して、大坂の仏僧(投稿者注:石山本願寺)と同じことを行って日本王国の支配者になろうとしている、という自分の考えを屢々(しばしば)明らかにしたのである。」
―コエリョは、イエズス会が日本を支配するとはっきりと言っています。カトリックが嘘をつき続けても無駄です。
以上が挨拶文と結びを除いたshiretokoさんのコメントの全文。青字や赤字は『キリシタン時代の研究』(高瀬弘一郎 著 岩波書店)からの引用、黒字はshiretokoさんの意見である。
その三に続く
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「クリスチャンから見たインカ帝国」
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踏絵を行ったのは江戸幕府で、秀吉はまだしなかったと思いますが…
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B8%8F%E3%81%BF%E7%B5%B5
身体を惨く痛めつける異端審問が当たり前の西欧に対し、踏絵とは何とも温いですよね。キリシタンへの拷問を調べても、西欧はもちろん儒教圏や中東にも残虐度は劣る。転べば(棄教)命を助けた日本と、異端を悔い改めても処刑する西欧。その差は歴然としています。
ザビエルが聖書の講義をすると日本の聴衆には様々に突っ込まれ、その知的好奇心に驚かされたそうです。キリスト教最大の武器聖書(←不条理の塊)が仏教的論理性を持つ日本人には通用しなかった。他にも読み書きの浸透、礼節の心、動物との共生など文化に目を見張らされたといいます。
・ザビエルは、キリスト教の不合理な面をつく日本人に悩まされた
http://ameblo.jp/roishigorudo/entry-11273603999.html
ザビエルは日本での布教で心底くたびれたそうですが、最後にひとつ嘘の報告をしています。
日本人は野蛮でどうしようもない、皆殺しに遭うから戦艦を寄こすなと。勿論スパイではあったが、ザビエルにとって日本は驚異の的であったのかもしれません。
http://ameblo.jp/daisuke-fujisawa/entry-10837694050.html
>「以上述べた通り、日本人はどん欲であるから、武器を奪うために外国人を全て殺すだろう。そして、日本に銀や金の島などは無い。これらの事を国王陛下に知らせて欲しい」
ザビエルが宣教時、日本の聴衆の様々な突っ込みに悩まされたというエピソードは私も知っていました。しかし、「日本人は理性的な国民でありますから、その大部分がキリスト信者になることを、イエズス・キリストにかけて期待しています」が彼の出した結論でした。イエズス会宣教師ゆえの限界かもしれませんが、ザビエルでも非理性的な見解となるのです。一方彼の報告にはハッとさせられるものもありました。
「日本に行ってきたポルトガル商人達は全員が私に言うのだが、私がもし日本へ行けば、人々は理性豊かであるから、インドの異教徒達を相手にして得るよりも遙かに多く、我らが主デウスに対する奉仕をなすことができようとの事だ…」
まさに日本人キリシタンは“我らが主デウスに対する奉仕をなすことができよう”状態になりました。これがインド人改宗者なら、あまり得るところはないと思います。西欧人宣教師に奉仕するよりも自分たちへの奉仕を求めますから。民度が低いためではなく、良くも悪くも徹底した個人主義だから。
プロテスタントで平戸最後の商館長フランソワ・カロンも、日本の事情をよく知らない本国から何故日本を武力占領しないのか?と言われ、それをするには大変な兵力が必要と反論しています。オランダが唯一日本と交易できたのも、彼の働きが大きいようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%AF%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%B3
秀吉と徳川家が蛆虫を潰してくれて良かった。幕府の弾圧は改宗すれば許されたのだから殉教は自殺同然と見ています。
「日本教」は山本七平の造語ですが、私は山本も怪しい評論家だと見ています。彼は左派文化人から散々右翼、軍国主義者と非難されましたが、米軍に協力したクリスチャンが正体だと思います。当然アラブやイスラムにも不可解なことを書いており、以前記事にしています。
http://blog.goo.ne.jp/mugi411/e/181497d27465b6377998608a906b9fde
もちろん日本人の集団主義には問題面もかなりありますが、それがなければ南米のインディオと同じ運命をたどったことでしょう。売国左派に限らず敵国にとっても日本人が団結しない方が望ましい。
笑えるのは日本人の集団主義を非難するサヨク自身、それの虜になっていますよ。そんな女ブロガーが拙ブログにコメントしてきたことがありますが、「皆が一緒に~」「皆が共に~」の表現を好んでいた。ネットに溺れる孤独な暇人でしたが、案外この類が集団主義に惹かれ易い。