トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

ギリシア人の物語Ⅲ/新しき力 その③

2018-06-15 21:40:13 | 読書/欧米史
その①、その②の続き 第Ⅲ巻では、アレクサンドロスをめぐる女たちへの記述が意外に少なかった。烈女で有名な母オリンピアスよりも父フィリッポス2世の方に筆を割いているし、初めて正式に結婚したロクサネについても、こんな描き方なのだ。「28歳になるこの年まで女の気配さえもなかったアレクサンドロスが、側室にするどころか結婚までしたのだから、絶世の美女であったにちがいないと、これより三百年後も後に書くことにな . . . 本文を読む
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ギリシア人の物語Ⅲ/新しき力 その②

2018-06-14 21:40:06 | 読書/欧米史
その①の続き 古代ギリシアでアテネと常に覇権を争っていたスパルタだが、後者と江戸時代の日本との比較は面白かった。二千年の時代差があり、西洋と東洋の地域差があるにかかわらず比較の対象にするのは、ただ一点のみの共通性にあるというのだ。それは社会の階層を固定化したことによって、三百年の平和を享受したという一点のみ。 ただし、環境は同じではなく、スパルタのサムライたちは対外戦争をせざるをえなかったが、日本 . . . 本文を読む
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ギリシア人の物語Ⅲ/新しき力 その①

2018-06-13 21:10:14 | 読書/欧米史
『ギリシア人の物語Ⅲ/新しき力』(塩野七生著、新潮社)を読了した。新潮社の公式サイトのタイトルは、「塩野七生 最後の歴史長編は「永遠の青春」アレクサンダー大王を描く圧倒的巨編」となっており、著者へのインタビューが載っている。これで最後の歴史長編となるのは、私も含め長年に亘ってのナナミスト(塩野ファン)には寂しい限りだが、雑誌へのエッセイ寄稿なら、この先もあるかもしれない。 それにしても、最後に何故 . . . 本文を読む
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美意識の違い

2018-06-09 21:10:06 | 世相(日本)
 ひと口に美男美女と言っても好みには個人差があり、美貌で評判の高い人を見て、これが美男(美女)?と思うこともあるだろう。日本人同士でも美の好みは違っているし、まして異人種となると美の基準さえ異なってくるようだ。戦後、進駐してきた米軍兵士と結婚、渡米したいわゆる“戦争花嫁”は4万人ちかくいると考えられている。しかし、彼女らは日本人から見ると、美人とは感じられない女性が多かった . . . 本文を読む
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実写版ベルばら

2018-06-04 21:10:08 | 映画
 行き付けのビデオチェーン店に置かれていたので、デジタルリマスターのベルサイユのばら実写版DVDをレンタルして見た。原題:Lady Oscar、全編フランスロケで、フランス政府からベルサイユ宮殿の撮影を特別許可されたことでも、1979年3月公開時に話題を呼んだ。しかし、作品への評価は散々、「総制作費10億円に対して配給収入9億3000万円と振るわなかった」有様。 この作品は以前ТVで見たが、オスカ . . . 本文を読む
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マネキン

2018-05-31 21:10:24 | 世相(日本)
 デパートやスーパーの衣料品売り場では、必ずといってよいほどマネキン人形が置かれている。その容貌は殆ど白人を模しており、日本人を似せたマネキンは、着物売り場でも至って少ない。これは日本人に根強い白人への容貌コンプレックスの表れと思ったが、wikiの解説を見たら、戦前には三越、日本橋高島屋がフランスからマネキンを輸入したことが載っていた。マネキンのルーツ自体がフランスなので、ファッションの陳列人形が . . . 本文を読む
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ブログ開設13年目雑感

2018-05-27 21:40:07 | 私的関連
 今日でブログを開設してから、ちょうど13年目を迎えました。今日時点のトータルで閲覧数は8,087,549PV、訪問者2,089,965IPとなり、これもひとえに拙ブログを読まれて頂いた方々のおかげです。 13年前にブログ開設した時、まさか十年以上も続くとは想像もできませんでしたが、弱小ブログながら続けられたのも、見て下さる方々があってこそです。中には怒りや不快を感じた人もいたはずですが、読者の方 . . . 本文を読む
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ダンガル きっと、つよくなる 16/印

2018-05-24 21:40:05 | 映画
 久しぶりに面白いスポ根ドラマを見た。星一徹ばりのスパルタ教育により子が才能を開花させ、国際大会で金メダルを取るというストーリーはスポ根ドラマの王道だが、実話が素になっている。インド映画には珍しくダンスシーンがなく、タイトルのダンガルはレスリング、ファイター、挑戦の意味とか。チラシではストーリーをこう紹介していた。 「レスリングを愛する男。国内チャンピオンになったものの生活のために引退。母国初の . . . 本文を読む
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九十歳、何がめでたい その②

2018-05-19 21:40:14 | 読書/ノンフィクション
その①の続き 本の中で一番面白かったのが、「ソバプンの話」。読売新聞の人生案内に投稿した、医療大学で学んでいる20代女性の相談が取り上げられており、こんな話なのだ。「彼は2週間以上も同じ服を着続けています。入浴もしていないようで、強烈な臭いを放っています。このため、教室でみんな避けて座ります。(中略) その彼と、実習で同じ班になってしまいました。マスクをしても臭いは防げず、蝕診の課題では彼に触れな . . . 本文を読む
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九十歳、何がめでたい その①

2018-05-18 21:40:26 | 読書/ノンフィクション
 昨年ベストセラーとなった『九十歳、何がめでたい』(佐藤愛子著、小学館)を読了した。このエッセイ集はネットの書評でも概ね好評だが、私が見る気になったのは、読書メーターにあるyokorinさんの書込みと全く同じ事情だった。「母親に頼まれて図書館予約したら100人待ち。順番が回ってきてせっかくなので私も読ませてもらった」。 とにかく活字が大きいので、普段は読書しない私の母さえあっという間に読み終えてい . . . 本文を読む
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詐欺の標的にされる老女

2018-05-13 21:10:35 | 世相(日本)
 高齢者を標的とした振り込め詐欺といえば、少し前までは息子や孫を騙ったオレオレ詐欺が主流だったが、昨今はキャッシュカード詐欺が増加しているらしい。河北新報の地方面「みやぎ」では、連日のように振り込め詐欺を報じているが、この頃はキャッシュカード詐欺に遭う高齢者のニュースが多い。しかも被害者の殆どは女性なのだ。  今日付14面「みやぎ」にも、そんな事件が載っている。塩釜市の女性(84)がキャッシュカ . . . 本文を読む
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サピエンス全史 その③

2018-05-09 22:10:05 | 読書/ノンフィクション
その①、その②の続き 第18章「国家と市場経済がもたらした世界平和」に興味深い意見がある。「王国や帝国の多くはじつのところ、巨大な用心棒組織と大差なかった。君主はマフィアの首領(ドン)で、みかじめ料を取り立てる見返りに、近隣の犯罪組織や地元のチンピラなどが、自分の庇護下にある者たちにけっして手を出さないようにしていたのだ。それ以外には、何もしていないに等しかった」(下・192頁)という著者だが、実 . . . 本文を読む
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サピエンス全史 その②

2018-05-08 21:40:11 | 読書/ノンフィクション
その①の続き 著書で私が最も印象的だったのは、農業革命についての見解だった。農業革命により人類は豊かな暮しが出来るようになったことに、疑問を持つ人は滅多にいない。手に入る食料が増えたため、人口も激増していったのは事実なのだ。 しかし、飽食出来る一部の権力層を除き、平均的な農耕民が以前よりも苦しい生活を余儀なくされたのは否定できない。これを以って著者は「農業革命は、史上最大の詐欺だったのだ」(上・1 . . . 本文を読む
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サピエンス全史 その①

2018-05-07 21:10:09 | 読書/ノンフィクション
『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ著、河出書房新社)上下巻を先日読了した。作者の視点や発想は実に斬新で、内容に魅せられ一気に読んでしまった読者も多かっただろう。私がこの本を知ったのは、「ブルガリア研究室」さんの記事「虚構の力と財政規律という美名」からで、是非読みたいと思った。話題の書だけあり、図書館の予約では結構な順番待ちとなったが、待った甲斐のある書だった。  この本の上巻では主に認知 . . . 本文を読む
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連休中の雑感

2018-04-30 21:40:05 | 世相(日本)
 GWとなりました。予報では今年のGW前半は好天に恵まれるようですが、後半は崩れるとか。連休を皆様方はいかが過ごされるのでしょうか?GWに仕事をされている方々も、健やかに過ごせることを願います。  GWに遠出をせず、近場に行く方も少なくないでしょう。海外旅行はもちろん国内の近場でも、行楽地となると結構散財してしまうことがあります。普段はしまり屋の人でも連休中の観光地となると、ついついお財布の口が . . . 本文を読む
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