2001年(平成13年)の卒業新聞が掃除をしていたら出てきました。自分が書いた、卒業生への言葉を読み返しました。
タイトル 「賢い人」
「自分は頭がよくないから、とても○○大学には入れない」とか「○○大学に合格できるような人はえらいなあ」などと生徒たちはよく言います。しかし勉強ができるだけでは、ほんとうに賢い人とは言えません。実際、有名大学を卒業して社会的に立派な地位についている人々が、恥辱的な事件を繰り返しています。
東京大学医学部に現役で合格した人が、自分の本の中で次のように書いています。「自分の頭の良さは並みの並みである。それが受験の勝者になったのは、早い時期に暗記と要領に磨きをかけたからにすぎない」と。本当に賢い人は、いかなる時も正しい判断を下して適切な行動がとれる人、他人の気持ちを理解し、相手の立場に立って行動できる人、そしてこの世の中で、本当に何が大切なことなのかを理解し、何を大切にして生きていくべきなのかがわかっている人だと思います。
私はH校で多くの本当の意味での賢い生徒たちに出会ってきました。それぞれの道は違っても、誠実に、平凡な中にも自分なりの幸福を見つけ、真の賢者であり続けられるよう願っています。