トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

難しい読書感想文 その②

2019-05-25 22:40:06 | マスコミ、ネット
その①の続き  大友俊氏が述べた読書感想文の条件は全くの正論ではあるものの、余程作文が上手い子供以外には極めてハードルが高すぎる。氏自身が読書感想文を殊更難しく考え、自縄自縛に陥っているようにも感じた。  これだけ感想文に拘りがあるならば、書店店主になる前は国語教師でもしていたのかと思いきや、そうでもなさそうだ。氏のフルネームで検索したら、2018年1月31日付の朝日新聞電子版記事「秋田)IT会社 . . . 本文を読む
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難しい読書感想文 その①

2019-05-24 21:40:58 | マスコミ、ネット
 最近の河北新報の読者コーナー「声の交差点」には、他県からの投稿がよく載るようになった。他の東北各県ならともかく、東京や大阪在住者からのものもある。旅行で宮城県を訪れたため、こちらに投稿したと説明されていたが、わざわざ宮城の地方紙に意見を寄せたがるものなのか?宮城県出身ということも考えられるが、奇妙に感じる宮城県民読者は私だけではないだろう。  同じく「座標」というコラム欄にも他県在住者の投稿が時 . . . 本文を読む
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安楽死について

2019-05-19 21:40:17 | 世相(外国)
 海外のネットニュースには考えさせられるものが時々ある。「元交際相手からの酸攻撃で全身麻痺になった男性、ベルギーで安楽死」(2018/4/25)がそのひとつで、以下はサイトの冒頭からの引用。 「5年間交際した恋人に去られた後、嫉妬に狂った女は酸を浴びせた。2015年9月に起こった英ブリストルでの事件の公判がこのほど行われたが、酸攻撃により重度の火傷を負い、全身麻痺になってしまった男性はベルギーでの . . . 本文を読む
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華氏119 18/米/マイケル・ムーア監督

2019-05-15 21:10:21 | 映画
 ムーア監督の新作ドキュメンタリー『華氏119』を見た。チラシや予告編から終始トランプ非難の内容だろうと思っていたが、アメリカの社会問題もかなり取り上げていたのは予想外だった。ムーアの過去の作品には医療問題を扱った『シッコ』、世界金融恐慌がテーマの『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』もあったのをすっかり忘れていた。超大国アメリカも深刻な社会問題が山積しているのだ。  今回最も驚いたのが、ムーアの故郷 . . . 本文を読む
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母の日に想うこと

2019-05-12 22:35:10 | 世相(外国)
 今日は母の日。日本では4月からこの日に向けて、商戦が繰り広げられるのが恒例となっている。ネット検索をすると、今年の母の日厳選ギフト&プレゼント特集などのサイトが数多くヒットする。他国の母の日はどうなのかは不明だが、wikiによれば日本の母の日はアメリカに倣ったものだから、本国でもさぞ商戦が活発に行われているのだろう。  母の日とは元来は日頃の母の苦労を労り、母への感謝を表す日なのだ。このような感 . . . 本文を読む
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ジンナー/パキスタン建国の父 その②

2019-05-08 22:40:12 | 歴史諸随想
その①の続き  全インド・ムスリム連盟指導者に就いたジンナーだが、連盟は一枚岩には程遠い組織だった。連盟内では親英派と親国民会議派という派閥争いがあり、権力基盤も盤石には程遠い有様。国民会議派にも派閥争いはあったが、表面は民主体制でも実際はガンディーの独裁状態であり、ネルーが初代首相になったのも、ガンディーの絶大な支持が大だった。ジンナーにはこのような先達はおらず、有力者ムスリムから「担がれた人」 . . . 本文を読む
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ジンナー/パキスタン建国の父 その①

2019-05-07 21:40:43 | 歴史諸随想
 インド独立の父ガンディーは日本の小学生でも知っているが、その隣国パキスタンの建国の父の名となると、日本の大人でも殆ど知らない。インド自体が日本ではカレーと仏教以外には馴染みの薄い国だし、ましてその隣国となると関心自体がないのだ。  たまに新聞の国際面で、パキスタンはベタ記事扱いで取り上げられることはあっても、テロ関連のニュースばかり。ますます厭わしく思う読者が多いだろう。ジンナーはパキスタンでは . . . 本文を読む
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平成最後の日に……

2019-04-30 20:40:15 | 世相(日本)
 いよいよ今日で平成も最後の日となりました。昭和に比べるとその半分の年数に満たない平成ですが、31年間は決して短くはありません。昭和生まれの私の半生でも、既に平成時代の方が長いのです。皆様にとって平成はどのような年月だったでしょうか?  新年号・令和をめぐり、様々な見方が出ています。メディアではその名称や制定の仕方に批判的な論調が多く、河北新報も首相が独断で決めたと言わんばかりの報道をしています . . . 本文を読む
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イイ子主義と一般人

2019-04-28 21:10:23 | 読書/ノンフィクション
 新聞やТVなどの旧来のメディアが信用されなくなったのは日本だけの現象ではなく、先進国共通らしい。1970年からイタリアに在住している作家・塩野七生氏は、『日本人へⅣ 逆襲される文明』(文春新書1140)の「「イイ子主義」と一般人の想い」(114-18頁)という章でその背景を書いている。章は以下の文章で始まる。 ―イタリアでは、でもとすべきかもしれないが、新聞の売れ行きは落ちる一方で、テレビの視 . . . 本文を読む
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イタリアの空に歴史思う

2019-04-25 21:10:31 | マスコミ、ネット
 他の地方紙は不明だが、河北新報の読者コーナー「声の交差点」には決まった常連がいる。少なくとも2カ月に1度は投稿を見かけるし、そんな常連である栗原市の鍼灸師・佐藤一(70歳)氏の投稿が4月16日にも載っていた。今回のタイトルも其処からの引用で、以下はその全文。 ―3月中旬に、春めいてきたイタリアを訪れた。ローマ、ナポリ、ポンペイ、ピサ、フィレンツェ、ベネチア、バチカン宮殿などの主だった観光地を巡 . . . 本文を読む
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帝国主義について

2019-04-21 21:40:08 | 歴史諸随想
 ベストセラー『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ著、河出書房新社)の上巻で、著者は帝国主義について興味深い主張をしている。第11章「グローバル化を進める帝国のビジョン」には「歴史の中の善人と悪人」という見出しの後、以下の記述があった。 ―歴史を善人と悪人にすぱっと分け、帝国はすべて悪人の側に含めるというのは魅力的な発想だ。帝国の大多数は地の上に築かれ、迫害と戦争を通して権力を維持してきた . . . 本文を読む
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英国総督 最後の家 17/英・印

2019-04-17 22:10:26 | 映画
 原題:Viceroy's House、このタイトルだけで英国人は総督が誰を指すのか分かるのだろうか?一方、インドでのタイトルは「Partition:1947」、こちらも1947年のインド・パキスタン分離独立をテーマとしていることが、インド人には即座に分る筈。最後のインド総督マウントバッテンが目の当たりにした印パ分離独立前後の様相が描かれている。映画の冒頭に出てきたスーパーは意味深い。 「歴史は勝 . . . 本文を読む
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日本人と日本文化 その⑤

2019-04-11 21:10:14 | 読書/日本史
その①、その②、その③、その④の続き  切死丹/キリシタンについての対談でキーン氏は、当時のポルトガル人やスペイン人宣教者にかなり好意的な話をしている。氏は彼らが書いた手紙を英訳でかなり読んだそうだが、日本人は我々とは違う人種とは誰ひとり書いてなかったという。日本女性は欧州人より色が白いとか、そんなことまで言っていたとか。  はじめのうちはポルトガル人が来日しても、日本は欧州と殆ど変わらない、もっ . . . 本文を読む
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日本人と日本文化 その④

2019-04-10 22:00:16 | 読書/日本史
その①、その②、その③の続き  儒教が日本社会に与えた影響について、キーン氏と司馬遼の見解の違いは興味深い。江戸時代に案外広まり、現代(1970年代初頭)でも相当根強い、というキーン氏。日本に道徳があるとすれば、それは仏教的な道徳ではなく、明らかに儒教的なそれでしょう、と断言する。儒教は日本人のモラルの根底になっているとまで考えているのだ。  一方、司馬はそれにはかなり懐疑的である。律令体制でも国 . . . 本文を読む
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日本人と日本文化 その③

2019-04-09 22:00:44 | 読書/日本史
その①、その②の続き  それでもキーン氏は、日本としていちばんの危機はおそらく奈良朝の次の世紀、つまり西暦でいうと9世紀だという。当時は最も中国文学が流行っており、場合によっては日本文学がそこで消えたかもしれない時期と見ている。  しかし、どうしたものかまた日本文学が強くなり、9世紀の終わり頃には『竹取物語』や『古今集』などの文学が生まれたが、一時的には非常な危機だったはず、とまで述べている。こと . . . 本文を読む
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