ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

7-28-2014鹿鳴荘便り/難波先生より

2014-07-28 17:34:41 | 難波紘二先生
娘一家の帰国の日が近づいてきた。最近、旅客機の墜落事故が相継いでいるので、不安になり博多=ホノルル間の航空会社名をたずねたら「デルタ航空」なので、まあ安心した。前はJALが週何便か成田-コナ(ワハイ島)直行便を運行していたのだが、リーマンショックでJALの経営がおかしくなってから廃止になった。客は若い東京のIT成金が多かった。ワイコロア・ヒルトンあたりで休暇を過ごす連中だ。
 土曜日は息子夫婦らと伊豆大島に釣りに行き、日曜日は息子夫婦がまた訪ねてきて、夜「サンサーラ」で「最後の晩餐」をやった。あらかじめNスペを録画予約しておいてよかった。迫力と説得力のある番組だった。
  7/25金曜日に広島市「昆虫博物館」に行ったとき、付近の公園の休憩所でお弁当を食べた。傍に高いポール(高さ15メートルくらい)とナイロンロープを組み合わせたピラミッド型の遊具(ジャングルジム)があり、6歳と4歳の孫が喜んで高登りした。
 徒然草の「木登り上手」の話にあるように、高いところに登るときは童子といえども、自ずから気をつける。それに万一落ちても、途中で何回もロープに引っかかるような構造になっているから、大したことはあるまい、と思っていた。何回か、事故なく登ったり降りたりした。

 そしたら下の孫が降りるとき、一番下のロープにたどり着いた後、ロープにつかまったまま、手と足でぶら下がり、傾斜を利用して滑り降りようとして、途中で手を放したもので地面に墜落して大泣きした。落ちるところを見ていたら、頭に帽子をかぶり、背中から墜落して二次的に頭を打った。重力加速度からみて、ひどい衝撃ではなく、「大したことないな」と思った。
 兼好法師は木登り上手の話した秘訣として、「低いところに用心する」と書いているが、この孫も一度くらいこういう目に合うと、高登りの要諦を学べるだろう。
 大泣きして、さかんに手が痛いという。どこが痛いのか聞くと、人指し指の第二節(中節)掌面を指す。別にすりむけてもいないし、血も出ていない。
 娘が「棘が刺さったのではないか」というので、ポケットにあるスイス・アーミーナイフからルーペを取り出して、ていねいに観察したが、肉眼では見えない(ということは0.1ミリ以下の)小さな黒点(ホクロかも知れないが、掌面のホクロ=色素性母斑はきわめてマレ)があるが、表皮面には突出していない。念のため、同じナイフに内蔵されている金属性の毛抜きを引き出して、黒点の両側を圧迫して飛び出させて抜くことをトライしたが、飛び出してこなかった。
 それで「これは心理的なものだ」と気づいたので、「ジジが痛くなくなるおまじないをしてあげる」と言って、みんなで「痛いの、痛いの、飛んで行け-」と大声で唱えたら、ピタリと泣きやんだ。
 痛みには多分に心理的要素があり、客観的に計測できない。すりむいたり、コブを作ったりして大泣きするときに、私が自分の子どもに言ってきた言葉は「大丈夫、死にはせん」である。子どもは不安から泣くので、この言葉にもけっこう効果がある。
 ポケットにナイフと15センチ物差しと40倍ズームのデジカメを入れて持ち歩いているが、ルーペと毛抜きが役立つとは思わなかった。このナイフには他に、1.象牙の爪楊枝、2. 栓抜き+缶切り+幅6ミリのマイナス・ドライバー、3.プラス・ドライバー、4,ハサミ、5.長さ7センチの物差し+魚のウロコ取り+魚の針抜き、6.ノコギリ、7.両面ヤスリ+鋸ヤスリ、8.刃渡り6センチの果物ナイフ、9.刃渡り4センチの小刀、10.コルクの栓抜き、11.平刃の鑿(ノミ)、12.幅3ミリの小ネジ用マイナス・ドライバー、13釣り竿、14.穴開け器(大型錐)が付いていて、「五徳ナイフ」どころか、完全なサバイバル・キットである。ステンレスで握りは硬質プラスティック、どこにも錆が来ないし、刃の切れ味も落ちない。
 35年くらい前に、シアトルの専門店で、25ドルくらいで買った。あの頃はまだ空港のセキュリティ・チェックが今ほど厳しくなくて、別に咎められることもなく日本に持ち帰れた。
 前に東京駅八重洲の地下街に「王様のアイデア」という店があり、最初のアフリカ行きの際に「携帯文具セット」という、ホッチキス、留め針の除去器、物差し、ハサミ、読書ルーペ、セロテープが一体になったものを、「や、これは便利」と思って買ったが、すぐ壊れて役に立たなかった。いま見ると「Made in Taiwan」とある。これは、コンセプトは良いのだが、技術が足りない例だろう。

 仕事場のトイレの換気扇にはセンサーが付いていて、中に人がいるときだけ作動する。ところが連日35度を超す暑さなので、用足しに入るとむっと暑くてたまらない。窓に網戸があるので、窓ガラスを空けておいたら、2日後、手洗いの白い流しに小さなアリが沢山いるのを見つけた。小さいくせに高速で走る。「あ、ここにも来たか…」と思った。外にいるアルゼンチンアリである。1993年に広島市の西隣にある廿日市市(はつかいちし)の木材港に日本初上陸したとされている。
 水道水で洗い流したが、すべては除去できない。スコッチテープを持ってきて、観察材料を採取した。普通のアリなら、このテープの粘着力で捕捉できる。が、このアリは体長が2ミリ程度しかないのに、指で押軽くさえつけたくらいではダメで、つよい脚力を持っていてピョンと跳び上がるようにしてまた動き出す。ともかく、腹側で押さえつけたものと背中側で押さえつけたものを2匹採取し、普通のアリとどう違うのかUSB顕微鏡で覗いてみた。

 スケールの単位はミリなので、体長は2mmちょっと、黒いのが腹で頭と胸は茶色、触角は太く長い。足も体の割に太く長い。どうりで普通のアリよりも早く動き、粘着テープから離脱できるわけだ。右端に写っている黒い糸のようなものは、肉眼では見えず7倍のルーペなら見えた。私の毛髪なら肉眼で見えるから、何だかわからない。
 もう少しシャープな写真が撮れるとよいのだが、今のUSB顕微鏡ではこれが限界のようだ。(画面で白線間の長さを実測してほしい。1ミリが何ミリに相当するか、それ実効倍率だ。撮影は約1200万画素(約700KB)で行い、トリミングで約200KBに縮小している。)
 このアリはもう東京の近くまで拡散しているようで、いまさら駆除は無理だろう。寒冷地適応しながら、東北地方や500メートル以上の山地にも広がってゆくだろう。

 今回は、
 1書評=清水勲「4コマ漫画:北斎から<萌え>まで」
 2.「新聞を読んで」=STAPだけでなく、いろな話題の雑感です、
 3.ノウゼンカズラ=これも連想雑感、
 4.流行り歌=50年前の流行歌の話、
 5.7/27(日曜日)21:00からのNスペ「検証STAP細胞」を見ての感想など
 6.親族と血縁=「妻が婚姻中に産んだ子は夫の子と推定する」という民法の解釈をめぐる最高裁判決についてのコメント、
 を取り上げました。
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