ア、ア、ア、アイヤー、珍さん、昨夜は友人に誘われて、銀座で
杉原あつ子さんのカンツォーネのライブを観賞し、ベロンベロンに酔って帰ったアルから、ブログを書ける状態では無かったアル。従って今日はサボって、前の記事から
カンツォーネの話を「行複写」で誤魔化すアル。
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「元祖・Tボーンステーキ・フィレンツェ風(ヘタクソ・カンツォーネ添え)」
ホテルに戻り、何故かニコニコしながらサロンパスを貼り元気になた珍さん
「さあ、今夜こそ旨い和メシを食って体力回復だ!」
と張り切ったアルよ。
しかし残念ながら、その夜も結局、和メシにありつけず、”フィレンツェ料理”を食べることになたのこと。ア、ア、ア、アイヤー、珍さんの話はいつもシモネタと食う話ぱかりアルな。文章能力が無いんたから仕方が無いのこと。
日本を出る時に、「フィレンツェのTボーン・ステーキは死ぬほど美味しい」と聞かされ、「食べたら死ぬ食い物は有っても、死ぬほど美味しい食い物なんぞイタリアに有るわけが無い。冷奴より旨い物が有ったら誉めてやる」と思いつつも、あるレストランで噂の「フィレンツェ風・Tボーン・ステーキ」を食べることにしたアルよ。
「仕方が無いからイタメシでいい。どこかお薦めの店はないか?」
と通訳嬢に聞いたら
「ありまんがな、ステーキが死ぬほど美味しい店でんがな。マスターがカンツォーネを歌ってくれまんがな」
珍さん、嫌な予感がしたアルが、その店に行くことにしたのこと。カンツォーネというと良さそうに錯覚するアルが、カンツォーネとはイタリア語で「歌」という意味。たかがイタリア民謡、どうって言うことは無いアルよ。店に入った途端に通訳嬢が
「あれーーー!○○はん!お久しぶり、偶然でんなーーーー」
と大声を挙げたのこと。偶然にも通訳嬢の友達一行と遭遇したアルよ。通訳嬢はボローニャに住んでいるアルが、友達はフィレンツェ在住で、歌が大好きだというアル。珍さん、またまた嫌な予感がしたのこと。しぱらくするといかにも五月蝿そうなオッサンが出てきて
「まいどどうも。3人はんでっか。ええ席が空いてまんがな。何を食べはりまっか。ステーキでっか。そらよろしいな。ウチが”元祖フィレンツェ風Tボーン・ステーキの店”でんがな。今日は肉の安うて(やすうて)ええのんが入ったとこでんがな。ちょうど牛 が交通事故に遭うてからに、解体の手間がいらんちゅうて、安売りしとったんや。ペル プリモ(第一食)にパスタなんぞ、どないでっか?え?そんなに食えない?そないなことおまっかいな。え?いらない?さよか。ほならステーキだけでんな。殺生でんな。ワインはどないでっか?旨いハウスワインがありまんがな。コントルノ(付け合わせ)にキノコはどないでっか。安うしときまんがな」
しぱらくして料理が出てきたアルが、Tボーン・ステーキはまるで「牛小屋の火事現場から拾ってきたような」料理で、厚さ3センチ、横30センチ、縦15センチもある肉の塊が真っ黒コゲになている代物アルよ。それも、中身はかなりなレアーで、
「どないでっか。旨そうな肉でっしゃろ。レアー言うたかてホンマはガス代が高うおまっさかい、あまり焼いてないだけの話でんがな。それでも、客は旨い言うてくれはりまっさかい。ウエルダンならガス代貰わんと引き合いまへんがな。みんながウエルダン言いよった日には、ウットコ潰れまんがな」
といったところアル。見てくれは大きかったアルが、殆ど骨ぱかりで、3人で分けたら、ほんの少しずつしかなかったアルよ。通訳嬢が
「これじゃあ、足りないよってに、もう一皿追加しまっかいな」
と言うので、珍さん
「もう、肉は充分タイ。これだけ食べたら1年は肉を見たくなかとよ。魚介類にしちゃらんね」
「ほな、SCAMPI(手長エビ)はどないでっか」
「それでヨカタイ」
ということで出てきたのが、手長エビのこれまた黒こげ料理。珍さん、生まれて初めて手長エビを見てガッカリ。イタリア語の本には長さ4、50センチはあろうかという伊勢エビみたいな絵が書いてあたアルに、これじゃあ、まるで徒長した栄養失調エビアルよ。長さ8センチ、太さ1センチしか無く食べるところは殆ど無いのこと。珍さんヤケクソで胴体も手も丸ごとバリバリ。さすがのマイペース・ノー天気オジサンも
「エ?そんな硬いの食べてんの?」
とビックリ。料理を食べ終わる頃、急に店内が暗くなり、いよいよ、と言うか、ついにと言うか、よせぱいいのに、カンツォーネの始まりアルよる。3、40年前に流行った歌を数曲歌ったアルが、高音が伸びきらず、まるで喉を締められた猪が叫んでいるような状態のこと。
ピアノのネーチャンはポルノ・ビデオに出て来る女教師そっくりで、ポニー・テールに黒縁眼鏡という、ミスマッチな”いでたち”アルよ。これまたリズム音痴で、なかなか歌と合わないのこと。ピアノが歌に合せたり、歌がピアノに合せたりするアルから、リズムが一定しないアルよ。昨日からピアノを習い始めたネーチャンが、今日からアルバイトでピアノを弾いているという程度アルな。
やはり珍さんの悪い予感が当たったアルよ。せっかく”死ぬほど旨い”フィレンツェ・ステーキを食った後で、この歌とピアノを聞いたら本当に死んでしまう!<marquee>
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さらに悪夢は続いたのこと。今度はさっきの「通訳嬢の友人」というオバハン(45歳くらい)が歌い始めたアルよ。それもよりによって、オペラアルよ。ナ、ナ、ナ、なんで”元祖フィレンツェ料理・火事場の焼け牛”や”栄養失調手長エビ”の丸焼きを食べ、ワインを飲んでいい気持ちになっているのに、オペラアルか?
「オペラちゅうもんは、正装して、『さあ、今日はオペラを聞くぞー!ベルディでもモーツアルトでもかかって来い!』と構えて聞くものと違うんかいな?そんじょそこらの場末の居酒屋ごときで、酔った勢いで歌うものと違うやろ。オペラを愚弄する気か?ただでさえ、ワインを飲み過ぎて、頭がクラクラしているのに、太ったオバハンの野太い、ブタの断末魔みたいな声のアルトでコブシ・コロコロやられたんじゃ脳しんとうを起こすじゃねえか。こんな所で酒飲み相手に芸術の安売りをするんじゃねえ・・・・と怒鳴りたかたアル。
なんでも、昔はオペラ歌手を目指していたらしいアルが結局挫折したらしいのこと。それは至極当然で、あんな五月蝿い声を張り上げていたんじゃあオペラ歌手は無理アルよ。普通、挫折したのなら、二度と人前で歌わないのが美学だと思うアルが、カンツォーネのオッサンにしろ、オペラのオバハンにしろ、酔っぱらい相手に、挫折した程度の芸を披露して、何も分からない客にうけて、いったい何が嬉しいアルか?
珍さん、店を出る時、メニューを持て来させ
「元祖フィレンツェ風Tボーン・ステーキ 4万リラ」
と書いてあるところを、
「炭素フィレンツェ風Tボーン・ステーキ・カンツオーネ添え 2百リラ」
「炭素フィレンツェ風Tボーン・ステーキ・オペラ添え 2百リラ」
「炭素フィレンツェ風Tボーン・ステーキ・カンツオーネとオペラ添え 百リラ」
「炭素フィレンツェ風Tボーン・ステーキ・カンツオーネもオペラも無し 4万リラ」
と書き直してやたのこと。
食べ慣れない肉料理、硬い手長エビの殻、ヘタクソな歌と聞くに耐えないピアノのどれが悪かたのか分からないアルが、翌日は朝からひどい下痢アルよ。朝食、昼食抜きでも一日中具合が悪かたのこと。悪いことに、あの歌の所為で足の痛みも昨日よりひどくなり、へんな歩き方をしているアルから腰もさらにおかしくなてきたのこと。あの歌は足腰に悪いらしいアルな。せっかくのサロンパスも、あの歌には負けたのこと
「アッシジ」
窓の下に見える広大な下界の夜景はなかなか奇麗で、珍さん、残り少ない職業意識を出してしまい、撮影したのこと。アッシジ自体は狭い街でただ小高い所にあるだけで、ひたすら不便なだけの街アルよ。どうしてこんな場所にわざわざ街を作たのか不可解だたアルが、翌朝、部屋の窓を開けてビックリ。窓の下100メートルに広がていた何十キロ四方もある大平原は真っ白で何も見えないのこと。雲海アルよ。下界の街は雲海でスッポリ覆われてしまていたアルよ。
次の街に向かう時に分かたアルが、下界に降りてみると、ひどい霧アルよ。上から見れぱ奇麗な雲海アルが、下では濃霧アルよ。例の時速150キロの空飛ぶジェット・コースター号ですら何時間もかかて霧から脱出したほどアル。アッシジの街が何故、丘の中腹に作られたが分かたのこと。平野に作ったのでは、年中このひどい霧に悩まされるアルな。これでは洗濯物が渇かないアルし、健康に悪いアルよ。
ところで、珍さん、フィレンツェで下痢をしてから色々と体調がおかしいのこと。足腰の痛みもひどく、ビッコ気味であるのは前に書いた通りアルが、それ以外にも理由があて妙な歩き方をしていたアルよ。
下痢をすると何度もトイレに行くアルが、その度に、当然のことながらトイレット・ペーパーを使うアルな。ところが、イタリアのホテルのトイレット・ペーパーときたら、紙質が非常に悪く、表面がザラザラしているアルよ。イタリアに来てから一周間、この、まるでサンド・ペーパー(紙ヤスリ)みたいな紙で毎日ゴシゴシやていたアルから、肛門がただれてしまたらしく、ヒリヒリするのこと。
そうなると、翌日からトイレに行くのが億劫になり、次第に便秘気味になてしまうアルよ。便秘になると便が固くなり、排便に苦労するアルよ。すると、余計にトイレに行かなくなてしまうのこと。たまに排便するとついつい切れ痔になり出血、そこをまたもやサンドペーパーでゴシゴシたから、肛門はさらにヒリヒリ。
「ブリッ、ゴシゴシ、ヒリヒリ、イテテテテ、ブリッ、ゴシゴシ、ブリッ、ヒリヒリ、イテテテ、ブリッ、ゴシゴシ、ヒリヒリ、ブリッ、イテテテ、ブリッ、ゴシヒリ、ゴシヒリ、イテテテテ、ブリッ」
と悪循環から抜け出せないアルな。珍さん、どうしたらいいのか困てしまたのことよ。医者に行きたくても、「便秘」なんて単語は「イタリア語会話集」には出ていないアル。イタリア語では「歯が痛い」を、「オ マル ディ デンティ」と言うらしいアルから、「便秘」は「オ マル ディ ベンピ」、日本語で喋れば、「お丸でベンピ」で通じるかと思ったアルが、勿論通じる筈が無いのこと。
ついには足をガニ股にしていないと肛門がすれて、痛くて歩けない程になてしまたのこと。ガニ股でビッコ歩きアルから、実に妙な歩き方になてしまうアルよ。さすがのマイペース・ノー天気オジサンですら、それに気付き質問してきたアルよ。
「珍さん、歩き方がおかしいよ。どうかしたの?」
珍さん、肛門を両手でかばいつつ
「あっし、痔」
<marquee>おあとが宜しいようで・・・バイバーイ!
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