ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ルンバ】難波先生より

2012-09-14 12:03:42 | 難波紘二先生
【ルンバ】ハワイに住む娘が、「友人の家で動いているのを見かけて、便利そうだから」と掃除ロボットを送ってきた。円盤状で回転しながら家中を動き回り、床のゴミを吸い取る。音がうるさいので、リビングで使うように家内にはいってあるが、時々ドアが開けたままになっていて、廊下に這い出してくる。それが「ルンバ」という代物だと「朝日」の記事で初めて知った。
 http://www.asahi.com/shopping/news/TKY201209110580.html


 玄関まで移動して、そこから転落するかと思っていると、転落しない。ダイニングで新聞を読んでいると、たいてい音に絶えきれず、玄関先の廊下でスィッチを切ってしまう。家内の話だと移動したルートを覚えていて、最後は元あった位置に戻って自動停止するのだそうだ。俗に「四角い隅を丸く掃く」というと、ずぼらな仕事の代名詞だが、このロボットが部屋の隅をどう掃除するのかわからない。


 「アイボ」というロボット犬が話題を読んだのは10年くらい前だと思うが、今は介護用のヒト型ロボットなどもずいぶん開発が進んでいるだろう。星新一のショートショートに「ボッコちゃん」という傑作があった。人間と見分けがつかない可愛いロボットのホステスがいるバーが出てくる。客はボッコちゃんがロボットだと知らない。高級な会話は出来ないので、客の問いを反射するかたちで会話し、舌足らずで発音するようにアルゴリズムが組んである。
 「ボッコちゃん、おいくつ?」
 「あたち、いくつでちょう?」
というような具合だ。
 この他愛ない愛くるしさが客に受けて、大人気となる。


 ボッコちゃんは客が勧めるカクテルをいくらでも飲む。カクテルは体内のタンクに貯留され、店が終わった後でマスターが抜き出し、また商品になるのだが客は知らない。
 ここにあっと驚く結末のタネがあるのだが、ネタバレになるからこれ以上書かない。


 先日、広島駅前の大型書店「ジュンク堂」でのマニュアル人間たちの対応ぶりを記したが、いまは、ファミレス、スーパー、コンビニとたいていの店でマニュアル通りの対応しかしなくなっている。応対の文言も、声調も一緒だ。品物の識別と買い物額の合計は商品のバーコードをセンサーにかざすだけだから、売っている方が何を売ったかの意識すらない。まあ、「ロボットもどき」だ。


 スーパーのレジに長い列が出来ているときなど、「アメリカのスーパーにあるエクスプレス・ラインを設けたらよかろうに…」と思う。
品目が少ない客で、決裁がカードでお釣りがいらない客用の、自動レジである。これなら「ロボットもどき」の顔も声も、見たり聞いたりしなくてすむ。


 ファミレスやスーパーやコンビニの店員がロボット化するだろうな、とは漠然と思っていたが、そのイメージは「ヒト型」であった。
しかし、「ある機能」を最大限に発揮するものが、必ずしもヒト型である必要はない。機能そのものが最適の形態を決定するからだ。
ウェイター・ロボット、レジ用ロボット、介護用ロボットetc みなその必要機能に応じてかたちが変わるのだろうな、とルンバを見ながら思う。
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