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フェルメールと17世紀オランダ絵画展

2022-11-20 21:40:36 | 展示会鑑賞

 宮城県美術館の特別展「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を鑑賞してきた。宮城県美術館は11年前にもフェルメールの特別展「フェルメールからのラブレター展」を開催していたが、この時公開されたフェルメール作品は3点のみだった。
 それが今回の特別展は「窓辺で手紙を読む女」1作だけ。元から作品数が少ないにせよ、特別展名からはフェルメールの絵が他にも展示されているのでは……と期待した来館者もいたはず。フェルメール作品は1点だけにせよ、17世紀のオランダ絵画は質が高い作品ぞろいで、これらは凡作が多いのでは?という予想と違っていたのは嬉しい。美術館HPでは特別展をこう紹介している。

ザクセン選帝侯の収集品を基礎に、ヨーロッパ有数のコレクションを誇るドレスデン国立古典絵画館。その至宝のひとつ、ヨハネス・フェルメールの《窓辺で手紙を読む女》は、光の差す窓辺にたたずむ女性を描く、独自の様式を確立した初期の傑作として知られています。近年の大規模な修復プロジェクトにより、背景の壁から、画家の死後に塗りつぶされていたキューピッドの画中画が姿を現しました。現存わずか30数点と言われるフェルメールの作品の中でも、今最も注目を集めている1点です。
 本展では、修復後の姿が公開されたばかりである本作品をはじめ、同館の豊富なオランダ絵画コレクションから、レンブラントメツーファン・ライスダールなど、17世紀を代表する画家たちによる約70点を展示します。宮城では11年ぶりの展示となるフェルメールの世界と、彼を生んだオランダ絵画の豊かな「黄金時代」をご堪能ください。

 美術館HPでは代表作として以下の作品を挙げている。
・ヨハネス・フェルメール「窓辺で手紙を読む女」(修復後) 1657-59年頃
・ハブリエル・メツー「レースを編む女」1661-64年頃
・レンブラント・ファン・レイン「若きサスキアの肖像」 1633年
・ヤーコプ・ファン・ライスダール「城山の前の滝」 1665-70年頃 
アドリアーン・ファン・オスターデ「タバコを吸う二人の農夫」 1664年
フランス・ファン・ミーリス「化粧をする若い女」 1667年
ヤン・ステーン 「ハガルの追放」 1655-57年頃 
・ヨセフ・デ・ブライ「ニシンを称える静物」 1656年 

 かなりのオランダ絵画通でもなければ、上記の画家たちで知られているのはフェルメールとレンブラントくらいだろう。展示作の大半は17世紀後半に制作されていて、僅か半世紀のオランダ絵画黄金時代の最盛期には、これだけ優れた絵画が量産されていたことに驚く。



 上はレンブラントの「若きサスキアの肖像」(作品№25)で、これも本展の目玉作だが、思った以上に小さな肖像画だった。レンブラントの妻となる女性だが、衣装は豪華でもあまり美人に見えない……と思ったのは私だけか?サスキアは裕福な家の娘で、レンブラントは逆玉だった。
 サスキアは僅か29歳で亡くなっており、妻の死後、レンブラントは困窮していく。
「赤い外套を着たレンブラント」(№26)は友人の画家ホーファルト・フリンクによる肖像画だが、レンブラント自身の自画像よりも質が劣ると感じた。やはりレンブラントは巨匠なのだ。



 オランダの風景画もなかなか良かった。私的には代表作としてHPで挙げられた「城山の前の滝」(№37)よりも、ヤン・ファン・ホイエン「冬の川景色」(№33)のほうが好みだった。但し解説によれば、この絵は所有者がその価値に気づかず、ずっと風呂の蓋として用いていたという。オランダ黄金時代の絵画に風呂の蓋になった作品があったのは笑えた。

「タバコを吸う二人の農夫」(№48)以外にも、タバコを吸う人物を描いた作品があった。当時のオランダではタバコは健康に良いと考えられており、男たちはこぞって喫煙していたのだから、現代では考えられない。

 本展最大の呼び物、「窓辺で手紙を読む女」は最後に展示されていた。何故キューピッドが塗り潰れされていたのかは未だに不明にせよ、キューピッドのあるなしでは印象がまるで違ってくる。
 ただ、解説がなければキューピッドが描かれている背景はまるで分らなかった。キューピッドが愛の象徴であることは知っているが、仮面を踏みつけている意味までは読み解けなかっただろう。やはり西欧絵画の鑑賞には、それ相応の教養が求められるようだ。

◆関連記事:「フェルメール 光の王国展
フェルメールからのラブレター展

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