スキージャンプ&スポーツ竹内元康発言

スキージャンプ選手、全日本コーチ、解説者、トレーナーを経て・・・今だから語れること。

ソルトレーク

2002-02-14 23:41:25 | スキージャンプ
はっきり言って、アマンがこれほどの偉業を達成するとは思わなかった。
僕の中ではハンナバルトの転倒が何故かしらショックでならない。
たとえ立っていたとしてもアマンには及ばなかったものの・・・
完璧無比のハンナバルトのジャンプにも唯一のウィークポイントがあった。
それはランディングである。あそこまで飛んだら仕方がないとは今回の
戦いのレベルでは言い訳にはならない。それ以上飛んでるアマンが
楽々ランディングしているのだから。それにハンナバルトだって1回目は
2回目より飛距離を出していてバランスのいいテレマークも決めてるし。
完璧に飛んでアマンを祝福する姿を見れなかったのが残念でならない。
勝負とは非情なものである。F1でも最終コーナーまでトップで快走してても
そこでクラッシュしてリタイヤということが時としてありうる事だが、
あまりに無念でならないだろう。今やジャンプも極限での勝負になっている
ということだろうか。

それとともにジャンプ週間の総合チャンピオンの個人金メダル獲得のジンクスも
崩壊してしまった。まあ今回は前人未到の4連勝というのもあるので、
4連勝しないで総合優勝というジンクスは残るのだろうが。
それにしてもノーマルヒルといいラージヒルといい、こんなに激しいメダル争いは
ここ近年のオリンピックでは記憶にないほど高次元で別世界の戦いだった。
アマン、マリッシュ、ハンナバルトとこの3人の頭の中や心臓はどうなってい
るのだろう。
どう見たってスキーを脱いだら普通の何処にでもいる青年と変わりはないのだが・・・
しかし、この選手たちも実は、科学的で、しかもジャンプという競技特性をよく考慮
された激しく厳しいトレーニングを長い時間をかけて積んできたことは事実である。

と、カッコいいことを言ってきましたが、なんてことはない、日本はあらゆる面で
世界に後れをとっていてそれを言い訳で誤魔化してるにすぎないんだよね。
選手は本当に頑張って全力を尽くしてるんだから、真の実力が発揮できるように
連盟やコーチ陣は選手の人生の保障をしてやるくらい真剣に取り組んでやらないと
といけないね。もう、寝ぼけたことは言ってられないよ。