とまと日記 2011

最近、映画のイラストばっか。気ままに続けます

06.10.16 嫌われ松子の一生

2006年10月17日 | 映画とかと僕
今日は昨日の疲れもあって、かーなりぐったりしていました。ヤバい。

夜中に、嫌われ松子の一生を見ました。中島哲也監督の前作、『下妻物語』がかなりよかったので。。。。(昨日の牛久大仏も下妻に出ている…)

で、二作目となる今作も、相変わらず映像がキレイで演出もシュールにハイテンションで飛ばしていて絶対飽きないようになっています。というか、話が面白すぎて退屈はしません。面白い? いやぁ。面白い話ではないんだけれども。。

ストーリーは松子のあまりにもついていない、徹底的に悲惨なほど救えない半生のお話。その下降っぷりたるやすごいっす。
普通、ふっつ~の主役が頂点に上り詰めるもラストになって転落、といったストーリーが多いじゃないですか。(起承転結がはっきりしてるから。)
でも松子は最初から転落して最後には凄惨で本当に救いようがないです。本当に暗い。暗すぎる。原作読んだ事ないけど、めちゃくちゃダークなんだろうなぁ。。。

そんな超ダークのお話を、なんともメルヘンに仕立て上げられてしまった。その位お話を”ファンタジー”にして非現実性を持たせたことで、暗い最低の話を面白おかしくつづってしまった。その逆転の発想たるやオリジナル印で、未だ見た事がない作品になりました。
主役の中谷美紀の存在感と演技力はびびったぁ。エルメスさんとは真逆です。演技うまいなぁ。体当たりしたなぁ。
60年代から今にかけての時代の変化もとても面白かった。街並も髪型や服も変わる。時代の移り変わりを見るだけでもいっぱい発見がありそう。

ただやっぱり見る人にとっては、嫌気がさす作品であることには間違いなさそうです。
「なんで人の不幸話を2時間もみなきゃならんのだ」とか「不幸話を笑って片付けて、何がしたいの?」とか言われてそう。
確かにねぇ。でも、人の不幸は蜜の味って言うし。申し訳ないけれど、不幸を極限にまであげて、語り口を明るくしてしまうことで生まれるこの”蜜の味”は爆笑してしまうしかなかった。終盤はリアルすぎて笑えないんですけれども(;_;)

でも嫌われ松子の主軸にあるテーマは、家族愛なんです。最後はやっぱり家族の愛。そこだけが救える。ラスト、松子はフランダースの犬になって階段を上がり、和解した家族の元へ。きれいだぁ。

↓公式サイトより。
「壮絶な不幸に揉みくちゃにされながらも、誰かを愛し、その人だけを信じて突き進む。
傷ついても、傷ついても愛する人への思いを胸に夢を見つづける松子。
誰がどう考えたって不幸な人生なのに、彼女にとってはすっごくハッピー!
最後の最後まで夢見ることをやめなかった松子。そんな松子をすべての人々が愛してしまう。
『下妻物語』の中島哲也監督が贈る、おかしくて切ない…全く新しいシンデレラストーリーが誕生した!!」
…シンデレラストーリーはどうかは疑問ですがまだ見ぬ人には勧められる映画でした。

最後に、今ドラマやってるんですね。さっき知りました。2時間に凝縮されたエキスをどこまで伸ばせるんでしょうか?!。